MONO NO AWARE『RUSH BALL 2019』クイックレポート ーー鬼才っぷりが光るアクトで気分よくオーディエンスを翻弄
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MONO NO AWARE
『RUSH BALL 2019』【ATMC】MONO NO AWARE
玉置(Vo.G)が軽快な司会口調で『RUSH BALL』のコール&レスポンスを仕込み、それを七変化で実践してからという、何をも煙に巻きそうな彼ららしい出だしのあとは、「機関銃を撃たせないで」と「マンマミーヤ!」の絶妙なバンドサウンドで、跳ねるリズムに吸い寄せられてきた人々をご機嫌に!
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なかには手に持ったビールをこぼしながら踊る人もいる。とは言え、響くナンバーは一筋縄ではいかないから心憎い。70’sのムードに、つい中華やカレーが食べたくなる威力あるワード、ユーモアを含んだベースラインに涼しげなギターリフと、個性があふれ出す。
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そして「そういう日もある」では隠していた牙をむくかのようにジャンルレスでトリッキーな曲展開。竹田(Ba)のコーラスも艶っぽく繰り返され、ほかにはない独特の雰囲気になる。
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加えてMCも「今日も5分で全人類が笑える話を持ってきたんですけど、生憎カットになったんで……(笑)」とウソとも本当ともつかぬ飄々としたひと言だが、このつかみどころのない感じも心憎い。かと思えば、確かに言葉を聴かせてくれる「東京」も披露。深慮から湧いてくるであろうフレーズは、親しみやすくも相変わらずオリジナルティあるサウンドに合わせられるから、それもまた小気味いい。
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子守唄のように玉置、加藤 (G)、竹田のユニゾンで歌われる《ふるさとは帰る場所ではないんだよ》の一節は、きっとオーディエンスの記憶の奥深くに刻み込まれたに違いない。そんな存在大のアクトの仕上げは「イワンコッチャナイ」で温かかつ軽やかに……。スキャットまで混ぜ込んだこのナンバーも、言葉でも音でも遊び心十分。最後の最後までその唯一無二のセンスを見せつけてくれた。
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取材・文=服田昌子 撮影=森好弘
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