真琴つばさ、筧利夫が桂米朝夫妻を演じる 『喜劇 なにわ夫婦八景 米朝・絹子とおもろい弟子たち』初日開幕

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2020.2.1
(左より、三林京子、内博貴、真琴つばさ、筧利夫、桂ざこば) (C)松竹

(左より、三林京子、内博貴、真琴つばさ、筧利夫、桂ざこば) (C)松竹

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2020年2月1日(土)大阪松竹座で、桂米朝五年祭『喜劇 なにわ夫婦八景 米朝・絹子とおもろい弟子たち』が初日を迎えた。

本公演は、桂米朝師匠と絹子夫人の出会い~結婚~人間国宝に認定されるまでの半世紀以上にわたる人生を数々の弟子たちとのエピソードを交えながら上演され、初日には劇中にて桂米團治がサプライズゲストとして登場し、観客から大きな拍手が送られた。

初回公演終了後、真琴つばさ筧利夫内博貴桂ざこば三林京子の5名が囲み取材を開催、舞台映像も到着したので紹介しよう。

ーーまず、皆様より一言ずつお願いいたします。

真琴:真琴つばさです。今日はお忙しい中、ありがとうございます。米朝さんの奥様の絹子さん役をさせていただきます。手も足も出ない状況ですから、皆様に助けていただいて、今日初日の幕がやっと上がりました。これからまた精進したいと思います。よろしくお願いします。

筧:筧利夫です。今日はお越しくださいましてありがとうございます。素晴らしい作品をよろしくお願いいたします。

内:内博貴です。お忙しい中、ありがとうございました。無事に初日を迎えることが出来、良かったなと思っております。最後まで体調に気を付けて頑張りたいなと思っております。ありがとうございました。

三林:三林でございます。桂すずめでございます。今回、兄弟子が違う役をやってはるので、非常に戸惑うのですが、楽しくやってくれてはりますので、師匠も喜んでくれはるやろなと思います。あの世で、お二人で「なにやってんねんな」とか思いながら、喜んでくれてはりますやろと思っております。先ほど筧さんがおっしゃったように、なんとしてでも成功させたい公演でございますので、よろしくお願いいたします。

桂:こんにちは、ざこばです。芝居の中でもよう出てくるんやけど、僕は師匠の事は、「ちゃあちゃん、ちゃあちゃん」呼んでた。奥さんのことは「ママ、ママ」言うて、3年間一緒に生活してまして。で、今日、芝居を見て、昔のんとちょっとちゃうなとか、ここ!ここ、そうやねん!おもろいなとか、自分でも今、朝丸なのかざこばなのか、米團治なのか、よう分からんのです。ぶっちゃけた話。まあ最後まで頑張ります。よろしくお願いいたします。

ーーまずは真琴さん。初日の公演が終わって、どんなご気分ですか?

真琴:終わってすぐに、米團治さんの奥様がいらしてくださって「凄く絹子さんと被ったところがあった」って目を潤ませていってくださったのが、凄く嬉しくて!それを糧に頑張りたいと思います。

ーー苦労なさったところとかありましたか?

真琴:もう全然違う姿というか。でくのぼうでございますので、全てが分からないところを皆さんに助けていただいています。私の母役である、三林京子さんに大変お世話になっております。三林さんに育てていただいております。

(左から)真琴つばさ・桜花昇ぼる (C)松竹

(左から)真琴つばさ・桜花昇ぼる (C)松竹

(左から)真琴つばさ・三林京子 (C)松竹

(左から)真琴つばさ・三林京子 (C)松竹

ーー三林さんからかけていただいた言葉で印象的なのは?

真琴:「あんたお父さんやねん。お母さんになりなさい。」

ーーそれは三林さんがご覧になって、その言葉が出たのはどういう事だったんでしょうか。

三林:長年男役でやってきてはるから、どうしても感覚が男なんですよね。その辺が見てたらやっぱりお父さんみたいやったから。お父さんみたいやで。お母さんになってていうことは言いました。

ーー今日、私たちが見せていただいたお芝居の中で、すごく意識した場面はありますか。

真琴:やっぱり、息子の明に対する愛情でしょうか。今日ね!自分(内さん)が出ていく部分で、うるうるしてました?

内:僕してないです。

真琴:あら?(笑)じゃあ、何も言いません!(笑)泣いてるのかと思って!最初でていくところ!この子、かわいいわあって思ってたら嘘だったのね。

内:違います。違います。それはもうお芝居としてやらせていただいたので。

右より曽我廼家文童、桜花昇ぼる、真琴つばさ (C)松竹

右より曽我廼家文童、桜花昇ぼる、真琴つばさ (C)松竹

(左から)田村ツトム・筧利夫・桂塩鯛 (C)松竹

(左から)田村ツトム・筧利夫・桂塩鯛 (C)松竹

ーー演技が良かったということですね。そして、米朝さん役は筧さんいかがですか?

筧:そうですなあ。今回は極力何にもやらないようにしているんですけども。まあなんていっても、大阪で米朝さん役やるというと、それはもう…いろいろ求められると思うので、そういう事は一切引き受けないで、あんまり考えないでやろうかなって。これからはもっと考えないでやろうかなと思っています。

ーー自分の色で?

