こまつ座「木の上の軍隊」本日より、栗山民也が決意「これからもずっと続けていく」

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2019.5.12
井上ひさしメモリアル10 こまつ座 第127回公演「木の上の軍隊」より。

井上ひさしメモリアル10 こまつ座 第127回公演「木の上の軍隊」より。

こまつ座「木の上の軍隊」が、本日5月11日に東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで開幕する。

2013年に初演された「木の上の軍隊」は、「父と暮せば」「母と暮せば」と並ぶ「戦後“命”の三部作」の第2弾。井上ひさしの原案をもとに、モダンスイマーズの蓬莱竜太が書き下ろした「木の上の軍隊」では、戦中戦後の2年をガジュマルの木の上で過ごした2人の日本兵の物語が描かれる。

今回の上演版では、16年版に続き、栗山民也が演出を担当。キャストには山西惇、松下洸平、普天間かおりが名を連ねている。最終舞台稽古を終えた栗山は「最後の稽古を見つめながら、幾度となく訪れた沖縄の現在と、いくつもの思い出がはっきりと浮かんできました。これからもずっと、続けていかなければなりません」と思いを明かした。

上演時間は約1時間55分。紀伊國屋サザンシアターでの公演は本日5月11日から19日まで行われ、6月26日には沖縄・沖縄市民会館 大ホールで上演される。なお本作は、井上の没後10年目を記念した企画「井上ひさしメモリアル10」にラインナップされている。

栗山民也コメント

最終の舞台稽古を終え、今、自宅に戻りました。劇のラストに轟く爆音のようなオスプレイの飛行音が、ずっとそのままに残っています。
初演は6年前なのに、沖縄の現状は、不思議なくらい何一つ変わっていません。だからなのか、今回は普段の時のような静かな波、砂の音、そして降り注ぐ太陽の陽気なほどの沖縄の明るさの上に、それを覆うかのように、この戦争の物語を置きました。それはまるで、平和な時間の中へ突然突き刺さる戦争のように。また、透明にゆっくり光る海の中へ容赦なく投入される、あの赤土の酷い映像のように。
最後の稽古を見つめながら、幾度となく訪れた沖縄の現在と、いくつもの思い出がはっきりと浮かんできました。これからもずっと、続けていかなければなりません。

井上ひさしメモリアル10 こまつ座 第127回公演「木の上の軍隊」

2019年5月11日(土)~19日(日)
東京都 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

2019年6月26日(水)
沖縄県 沖縄市民会館 大ホール

原案:井上ひさし
作:蓬莱竜太
演出:栗山民也
出演:山西惇、松下洸平、普天間かおり

ステージナタリー
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