令和から始まる未来の花火を融合させた『第31回なにわ淀川花火大会』ーー 新時代の花火が夜空に舞う

2019.8.30
レポート
イベント/レジャー

第31回なにわ淀川花火大会

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平成から令和へと時代が移り変わって3ヶ月。2019年8月10日(土)、『第31回なにわ淀川花火大会』が開催された。新元号、令和初の花火大会となる今回のテーマは「なにわの空に咲き誇れ! 令和の幕開け飾る大輪の花!」。今回はこれまでの演出を一新。平成という時代に30年間続いてきた伝統の花火と、令和から始まる未来の花火を融合させた新時代にふさわしいエンターテイメントショーとなった。今年もイープラスでは特設会場が設けられ、有料観覧が販売された。記憶に深く残った『第31回なにわ淀川花火大会』の様子をレポートしよう。

●楽しみが満載のイープラス特設会場●

お弁当とお茶かつくe+ VIPペアシート

JR塚本駅側、十三会場協賛観覧席の塚本スロープを降りてすぐの場所に開設されたイープラス特設会場。会場には、お弁当とお茶がつく「VIPペアシート」、「サマーベッドエリア」、「イープラスシート(指定席)」、そして「桟敷エリア」が設けられた。

寝転んだまま花火が鑑賞できるサマーベットエリア

ずらりと並んだイープラスシート(指定席)

チケット1枚で4名まで入場可能な桟敷エリア

VIP席のお弁当

17:30、打ち上げまではあと約2時間あるが早い時間から開場とともに多くの人が訪れた。

オープンと同時にたくさんの人が入口に詰めかけた

今年も昨年に引き続き、野外フェスやイベントで多数出店している実績を持つ、未知インターナショナルによるオフィシャルフードブースが展開。から揚げやたこ焼きをはじめ、流行りのタピオカドリンクやマンゴーかき氷、スパイシーカレーなど、暑気を吹き飛ばすメニューが勢揃い。もちろんビールやチューハイといったお酒も用意されている。

未知インターナショナルによるフードブース

いちごのかき氷

タピオカドリンクは淀川花火オリジナルボトルで提供

浴衣にビール!

未知インターナショナルによるフードブース

また、DJブースではFM802 DJの竹内琢也(『BEAT EXPO』毎週月・火19〜21:00担当)によるウェルカムDJが行われ、夏や花火をテーマに選曲した音楽で花火打ち上げまでの会場を心地良い空間に演出した。

FM802DJ、竹内琢也によるウェルカムDJ

その横では、kyapiによる好みの柄を頬や腕にペイントしてくれるフェイスペイントのコーナーがあり、さらにイラストレーター・ヨシダエリによるライブペイントも開催。河川敷から見た梅田の風景を一緒に完成させていく。

フェイスペイントも人気

参加者も楽しめる、イラストレーター吉田エリさんによるライブペイント

また、縁日には欠かせないスーパーボールすくいもあり、大人も子供も笑顔で楽しんでいた。

スーパーボールすくい

19:30、客席は満席。この日も日中は酷暑だったが、きつかった西日が徐々に落ち、夜の帳が下りてくる。最初はインストやボサノバでゆったりとしていたDJもビートを速め、会場を高めていく。ライブペイントも完成し、花火を楽しむ準備は整った。あとは打ち上げを待つばかり。

打ち上げまでまもなく!

●オープニング〜開幕のファンファーレ〜●

場内に花火大会開始を告げるアナウンスが流れ、カウントダウンが始まる。

「3.2.1.0!」

十三側まで続く河川敷の照明が一斉に落ち、「ドンドンドンドーン!」と1発目の花火が打ち上がった。大きな火の玉が夜空に花開く。目の前が一気に明るくなり、大きな歓声が客席から上がる。

いよいよ花火がスタート!

2度披露されたのは、関西初となる10号玉5発一斉打ち上げ。遮るものがない視界に現れた美しい光景に、思わず鳥肌が立つ。

オペラ『BACK TO THE FUTURE』に合わせ、低層・中層・上層とあらゆる高さで、赤、青、緑、オレンジ、ピンクといったカラフルな花火が次々に打ち上がり、まばたきもできないほど華々しい演出に圧倒される。こんなに近くで花火を堪能できるなんて、と驚いた。

過去と現在、未来を表現した希望を感じる壮大な演出で、第31回なにわ淀川花火大会は幕を開けた。

●Congratulations!!●

あいみょんや星野源といった人気アーティストの楽曲に乗せて、煌びやかな花火が大空に放たれ、会場の雰囲気も熱を帯びる。

19:55、2つ目のプログラムは「Congratulations!!」。2025年に大阪・関西万博の開催が決定したことを記念して、大阪出身のアーティスト・コブクロの楽曲「ここにしか咲かない花」をバックに、ダイナミックな花火の数々が披露された。

