第七回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞に文学座『スリーウインターズ』

ニュース
舞台
2020.1.23
文学座『スリーウインターズ』  (撮影:宮川舞子)

文学座『スリーウインターズ』  (撮影:宮川舞子)


第七回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞の会が2020年1月22日(水)に鹿島茂、杉山弘、辻原登、濱田元子の4氏により行われ、文学座『スリーウインターズ』に決定した。

ハヤカワ「悲劇喜劇」賞は選考委員と批評・評論家の劇評意欲を最も奮い立たせる優秀な演劇作品を顕彰するもので、受賞作はその年のなかから1作品にあたえらる。早川書房と公益財団法人 早川清文学振興財団が主催している。受賞作には正賞として演劇雑誌「悲劇喜劇」に因んだ賞牌、副賞100万円が贈られる。贈賞式は3月27日(金)午後6時より東京・信濃町の明治記念館にて行なわれる。詳しい選考過程の採録、選考委員それぞれが推薦する作品の劇評は、「悲劇喜劇」5月号(4月7日一般発売)に掲載される。

受賞作『スリーウインターズ』は、ヨーロッパを中心に評価される劇作家テーナ・シュティヴィチッチが描く、ある家族の四世代に渡る女性の冬物語。第二次世界大戦終結、理想の国家の繁栄と崩壊、そしてグローバリズムとナショナリズムの嵐が吹き荒れる現代、女たちは如何に愛するものを守り、自分らしく生きていくのか。2019年9月3日(火)~15日(日)に、文学座アトリエで上演された日本初演作品。演出は文学座アトリエの会では9年ぶりとなる松本祐子が担当した。

公演記録

文学座アトリエの会『スリーウインターズ』

■日程/2019年9月3日(火)~15日(日)
■会場/信濃町 文学座アトリエ
■演出/松本祐子
■作/テーナ・シュティヴィチッチ
■訳/常田景子
■美術/石井強司
■照明/賀澤礼子
■音響/丸田裕也
■衣裳/山下和美
■アクション指導/渥美 博
■舞台監督/加瀬幸恵
■制作/梶原 優、佐藤竜太郎、鈴木美幸 宣伝美術/藤尾勘太郎
■後援/駐日クロアチア共和国大使館
■出演/寺田路恵、倉野章子、南一恵、山本郁子、増岡裕子、前東美菜子、永宝千晶、石田圭祐、斎藤志郎、得丸伸二、神野崇、上川路啓志
■あらすじ/ザグレブに住むコス一家。1945 年第二次世界大戦後、ローズはナチスの協力者だったブルジョワジーの家を手に入れる。実はこの家はかつてローズの母親がメイドとして働き、追い出された家でもあった…。1990 年ユーゴスラビア分断が決定、2011 年クロアチア EU 加盟条約に調印。ローズそして彼女を取り巻く人々は、この 3 つの冬をそれぞれの時代でどう生きたのか…。移ろいゆくクロアチアの歴史が紡がれてゆく。
シェア / 保存先を選択