ボードゲームに恋して~ROUND:10

コラム
アニメ/ゲーム
2015.11.28
 (c)DEAR SPIELE

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「日本最大のボードゲームイベントに"取材です"と言い切って潜入してきました」
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ゲームマーケット2015秋

このコラム(?)がどのほどの情報発信野郎なのか、自分でも全く把握できていませんが、それでも「文章書いて写真貼って紹介するんだから、これは取材して発信しているってことなんじゃないか?」と自分に言い聞かせ、11月22日(日)に開催された日本最大のボードゲームイベント「ゲームマーケット」に「取材」名目で潜入してきました。

いままで、一般の客としての参加から、出店側までは経験してきましたが、まさか取材腕章をつけることになるとは……取材と言うにはあまりに拙いレポとなりますが、お付き合いいただければ幸いです。

 

>>会場はイベントの聖地「東京ビッグサイト」

ゲームマーケットは日本有数のイベントスポット「東京ビッグサイト」にて行われています。展示会系のイベントや、即売会イベントなどへ行く方にはお馴染みの風景、お馴染みのエントランス。2年前までは、浅草で行われており、会場規模の広がりとともにイベント事態の規模の拡大も感じます。

ゲームマーケットもイベントの聖地ビッグサイトで行われています (c)DEAR SPIELE

ゲームマーケットもイベントの聖地ビッグサイトで行われています (c)DEAR SPIELE

 

イベントの開始は午前10:00。
9:20頃に会場に着くと、既にそこには長蛇の列ができており、今回開催される「東館」の近辺は勿論、動く歩道の先にあるエントランス近くまで待機列が伸びていました。

 
会場前から長蛇の列! (c)DEAR SPIELE

会場前から長蛇の列! (c)DEAR SPIELE

 
列はまだまだ続きます・・・会場前に2,700人も並んだとか (c)DEAR SPIELE

列はまだまだ続きます・・・会場前に2,700人も並んだとか (c)DEAR SPIELE

会場の整理をしていたスタッフさんに状況を伺ったところ、朝の開場まえ待機列は大体2,700人くらいだったとのこと。(開場後も列ができており、最終的には3,000人という話あり)

 

>>開場前は臨戦態勢、嵐の前の静けさ

取材腕章を受取り、会場に入ってみると西館で行われた前回より更に広々とした会場が広がっていました。

開場前のフロア内部、出展者が準備に大忙しです (c)DEAR SPIELE

開場前のフロア内部、出展者が準備に大忙しです (c)DEAR SPIELE


準備に追われ会場を駆け回る方の姿も見られましたが、入場したのが開場20分前という時間だったためか、多くのブースは準備も最終段階といった形で、嵐の前の静けさを感じさせる落ち着き。
まだ来場者が入るまえなので余裕あるレイアウトに見えますが、この会場に410もの団体がブースを構えているとのこと。ひと通り見て歩くだけでも一苦労です。

 
お宝の山!中古ゲームもゲームマーケットの花形と言えます (c)DEAR SPIELE

お宝の山!中古ゲームもゲームマーケットの花形と言えます (c)DEAR SPIELE

ゲームマーケットの目玉のひとつである中古販売のブースも健在。
かなり安い価格で、現行品はもちろんレアなゲームもちらほら。開場後では撮影も難しそうなので、準備中にお邪魔して写真を1枚。店員さんたちも、まだまだ余裕の表情です。

 

>>午前10:00開場......そして戦争!

そうこうしている内に、開場時間の10:00に。
付きのパンフレットを掲げて雪崩れ込んでくる参加者の皆さん。

午前10:00開場!なだれ込むお客様! (c)DEAR SPIELE

午前10:00開場!なだれ込むお客様! (c)DEAR SPIELE

今回は前回までと違って、一度に入場させるのではなく100人ずつくらいでしょうか?人数を区切って時間を置いて入場させていました。その影響か、開場後1時間以上入場列が続いていましたが、会場内はしばらくは混雑もなく買い物がし易そうな印象でした。

それでも、まあ中古ブースはすぐこんな感じでしたが……

先ほどの中古ブースもすぐに黒山の人だかり! (c)DEAR SPIELE

先ほどの中古ブースもすぐに黒山の人だかり! (c)DEAR SPIELE

 

>>国産インディーズゲームの発表の場

ゲームマーケットの柱としてまず挙げられるのは「インディーズゲーム」ではないでしょうか。
頒布数が爆発的に増えており、今回もまず目につくのは国産インディーズゲーム。近年、日本のインディーズゲームがアメリカやフランスの企業の目に留まり海外で出版されることも多くなってきています。