先ほどまでのカラフルで刹那的なものではなく、色数も抑えられた大きな花火が、バラードに乗せてゆったりと優雅に、力強く打ち上げられる。サビでは目の前いっぱいに広がるゴールドの海に視界がきらめき、圧倒される。地上から美しい曲線を描いて上がる花火の数々はどこか繊細で上品だった。キラキラと落ちていく火の粉に見惚れてしまう。ため息にも似た感嘆の声が自然と客席からこぼれ、大きな拍手が巻き起こった。万博を控え、未来に繋がる躍動を世界に発信していく大阪の覚悟と力強さを感じた。

●未来のデザイン●

続いてのプログラムは「未来のデザイン」。昨年の第30回大会で初披露した「6ヵ所ワイド水中花火」が観客の期待に応えて再登場。「6ヵ所ワイド水中花火」と「10号玉八重芯変化菊5連発打ち上げ」の初共演となる。

「過去の常識を覆す新たな打ち上げ場所から表現する演出は皆様の度肝を抜きます」と公式の宣言とおり、淀川花火の新しい進化を目にすることとなった。

進化した淀川花火

使用楽曲は「今を生きろ」というメッセージが込められたZeddの「Beautiful Now」。序盤、キラキラと尾を引いて下に落ちていく花火から、サビ前には勢いよく打ち上げられる花火へ。放射線状にクロスするように、交互に打ち上げられる鋭い閃光。あまりの眩しさに目の前が真っ白になった。と同時に、左右で大きな水中花火が花開き、頭上では巨大な大輪が次々と舞う。まるで夜空のパーティーだ。賑やかでカラフルで、ダイナミックで、見ているだけでワクワクする。終盤、連続してあがった水中花火の迫力は得も言わず。「綺麗!」という声があちらこちらから聞こえてきた。

ダイナミックな水中花火

●Perfect Night View●

20:31、60分間の花火パフォーマンスも佳境へ。淀川花火の代名詞、左右2ヶ所で大きく咲く「8号玉水中花火」と「10号玉打ち上げ」の共演だ。

今や日本を代表するアーティストとなったONE OK ROCKの「The Beginning」がスピーカーから流れ始める。静かな漆黒の夜空に、ピカピカと星のような閃光が瞬いたと思うや否や、夜空を貫く一筋の光。大輪が花開く。その数発をゆっくりと見守ると、サビでは水中花火と10号玉が炸裂。一気に目の前が明るくなる。これまでで1番大きな水中花火が左右同時に打ち上がり、サビが終わるとまた大きな玉がゆっくりと上がる。大阪・淀川花火の辿ってきた伝統と歴史、更に新鮮さも感じさせられる新時代に相応しい、素晴らしいセミファイナルだった。

●グランドフィナーレ●

そしていよいよ花火はクライマックスへ。グランドフィナーレへの期待が会場から高まるのが、肌を通して伝わってくる。ここからは決して見逃せない瞬間ばかりだ。

高く高く、まっすぐ夜空へ登っていく光の筋を見守ると、これまでとは一線を画すほどの巨大な光が丸く開く。壮大な「陸王 –Main Theme–」の音楽に乗せて、グランドフィナーレへ向けてじわじわと気持ちを高めていく。じっくり数発を見守った後、大阪初披露となる「10号玉五重芯変化菊」が打ち上がる。大きな円の中に「芯」と呼ばれる同心円が6重にもなる日本最高峰の花火。

「わぁ!」という声が漏れる程に美しい大輪の花が咲いたあとは、息つく間もなくフィナーレへ駆け抜ける。次々に打ち上がる花火の数々からは、目を逸らすこともできない。物凄い爆発音とともに、視界一面が昼間の様に明るくなった。光と煙の余韻を噛み締めながら、誰もが自然に拍手を送っていた。私たちに大きな感動と興奮を与えて、令和元年の『第31回なにわ淀川花火大会』は幕を閉じた。

いよいよクライマックスへ

花火打ち上げ後もイープラス特設会場では、引き続きDJやフードブースを楽しむことができる。DJブースに再び登場したDJ竹内琢也によるお見送りDJがスタート。夏にちなんだヒットソングで会場を盛り上げる。

流れる歌を口ずさみながら、満足そうに出口に向かう人たち。混雑を避けフードブースで買ったお酒を片手に座席で休む人たち。スーパーボールすくいを楽しむ浴衣姿の子供たち。それぞれに思い思いの時間をゆったりと過ごしていた。花火打ち上げ前から終了後まで、じっくり楽しむことができるイープラスの有料観覧席。何よりも圧倒的な近さで大迫力の花火を観覧できるのは、最大の魅力。そして毎年進化し続ける、なにわ淀川花火大会。ぜひ来年度の『第32回なにわ淀川花火大会』はイープラス特設会場で過ごしてみてほしい。

取材・文=ERI KUBOTA 撮影=高村直希

イベント情報

第31回なにわ淀川花火大会
日時:2019年8月10日(土) PM7:40~PM8:40
会場:新御堂筋淀川鉄橋より下流国道2号船までの淀川河川敷
※イープラス特設会場は十三会場協賛観覧席の塚本スロープを降りてすぐ