ザ・チャレンジ『RUSH BALL 2019』クイックレポート ーー4年ぶり登場、とにかくやれる事は全てやりきった25分間の挑戦
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『RUSH BALL 2019』【ATMC】ザ・チャレンジ
「向こうMC中だからチャンスだからな!」。これ、リハーサル中にボーカルの沢田チャレンジが言った台詞。the telephonesとSHISHAMOという人気者に挟まれた時間帯。要はしゃかりき頑張らないと、その2組が出るステージから観客は流れてこないという事。ザ・チャレンジが『RUSH BALL』に出るのは4年ぶり。4年前はメジャーデビューしたばかりという最高のタイミング。が、翌年にはメジャーとの契約を終え、再度自分たちで活動をし始め、今年3月まで約1年の活動休止も経験した。
ザ・チャレンジ
酸いも甘いも知っている彼らだけあって、4年ぶりに出る事を呑気に楽しんだりはしない。1分1秒無駄に出来ないのだ、例えリハーサルでも。という事で、冒頭の言葉に繋がる。つまり、大きなステージで本番中のthe telephonesがMC中で、そんなに音が鳴っていない状態の間に、たくさん観客とコミュニケーションを取り、しっかりと盛り上がる関係性を築いておこうという事。
ザ・チャレンジ
the telephonesのグッズの赤いサングラスを持っている観客からは、それを拝借して高い声でシャウトしたり、とにかくやれる事は全てやる。ちなみに沢田も赤いサングラスなので、かけ替えたところで、そんなに見た目は変わらないとは思うが、そういう事ではない。とにかくやれる事は全てやる、それだけ。この日、物販でも発売している新曲「NEVER ENDING MUSIC」を本番でもやる予定だったのだが、フェスの時に新曲をしたところで1回じゃ覚えられないという事で、リハーサルから鳴らす。
ザ・チャレンジ
基本、本番でやる曲は、その時の楽しみなので隠しておくのだが、そんなの関係ない。沢田本人も本番で言っていたが、4年の間にたくさんのバンドが売れた訳で、そこへの焦りもあるだろう。だからこそ、フェスでの戦い方に敏感だ。the telephonesにまつわる事をしたかと思えば、次のSHISHAMOを頭から観れない人のためにと「明日も」のカバーを披露。袖に去る直前には、「#これからザ・チャレンジのライブ始まる」を促したり、ギリギリまで仕込みを忘れない。
ザ・チャレンジ
1曲でも多く聴いてほしいから自分たちの曲を登場SEにしたり、大きなバンドフラッグを振って登場したり、ローストビーフ丼に並んでいる人に呼びかけたり、本番始まってからも、とにかくやれる事は全てやる。ちなみに先述の物販で発売するCDは、ローストビーフ丼より安いらしい。「マイガール」、「サマーライダー」と2曲終わった時点で、まだまだ手応えを感じていないのか、超有名アーティストの名前を勝手に出して、その人たちが来たと思って、歓声をあげてもらう謎のさくら作戦まで繰り出す。
ザ・チャレンジ
正直言って、ATMC観客エリアを立錐の余地も無いくらいに満杯にする事は出来なかった。が、その場にいる全員が楽しそうに沢田と一緒の振り付けをしたり、沢田と一緒にタオルを振ったりと心から物凄く楽しんでいた。ラストナンバー「恋をしようよ」を終えた後、全力を出しきった沢田が言った「チャレンジしてない人生なんて……」という台詞。ここに全てが集約されていたのではないだろうか。
ザ・チャレンジ
取材・文=鈴木淳史 撮影=森好弘
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