サカナクション『RUSH BALL 2019』クイックレポート ーーまだまだ夏は終わらない!?アップデートしつづける最新モードのライブ
サカナクション
『RUSH BALL 2019』サカナクション
泉大津フェニックスの1日目この時間に夏を締めくくってくれるのは、サカナクション……そんな雰囲気も漂う20時前。後方までギッシリ集まった待ちきれない観客から、どこからともなく手拍子が発生。シルエットに映し出されたメンバーが登場し、闇を切り裂くように音を響かせるオープニングを経て、鳴らされた1曲目はなんと「アルクアラウンド」! 最新モードで攻める代表曲にオーディエンスは大興奮。そのまま「夜の踊り子へ」と続くと、「オーオー」のレスポンスの大きさに山口一郎(vo.g)も思わず笑顔を見せる。ダイナミックな緩急の中、レーザー光線で迎えたラストまで圧倒的に説得力のある音像がフィールドを包んでいく。「まだまだ一緒に踊るぞー!」山口のこぶしもハンドマイクで繰り出すダンスも絶好調な「陽炎」では、岩寺基晴(g)のソリッドなギターソロにも釘付けに。
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イントロで歓声に包まれた最新アルバム『834.194』収録曲の「モス」は、新しいアンセムになりそうな予感。今までのキラーチューンづくしの流れが鮮やかにそこへ着地するかのようだった。そして、「どうやら忘れられない夏になりそうですね」と山口がマイクを持つと、そう、あの曲「忘れられないの」を披露。古さと新しさを交えたシティポップサウンドに山口の熱唱、草刈愛美(b)のベースソロと聴きどころ満載で飽きさせない。
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ラップトップに5人が並びクールに温度を高めていくと、「ミュージック」のスケール感豊かな世界にどっぷり浸り、最後は全能感に満たされるかのようなドラマチックな展開に身をゆだねてしまった。
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最後は、「アイデンティティ歌える?」とまだまだといわんばかりに岡崎英美(key)のシンセが存在感を増し、新境地へと突入した「アイデンティティ」へ。後ろまで手が揺れる光景は壮観の一言。「今ので最後の曲だったんですけどもう1曲やっていいですか?」とうれしい言葉が。「みなさんと最高の時間を共有できて最高でした!ありがとう!」まだまだ踊りたりないオーディエンスを最後まで楽しませてくれたのはもちろん「新宝島」。圧巻の多幸感に包まれたフィナーレに花火が似合すぎる夜となった。
取材・文=岡田あさみ 撮影=田浦ボン
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