1月4日開幕『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート 2019』を、アリス・リプリーら出演者5人が語る

インタビュー
舞台
2019.1.4
(左から)アリス・リプリー、ロベール・マリアン、ダニエル・ウィリアムソン、アダム・カプラン、トニー・ヤズベック

(左から)アリス・リプリー、ロベール・マリアン、ダニエル・ウィリアムソン、アダム・カプラン、トニー・ヤズベック

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東急シアターオーブのお正月恒例となったミュージカルの祭典『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート 2019』が、2019年1月4日に開幕する(公演は1月6日まで)。今年も豪華なキャストが揃い、見応えは十分だ。

アリス・リプリーはブロードウェイを代表するベテラン女優。オリジナルキャストとして『サンセット大通り』ベティ役や『サイド・ショウ』ヴァイオレット役など大役を務め、『ネクスト・トゥー・ノーマル』ダイアナ役でトニー賞最優秀主演女優賞を受賞。

ダニエル・ウィリアムソンは若手注目株。ブロードウェイで『メンフィス』フェリシア役を、『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』デロリス役、『ウィキッド』エルファバ役、『ノートルダムの鐘』エスメラルダ役など演じてきたパワープレイヤー。

アダム・カプランは2016年『キンキーブーツ』来日公演で主役チャーリーを演じて人気に。ブロードウェイの『ニュージーズ』でメインキャスト、『ブロンクス物語』では主人公カロジェロ役に抜擢された。

ロベール・マリアンはブロードウェイ、ロンドン、パリ、モントリオールで『レ・ミゼラブル』バルジャン役を演じてきた。『ノートルダム・ド・パリ』フロロ役としても知られ、このコンサートシリーズの常連。

そしてトニー・ヤズベックは、ブロードウェイの主役級俳優。『シカゴ』ビリー・フリン役、リバイバル版『オン・ザ・タウン』ゲイビー役、『ファインディング・ネバーランド』主演バリ役などで観客を魅了。タップの名手であり、名ダンサー。今回も素晴らしいステップで私たちを虜にしてくれそうだ。

互いの声を合わせてリハーサルした後、キャスト5名にインタビューしました。



――今回、自身が歌うナンバーから、ぜひ聴いてほしい一曲を教えてください。

アリス  『コーラスライン』の「愛した日々に悔いはない」です。私の十八番の歌ですが、アメリカでは歌う機会がなく、絶対にキャスティングされない役でもあるので、日本で歌えて嬉しいです。あのオーケストラの音色を聴いたら、楽しみで仕方ないわ!『コーラスライン』は最初に恋した作品で、出演したことはないけど、歌も作品も大好き。特にこの歌は私にとって大切なんです。もし『コーラスライン』に出るならどの役か?演出家のザックかな(笑)。ダンサーとして出ることもできるけど、私はトニーみたいなザ・ダンサーじゃないしね。

アリス・リプリー

アリス・リプリー

ダニエル 『ドリームガールズ』の「アイ・アム・チェンジング」。私はこの役を演じる機会はないでしょう。エフィを演じるには、もっと太らなきゃ(笑)。個人的にこの歌にはとても通じるところがあって。人生で自分が何者か、他の人に自分がどう見られているか、気にしていた時期もあったわ。何をやるにしても批判されがちな仕事でもあるし。そんな時、自分に自信を持つことは大事だと教えてもらった曲です。

トニー 「雨に歌えば」ですね。ジーン・ケリーへの敬意を込めて。彼へのオマージュでありつつ、自分独自のステップを入れて構成しました。全く新しいパフォーマンスになっているよ。

アダム 『ウエスト・サイド・ストーリー』は僕が6歳の時、父に連れて行ってもらった初めてのミュージカル。俳優になろうと決めた特別な作品です。トニー役を演じるのは僕の夢。オーケストラの伴奏で「マリア」を歌えることがとても嬉しい。一生に一回はトニーを演じたいと思っているけど、今は全くの新作を作ることに興味があって…。

トニー アダムは、あと15年はトニーやれるよ!

アダム (笑)。『ブロンクス物語』は17歳の役を演じていたし。

ロベール 「蜘蛛女のキス」は1996年に『ブロードウェイ・モントリオール』というカナダで開催した自分のコンサートで歌って以来。今日、23年ぶりにオーケストラと合わせたよ(笑)。いい思い出が詰まった曲です。

――リハーサルをしてみて、他の人の曲、もしくは誰かと一緒に歌う曲で楽しみな曲は?