サービス精神が旺盛すぎる「カナイ製作所」のカナイセイジさん (c)DEAR SPIELE

サービス精神が旺盛すぎる「カナイ製作所」のカナイセイジさん (c)DEAR SPIELE

ブームの火付け役と言っても過言ではないゲームデザイナー「カナイセイジ」氏のブース「カナイ製作所」。
カナイ氏は「ラブレター」で海外から高い評価を受け、最近ではCAPCOMとコラボした2人用カードゲーム「ストリートファイター ライバルズ」なども発売。精力的に活動しています。

 

ゲームマーケット大賞にノミネートされた「ミネルウァ」を輩出した「OKAZU BRAND」さんのブース

ゲームマーケット大賞にノミネートされた「ミネルウァ」を輩出した「OKAZU BRAND」さんのブース

ゲームマーケットでは老舗「OKAZU Brand」は、新作「はんか通骨董市」を引っ提げて参加。
OKAZU Brandはゲームマーケット大賞にて優秀作品として選ばれた「ミネルウァ」を制作するなど、安定して面白いゲームを送り出しています。

 

ゲームマーケット大賞にノミネートされた「ひとひら」を輩出した「桜遊庵」さんのブース (c)DEAR SPIELE

ゲームマーケット大賞にノミネートされた「ひとひら」を輩出した「桜遊庵」さんのブース (c)DEAR SPIELE

同じくゲームマーケット大賞にて優秀作品に選ばれた「ひとひら」を輩出した「桜遊庵」は、新作「てづま師」を頒布。桜遊庵は今までに5作品を発表していますが、全て「和」をテーマにした秀麗なアートワークと骨太なシステムで幅広いユーザに愛されるゲームを作っています。

 

デザイナブルなゲームを発表する「YACO PRODUCTS」代表の矢野さん (c)DEAR SPIELE

デザイナブルなゲームを発表する「YACO PRODUCTS」代表の矢野さん (c)DEAR SPIELE

ランダムに並べたひらがなを繋げてお題に沿った文章や単語を作る大喜利系ゲーム「ひらがなセンテンス」を頒布する「YACO PRODUCTS」の矢野氏。

ゲームの内容を動画で説明する試みも見られた YACO PRODUCTS

ゲームの内容を動画で説明する試みも見られた YACO PRODUCTS

ブース内ではプレイサマリの設置したり説明動画を流すなど、遊び方を分かり易く伝えるための色々な試みがされていました。

 

大喜利ゲーム「知ったかプロジェクト」のメンバー (c)DEAR SPIELE

大喜利ゲーム「知ったかプロジェクト」のメンバー (c)DEAR SPIELE

「豚小屋&いかが屋」のブースでは、「知ったかプロジェクト」と称して大喜利系ゲーム5種類を展開。5種類とも基本的なルールは全て同じで、架空の映画や妖怪、J-POPなどを知ったかぶりで語って一番面白かった人が得点していくシステム。題材が違うだけでまた違った楽しみがあるので、是非、気になったものを遊び比べてみてはいかがでしょうか。

 

>>独立起業してボードゲームに取り組む方も

最近はインディーズのみならず、起業してスモールパブリッシャーとしてゲームを発表する例も出てきている。
「COLON ARC」は、代表の田邉氏が立ち上げた製作会社で、ブラジルのゲーム「マタンガ!」のローカライズ製品を皮切りに、今回、新作の「リスボン」と「バルーンチャレンジ」を発表。

新作「リスボン」と「バルーンチャレンジ」をひっさげて参加のCOLON ARC 田邊さん (c)DEAR SPIELE

新作「リスボン」と「バルーンチャレンジ」をひっさげて参加のCOLON ARC 田邊さん (c)DEAR SPIELE

特に「リスボン」はライト層向けのゲームが多いとされる国産ゲーム市場にて、ドイツゲームのようなフリークも楽しめる作品として注目を集めている。

 

>>もちろんあります「同人誌」

ゲームマーケットで頒布されているものはゲームだけではなく、ボードゲームやボードゲーム業界に関する所謂「同人誌」の頒布もしばしば見かけます。

サービス精神が旺盛すぎるボードゲームジャーナリスト小野さん (c)DEAR SPIELE

サービス精神が旺盛すぎるボードゲームジャーナリスト小野さん (c)DEAR SPIELE

ボードゲームのレビューサイトとして最も有名な「ふうかのボードゲーム日記」の「ふうか」氏と、ボードゲームのニュースサイトとしてこれまた最も有名な「Table Games in The World」の「おの」氏が協力して制作した「ボードゲームジャーナリスト(笑)が、行く!!」は、国内外の著名なボードゲーム関係者28人へのインタビューをまとめた一冊。フリークにはたまらない豪華な顔ぶれに驚愕します!

 

>>海外の新作ボードゲームが溢れるこの時期、企業ブースも大盛況!

