浜中文一のスペイン風歌舞伎は「何度見ても抱腹絶倒」と鈴木勝秀が太鼓判! 舞台『THE BLANK!』いよいよ開幕

レポート
舞台
2019.9.14
(左から)鈴木勝秀、江田剛、浜中文一、ラサール石井、内藤大希

(左から)鈴木勝秀、江田剛、浜中文一、ラサール石井、内藤大希

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浜中文一主演舞台『THE BLANK! ~近松門左衛門 空白の十年~』が2019年9月14日(土)より、東京・よみうり大手町ホールにて開幕する。

本作は『曾根崎心中』『女殺油地獄』などの戯曲でその名を後世まで残した江戸中期の戯作者・近松門左衛門の、戯作者になる前の知られざる20代が描かれた波乱万丈な青春時代劇。近松洋男著「口伝解禁近松門左衛門の真実」(中央公論新社刊)を元にして、後に『忠臣蔵』の大石内蔵助として名が知れ渡る若き大石良雄と共に「塩の道」を切り開いていく様が描かれる。脚本・演出は鈴木勝秀が務めた。

近松門左衛門という実在の人物を初めて演じる浜中は「どうしようかなーと思ったんですが、今はすっごく楽しいです」と力を抜いた感で語り出す。

江田が演じるのは後に大石内蔵助となる良雄役。「実は別の舞台で近松役をやらせていただいたことがあるんです。そのご縁で近松さんが僕を呼んでくれたのかなって」と微笑みつつも「本格的な和の舞台に出演するのが初めてで、しっかりとした着物を着るのも初めて。自分で着る事ができるようになって」と答えていた。

近松についてどのくらい調べたか? という話に浜中は「多少は調べましたけど……調べてもすぐ忘れちゃうんで」と答えると皆大笑い。「調べたという事実はあるんですが……忘れたという事で、結果調べてないと同じ事になりますねえ」と独特の語り口でコメント。

「私も調べたんですが」と話に割って入ったのはラサール。「忠臣蔵の事件が起きて、近松がいっぱい本を書いた……その前夜の物語なんです。近松と大石内蔵助が知り合いだったなんて誰も思わないでしょう? そこらへんが面白いところです。それを淡々と芝居でやると面白くないから(笑)若い人も興味を起こさないでしょうが、スズカツ(鈴木)さんが遊び心ある演出ですごく面白くしてくれ、ものすごくドラマティックにしてくれたんです」と見どころに触れた。

鈴木は「和モノで登場人物が実在の人物なので、嘘ばっかり書くわけにはいかないという事で(笑)いつも以上に時間がかかりました」と語る。続けて「この辺の時代の事を自分では分かっているつもりだったが、実際取り掛かってみると知らない事だらけ。またすごく面白くて! 近松という人物は20代の頃にまったく資料が残っていないんですが、近松洋男という子孫の方が書いた本があって、そのあたりの話が“口伝”として近松家に伝わっていたんです。それがとても想像を絶するくらいの驚きの連続で、これをぜひ舞台化したいと思ったのが3年前でした」と本作の構想時期を振り返る。

改めて、浜中は「まあ、僕が初めて……歌舞伎をね……」と含みを持たせながら自らの見どころについて話し出すと隣で江田が笑いっぱなしに。鈴木は「スペイン語で歌舞伎の所作をやるんですよ。歌舞伎調で」と浜中の話にフォローを入れる。「ちょっと(この場で)やってみせて!」とおねだりするリポーターだったが「それはこのあとゲネプロで!」「もったいないからね!!」と浜中。鈴木は「何度見ても抱腹絶倒です!」と自信のほどを見せる。ラサールも浜中を示しながら「ものすごい量の台詞を喋っていますからそこも見どころ」と笑顔を見せていた。

「江田は振付を担当したよね」と鈴木からそっと発表されると「やりました」と小さい声で答えた江田。「ダンスといえるか分かりませんが、オープニングの振りを。スズカツさんがオープニングはこういうイメージで、というものを渡してくれたのでそれに従ってやりました」と控えめではあるが自信のほどを見せる江田だった。

松鹿平馬役の内藤はミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役を務めるなどミュージカル畑で主に活躍中。「素晴らしい歌声を披露してくださいますから」とラサールが紹介すると「いえいえ」と謙遜する内藤。「文ちゃんが踊るスペイン歌舞伎のアシスト役として歌わせていただきます。僕自身が笑わないように気を付けないと」と自分に言い聞かせる。そんな内藤に鈴木たちが「劇中劇で女形もやるんだよね」と本人に代わってアピール。

「学んだもの? ……学んでないですねえ。終わってからです。今はいっぱいいっぱいだから」「口数が少ない? ただの疲労です」などといつものオフビートな口調で、最後までリポーターを翻弄する浜中だった。

ゲネプロの模様をお伝えしよう。
黒い能舞台のような四角いステージと、その奥には塗料を吹き付けたような壁が貼り付けられていた。またステージの四隅には小さなスピーカーが設置され、鈴木の過去作品『hymns(ヒムス)』をどこか彷彿とさせていた。

20代の近松門左衛門は大石良雄と切磋琢磨し、秘密の任務である貿易「塩の道」と呼ばれる航路を開拓する。この「塩の道」にこそ近松が後日戯作者となる様々な出会いがあった―。

近松を演じる浜中は本当にどれだけの台詞量が身体に入っているのか、と舌を巻くくらい、膨大な台詞を次から次と口から紬ぎだす。堅物だった近松が様々な人たちと出会っていく事で徐々に人間としての柔和な部分を身に着け、それでもブレない芯の強さを浜中は丁寧にそして冷静に演じていた。なお、会見で話題になったスペイン風歌舞伎は確かに笑いを堪えるのが大変。浜中が真顔でやればやるほど、観る者の腹筋に火をつけていた(笑)。

ステージ上では歌舞伎で使われるツケと役者たちの肉声、そしてスパニッシュなギターの音色と青春時代の抑えきれない躍動を表すかのような激しい歌声が絡み合いながら何度となく流れていた。大嶋吾郎の感情豊かな音楽があるからこそ、鈴木が描く青春浪漫時代劇がさらに熱い命を宿すのだ、と改めて感じさせた。

取材・文・撮影=こむらさき

公演情報

『THE BLANK! ~近松門左衛門 空白の十年~』

【出演】 浜中文一
江田剛(宇宙Six/ジャニーズJr.) 内藤大希 小林且弥 細見大輔 香取新一 田村雄一 佐藤賢一 陰山泰
ラサール石井
【脚本・演出】鈴木勝秀

【日程・場所】
<東京>2019年9月14日(土)~25日(水)よみうり大手町ホール
<大阪>2019年9月27日(金)~29日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール

【チケット料金】 8,500円(税込)
※未就学児童入場不可 ※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。予めご了承ください。

【参考文献】 「口伝解禁 近松門左衛門の真実」 近松洋男著 中央公論新社刊
【企画製作】エイベックス・エンタテインメント/クオーレ

【お問合せ】
東京公演:サンライズプロモーション東京:0570-00-3337(全日10:00~18:00)
大阪公演:キョードーインフォメーション:0570-200-888(全日10:00~18:00)

【HP】 www.theblank-stage.jp 
【公式twitter】 @the_blankJP
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