アリス  「シャル・ウィ・ダンス」をトニーと歌って踊ること。初挑戦なのよ。『王様と私』のアンナはすごく演じたい役でした。トニー・ヤズベックと踊れるなんて、最高でしょ!本当はくるくる回った時に広がるドレスを着たかったけど、次のチャンスにとっておくわ。

ダニエル アダムと『ブロンクス物語』の「イン・ザ・ワールド・ライク・ディス」をデュエットすること。言葉にできないくらい美しい曲で、グルーヴもあり、頭から離れない。実際にブロードウェイで演じていたアダムと歌えるのは本当に嬉しいです。歌ってみたら、相性も良かったと思うな。

ダニエル・ウィリアムソン

ダニエル・ウィリアムソン

トニー 僕は「アイ・ガット・リズム」。皆が知っている曲で、ガーシュインらしさに溢れている。世界が混沌としている今こそ、誰もが喜びを感じ、幸せになれる曲がいいよね。

アダム 2年前のこのコンサートでも歌った『天使にラブ・ソングを…(シスター・アクト)』の「スプレッド・ザ・ラブ・アラウンド」。歌うのが難しくて大変だったけど、その後2年間、頭にこびりついたまま(笑)。

ロベール あの時のキャストは全員そう。

アダム 最高だったよね!リハで歌ったら、観客の皆さんと歌って踊って手拍子して、その熱気と興奮が蘇ってきました。愛を広めようというテーマも素敵。2年前のキャストたちがSNSのグループを作っているんだけど、グループ名が「スプレッド・ザ・ラブ・アラウンド・トウキョウ」(笑)。

アダム・カプラン

アダム・カプラン

――『天使に〜』といえば、ダニエルはデロリス演じていましたね。

ダニエル 私は2016年に3つのプロダクションでデロリスを演じました。デロリスは今までで一番難しい役。他にも難しい役はあったけど、デロリスの歌は非常に難しい。公演後は一切喋らないように努めたくらい。もちろん楽しかったけど!

ロベール 僕はトニーの「雨に唄えば」を見るのが楽しみだよ。母がジーン・ケリーの大ファンでね。子供の頃、テレビで白黒映画を見せてくれた。フランス語の家庭だったから理解できなかったけど、映画は鮮明に覚えている。観客として座って見たいなぁ!

ロベール・マリアン

ロベール・マリアン

――トニーさん、今まで「雨に唄えば」をパフォーマンスしたことは?

トニー 2回だけ。妻とはその時に出会ったんだ。

アリス  まあ、ロマンチック!

――ロベールとアダムは2年前の『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート  2017』で共演。アリスとトニーは仕事で知り合い同士。他は初顔合わせと、まさに一期一会のメンバーですが、リハーサルで一緒に歌ってみた感想は?

アリス  ハーモニーの響きが綺麗で、良かったわよ。私はダニエルと『サイド・ショウ』の双子の曲「アイ・ウィル・ネバー・リーブ・ユー」をデュエットしました。よく歌って!とリクエストされる曲だけど、普段はエミリー・スキナー(アリスと共演した双子デイジー役)と一緒じゃないと歌わないと断っているの。おかしな話だけど、今日歌ってみてわかったのは、ダニエルはエミリーと似ていること。外見は違うけど、持っている精神と魂が似ている。一緒に歌っていると、エミリーを思い出して、心地良かったです。

ロベール そうそう!僕がブロードウェイで『レ・ミゼラブル』にバルジャン役で出演していた同じ時期に、アリスは『サイド・ショウ』をやっていて。

アリス  ロベールはインペリアル・シアターで私はリチャード・ロジャース・シアター。ちょうど楽屋口が真横だったのよね。『サイド・ショウ』は2カ月しか上演しなかったのよ。私はよく『ネクスト・トゥ・ノーマル』のダイアナだって言われるけど違うの。ヴァイオレットこそ私。『サイド・ショウ』がクローズになった時、私、すごくガッカリしちゃった。その翌年、私はファンテーヌとして『レ・ミゼラブル』に参加したんです。

ロベール 僕が『レ・ミゼラブル』を離れた直後に、アリスが入った。ちょうど入れ違いだったけど、やっと会えた!

