伝説のミュージカル『グランドホテル』が来年春に東京と大阪で上演!

ニュース
舞台
2015.11.16

動乱の1920年代――豪華絢爛なホテルに交差する人々の光と影…。伝説のミュージカル『グランドホテルが、鬼才トム・サザーランドの演出で現代に蘇る!
 
ミュージカル『グランドホテル』は、1989年、ブロードウェイで初演。才気あふれるトミー・チューンが演出・振付を手がけ、ロバート・ライト&ジョージ・フォレストという往年の作詞・作曲家コンビに、『ナイン』『タイタニック』『ファントム』など素晴らしい作品で知られるモーリー・イェストンが、追加の作詞・作曲で参加、1,017回上演した大ヒットミュージカルである。1990年度トニー賞では、助演男優賞、演出賞、振付賞、装置デザイン賞、衣装デザイン賞、照明デザイン賞の5部門を受賞している。

日本初演は1993年、演出・振付にトミー・チューン氏を迎え、宝塚歌劇月組公演として上演された。当時の月組トップスターで、妖精のようなキャラクターで人気を博していた涼風真世が自身の退団公演で、この重厚な人間ドラマに挑戦し、オットー・クリンゲライン役を見事に演じて大評判となり、宝塚歌劇団の作品の中でも、屈指の名作として再演が望まれている作品である。

物語を彩るのは、1920年代の大都市ベルリンにある華やかな「グランドホテル」に集う様々な人々。
莫大な借金のためギャングから窃盗を強要されるが、その生粋の気品から誰もが大金持ちだと信じて疑わない苦悩の男爵。自らの死期を感じて全財産を投じて投宿する会計士。盛りを過ぎて自信を失った哀れなバレリーナと彼女を支えひそかに慕うマネージャー。会社倒産を救うために奮闘する権威主義の実業家。自分のみじめな今の暮らしから脱出しようと懸命な若いタイピスト。第1次世界大戦ですべてを失い隠遁生活を送りながらグランドホテルを見つめる老医師。

人間のありとあらゆる側面が浮き彫りにされるこのミュージカル『グランドホテル』は、これまでのミュージカルの常識を覆した画期的な作品として注目を浴び、今でも再演が望まれる人気演目だ。

今回の上演では、モーリー・イェストンや原作者から最も信頼が厚いロンドンの気鋭演出家、トム・サザーランドに演出を依頼。トム・サザーランドは2013年に、ロンドンで同じくモーリー作品『タイタニック』を演出し、その年もっともの取れないミュージカルとして絶賛され、ロンドンでも次回作が期待されている。日本でも同ミュージカル『タイタニック』(2015年)を日本人キャストで上演、ロンドンと同じく、日本でも大絶賛を浴び、連日立見も出る満員となった。
 
注目のキャスト陣は、物語のキーマンとなる重い病を患ったユダヤ人の本屋、オットー・クリンゲライン役に、唯一無二の歌声と確かな演技力で、今やミュージカル界になくてはならない中川晃教、そして数々の演劇賞を受賞し、映像・舞台と縦横無尽の活躍を見せる成河の2人がWキャストで取り組む。また若く美しく、しかし貧しいフェリックス・ヴォン・ガイゲン男爵役には、東京藝術大学声楽科で研鑽を積み、ヴォーカルグループ[LE VELVETS]としても活動、本作がミュージカル初出演となる宮原浩暢([LE VELVETS])と、その端正な立ち姿で数々の舞台で異彩を放ってきた伊礼彼方が演じる。ロシア人のバレリーナ、エリザベータ・グルシンツカヤ役には、宝塚歌劇団在団時より不世出のダンサーとして高名な安寿ミラと、言わずと知れたバレエ界の至宝草刈民代がWキャストで挑む。

そのほかにも、戸井勝海/吉原光夫(Wキャスト)、春野寿美礼/土居裕子(Wキャスト)、光枝明彦/佐山陽規(Wキャスト)といった日本ミュージカル界の実力派たち。ミュージカル界の将来を担う昆 夏美/真野恵里菜(Wキャスト)、藤岡正明。そしてスペシャルダンサーとして湖月わたるが集結。これ以上ないほど個性豊かなキャスト陣が、グリーンとレッドという2つのパターンに分かれて、グランドホテルに集う人々の人間ドラマを流麗な音楽に乗せて描き出す。 
 
『タイタニック』の群像劇を、心に深く残る演出で人々に大きな感動を与えたトム・サザーランドが、愛と狂騒の20年代に起こる「グランドホテル」の様々な人間模様をどう描くのか。演出家によって様々な演出アプローチが出来る作品だけに、今回トム・サザーランドの手によって、どんなふうに立ち上がるのか、期待は大きい。

 

 

 
公演情報
ミュージカル『グランドホテル』 
■脚本◇ルーサー・ディヴィス 
作詞・作曲◇ロバート・ライト&ジョージ・フォレスト 
■■追加作詞・作曲◇モーリー・イェストン 
演出◇トム・サザーランド 
出演◇ 
GREEN/中川晃教、宮原浩暢(LE VELVETS)、戸井勝海、昆 夏美、藤岡正明、湖月わたる、春野寿美礼、光枝明彦、安寿ミラ 
RED/成河、伊礼彼方、吉原光夫、真野恵里菜、藤岡正明、湖月わたる、土居裕子、佐山陽規、草刈民代 
味方良介、木内健人、大山真志、金すんら、友石竜也、青山航士、杉尾 真、新井俊一、真瀬はるか、吉田玲菜、天野朋子、岡本華奈 
■期間・会場
[東京公演]2016年4月9日(土)~24日(日)◎赤坂ACTシアター 
[大阪公演]2016年5月5日(木・祝)~8日(日)◎梅田芸術劇場メインホール 
お問い合わせ梅田芸術劇場
公式サイト
http://musical-grandhotel.com/
演劇キック - 宝塚ジャーナル
シェア / 保存先を選択