企業ブースもどこもなかなか人が途切れず、なかなか取材もままならない中、東京は三鷹に店舗を構える「テンデイズゲームズ」のブースにお邪魔して一枚写真をパシャリ。店長のタナカマ氏は接客中でタイミングが合わず残念。

テンデイズゲームズも人が途切れることなく撮影のタイミングが難しいくらい (c)DEAR SPIELE

テンデイズゲームズも人が途切れることなく撮影のタイミングが難しいくらい (c)DEAR SPIELE

テンデイズゲームズは、構想から3年の月日を掛けて晴れて発売となった「私の世界の見方」をはじめ、昨年の話題作で長らく品切れとなっていた「アルルの丘」の日本語版など、魅力的なラインナップで人気を博していました。

 

すごろくやさんのブースでは家族で試遊卓に興じる参加者の姿も。

すごろくやのブースでは、家族でゲームを楽しむ姿も (c)DEAR SPIELE

すごろくやのブースでは、家族でゲームを楽しむ姿も (c)DEAR SPIELE


企業ブースは販売だけでなく、ゲームをもっと楽しんで貰おうという姿勢がどのブースも見られました。

 

>>会場内では各種イベントも開催

他にも、物販だけではなく、会場内イベントが豊富に用意されているのもゲームマーケットの楽しみのひとつ!最近特にこの会場内イベントが増えてきているように感じます。

 

日本の伝統ゲーム「ごいた」の試遊と大会も開催、写真はゲームマーケット創始者の草場純さん(左)と、大井町にある喫茶マーブルの店長じゅんこさん(右) (c)DEAR SPIELE

日本の伝統ゲーム「ごいた」の試遊と大会も開催、写真はゲームマーケット創始者の草場純さん(左)と、大井町にある喫茶マーブルの店長じゅんこさん(右) (c)DEAR SPIELE

能登の伝統的なゲーム「ごいた」の大会もイベント内で開催。
写真は、スタッフをしていた大井町にある喫茶マーブルの店長じゅんこさんと、ゲームマーケットの創始者でもある草場氏のツーショット。手に持っているのはごいた大会の参加賞となる個ここでしか手に入らない「ごいたの湯のみ」とか。

他にもポーカーの試遊卓なども儲けられており、こちらはメイド姿の女性がディラーを務め盛り上がっていました。

こちらもドイツゲームとは少し趣の違う「ポーカー」の体験卓 (c)DEAR SPIELE

こちらもドイツゲームとは少し趣の違う「ポーカー」の体験卓 (c)DEAR SPIELE

 

>>ボードゲームの訴求を目的とした「ゲームマーケット大賞」

今回から儲けられた「ゲームマーケット大賞」の授賞式も会場で行われていた。
ゲームマーケット大賞は、ゲームマーケット2014年秋、ゲームマーケット大阪、ゲームマーケット2015春のイベントで発表された国産ゲームの中から、アナログゲームシーンを盛り上げるために最適と思われる作品を選出する賞で、今回はオインクゲームズの「海底探索」が選ばれていた。

ゲームマーケット大賞の授賞式、大賞は「海底探索」 (c)DEAR SPIELE

ゲームマーケット大賞の授賞式、大賞は「海底探索」 (c)DEAR SPIELE

授賞式は、ゲームマーケット創始者の草場純氏の進行により進み、大賞作品を含む候補作品として選ばれた5作品の作者または販売元に賞状が贈られた。

 

>>今年も「大盛況」拡大するイベント

​早い時間には買い物客でごったがえし、時間が経つにつれ多くの試遊卓が埋まりゲームに興じる......全開同様、ゲームマーケット会場は開会から閉会まで人が切れることなく盛況な印象でした。

会場は終始人に溢れ、試遊卓も常に賑わっている様子でした (c)DEAR SPIELE

会場は終始人に溢れ、試遊卓も常に賑わっている様子でした (c)DEAR SPIELE

今回のゲームマーケット、来場者数は前回を1,000人上回る、約9,500人に上ったとのこと。
名古屋でゲームストア「バネスト」を構える店長の中野氏からも「過去最高にお客さんが来てくれて途切れなかった」との話をいただいたので、人混みを掻き分けて進んだ参加者のみならず、出展者側もユーザ数の増加を肌で感じることが出来たのではないでしょうか。
今後もこうしたイベントをきっかけに、ボードゲームの更なる発展を望みたいです。

 

色んなゲームがたくさん売っていて、たくさん遊べる「ゲームマーケット」
次回は来年2月21日(日)神戸にて行われますので、是非、興味を持たれた方は覗いてみてください。
きっと楽しいゲームとの出会いがあると思いますよ!

 

P.S.
買ったゲームは「ゆうぱっく」で会場からちゃちゃっと郵送まで出来ちゃういたれりつくせりイベントなのでした(笑)

開場には郵便局の「ゆうぱっく」の受付もあり、買ったゲームは郵送できる親切さ (c)DEAR SPIELE

開場には郵便局の「ゆうぱっく」の受付もあり、買ったゲームは郵送できる親切さ (c)DEAR SPIELE

 

see you :-)

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