アダム 「サンタフェ」は僕がブロードウェイデビューした『ニュージーズ』の曲。「ソウル・オブ・ア・マン」は『キンキーブーツ』の曲で、2年前にこのコンサートの大阪公演で歌って以来。トニーの『オン・ザ・タウン』はブロードウェイで見たし、大学生の時に『ネクスト・トゥ・ノーマル』でアリスを見て、うわぁ!ってなった。ロベールが『レ・ミゼラブル』の曲を歌い、ダニエルが「ディファイング・グラヴィティ」を歌っているのも印象深い。どの曲も僕にとって重要です。

――最後に、日本の観客の皆さんへメッセージを一言ずつどうぞ。

アリス  コンサートで一緒に最高の時間を過ごしましょう!

ダニエル 声をあげて、お祭り騒ぎを楽しんで!

ロベール 白血病の友達が来られないのが残念だけど、その友達のためにも歌いたい。音楽は世界共通の言葉。(日本語で)オンガク、バンザイ!

アダム 再来日が決まった時、皆さんがSNS上でも喜んでくださったのが嬉しかったです。呼んでくれてありがとう!

トニー 日本は3回目。僕は日本のファンが大好き。皆さん親切で礼儀正しくて、人間のお手本です。楽しんでください!

トニー・ヤズベック

トニー・ヤズベック

聞き手・文=三浦真紀(演劇ライター)
写真提供=東急シアターオーブ

公演情報

PGF生命 presents『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート 2019』
 

■日程:2019年1月4日(金)~1月6日(日)
■場所:東急シアターオーブ
■出演:アリス・リプリー、ダニエル・ウィリアムソン、アダム・カプラン、ロベール・マリアン、トニー・ヤズベック
■予定曲目:
アイ・ガット・リズム 『クレイジー・フォー・ユー』
ゼイ・キャント・テイク・ザット・アウェイ・フロム・ミー 『クレイジー・フォー・ユー』
ラック・ビー・ア・レディ 『ガイズ&ドールズ』
ゴッド・ヘルプ 『ノートルダムの鐘』
シャル・ウィ・ダンス 『王様と私』
キス・オブ・ザ・スパイダー・ウーマン 『蜘蛛女のキス』
ベル~美しき人 & お前は私を破滅させる 『ノートルダム・ド・パリ』
シーズンズ・オブ・ラブ 『レント』
アイ・ウィル・ネバー・リーブ・ユー 『サイド・ショー』
マイ・フェイヴァリット・シングス 『サウンド・オブ・ミュージック』
雨に唄えば 『雨に唄えば』
マリア 『ウエスト・サイド・ストーリー』
愛した日々に悔いはない 『コーラスライン』
イン・ア・ワールド・ライク・ディス 『ブロンクス物語』
アイ・アム・チェンジング 『ドリームガールズ』
ソウル・オブ・ア・マン 『キンキーブーツ』
夢やぶれて 『レ・ミゼラブル』
バルジャンの独白 『レ・ミゼラブル』
スティール・ユア・ロックンロール 『メンフィス』
サンタフェ 『ニュージーズ』
アイ・ミス・ザ・マウンテン 『ネクスト・トゥ・ノーマル』
ラヴリー・タウン 『オン・ザ・タウン』
スプレッド・ザ・ラヴ・アラウンド 『天使にラブソングを…(シスターアクト)』
魅惑の宵 『南太平洋』
ディファイング・グラヴィティ 『ウィキッド』
※順不同
※予定プログラムは予告なく変更になる場合あり。

料金:SS席 12,000円 S席 10,000円 A席 8,000円 B席 5,000円(全席指定・税込)
U25(25歳以下当日引換券) 4,500円(税込)
※<クリーマリーサンド付>(12月25日18時まで受付)、<トークショー付>(12月23日23:59まで受付)もイープラスで販売中
■公演に関するお問合せ:Bunkamura 03-3477-3244 (10:00~19:00)
 
■公式サイト:http://theatre-orb.com/lineup/wmcs/
■東急シアターオーブサイト:http://theatre-orb.com/
■主催/企画・制作:Bunkamura
■特別協賛:PGF生命
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