筧:色というか、ファミリーのお話で僕が米朝という立場なだけなので、僕が米朝をやるというよりは、想像していただけたらいいなという感じですかね。あとはみていただく方に想像していただいて。自分の人生と融合していただいて、いろんなことを想像していただければ良いなと思います。

ーー見ている方が一緒に笑って、一緒に泣いてというところですね。

三林:今の米團治さんがね。米朝さんの真似されるときに、筧さんが凄い似てるんですよ。私は米朝さんの若い時よく知りませんが、若い時こんなんやったんかなと思いますね。

ーー筧さんは、米團治さんとはお話されました?

筧:してます!そして、なんと言いましても、この師匠(ざこば)に鍛えていただいておりますので。

ざこば:いえいえいえいえ(笑)

(左から)筧利夫・桂ざこば (C)松竹

(左から)筧利夫・桂ざこば (C)松竹

(左から)池乃めだか・西川忠志 (C)松竹

(左から)池乃めだか・西川忠志 (C)松竹

ーーざこばさんに、一番教えていただいたところはどこでしょう。

筧:いつでもその場で浮かんだことをしゃべる!ものすごい楽しいんです。師匠と一緒にやっていると。師匠の目が輝いてくる。

ーー千穐楽では、どんなことになっているんでしょうね。

筧:ある意味役者からすると羨ましい精神状態なんですよね。用意してきたことをやらないっていう。その場で思いついたことを言うんですから。凄いですよ。それで何とか終わらせるんですから。

ざこば:そういう意味ではもう、傍にいてとお願いしてまんねや。もういてなかったら、僕一人ではどないにも出来やしまへん。横でパッていうてくれはるので、ありがたいな思うてます。一つよろしくお願いいたします。

ーー今日もそういうアドリブ的な感じも、あったのでしょうか。

筧:もうほとんどそうです。(笑)

ーーざこばさんからご覧になって、米朝さん、絹子さん役のおふたりはいかがでしたか。

ざこば:ママより…。そんなん言うたら怒られるけどママよりきれい。(笑)こんなん言うたらいかんけど。いや、ほんまの事言うて。

ーー劇中でも、結構ざこばさんが出てきましたけれども。背中に薬を塗ってもらったり、あれは事実なんですか?

ざこば:そこや!いうところとか、それは違うで!というところとかね。あります。朝丸(現・ざこば)をあないブサイクなブサイクな。あない言わんでもええんちゃいますか。なんでそこまで言われなあかんの。この顔ブサイクでっか?

ーー舞台を観ていても、実際の体験として重なる部分はありますか。

三林:私が入門する以前の芝居やからね。だからこんなんやってんやろうなあって。話には聞いてますので、それを再現してくれてはるんで楽しいですけどね。私がまだ入門してなかった時代に、すでに皆さんいてはんのかと思って。宗助さんにあの時居てはったん?って聞いたら「私も居てません!!!」っていうて。皆さんもご自身が入門してはらへん芝居やったりするんで、それはそれで楽しんでやってはるんちゃいますか。

ーー三林さんの思い出の中の絹子さんはどんな感じの方ですか。

三林:夫婦喧嘩が派手やったとか話には聞くんですけど、もう(米朝さんと)同志というか、仕事のマネージャーというか、私はそういう感じに感じました。べたべたしてはらへんかったような。

ーー花札はやってなかったですか。

三林:私は見たことないです。

ーー夫妻役のおふたりはどんなご両親でしたか。一緒にやってみていかがでしたか。

内:そうですね。そんな僕も難しく考えてないんですけど。ボンボンであると思っているので、そこを意識しながら、ママには愛情を注がれてというのを意識しながら、お母さんとの接し方だったりとかを意識しながらやりました。

ーー関西弁でのお芝居はいかがでしたか。

内:まあ僕、もともと大阪出身なんで。関西弁に関しては、正直その苦労はしなかったですね。でも昔の関西弁と今の関西弁とではニュアンスが違うところってありますよね。そこは、どうなんかなと。例えば、「せやけど」とか。そういうのって変わってきますよね。

ざこば:変わってくる!ちょっとずつ変わってくる。

内:それは意識しました。

ーー今っぽい喋り方にならないように。

内:そうですね。意識しますね。

ーー真琴さんも関西弁で苦労したところとかありましたか。

真琴:苦労したところ。全部です!(笑)本当に関西の方が多いので。異国の土地で頑張っているみたいな感じです。はまると気持ちいいんです。これや!と思うんですけど。はまらなかったときは、大阪じゃなくて福井とかに行っちゃうので、修正したいと思います。

ーー筧さんは大学時代は大阪でいらっしゃいますよね。

筧:そうなんですけど。昔はエセ関西弁しゃべっていたので。語尾だけ「そうやろ」って言ったりとか、イントネーションが違うまま喋っていたので、難しいですね。台詞に音符がついているみたいな感じで。で、このままやって芝居が流暢になっていくと、最後は標準語になっているかもしれません(笑)

一同:(笑)

筧:最近、標準語もイントネーションが正しいものがどれか、分からなくなってきていますので。大阪の芸人さんも、中央でやるようになっているんで。何が正しい言葉なのか、分からないのでお芝居の心の方を重要視してイントネーションにとらわれず、頑張っていきたいと思っています。

(左から)三林京子、今野浩喜 (C)松竹

(左から)三林京子、今野浩喜 (C)松竹

(左から)真琴つばさ、筧利夫 (C)松竹

(左から)真琴つばさ、筧利夫 (C)松竹

ーー娘さん(関口まい)に、今野さん(朝丸=ざこば役)ブサイク、ブサイク言われてましたけど、いかがでしょうか。

ざこば:娘にはむかむかしまんがな。

一同:(笑)

ざこば:俺を見てじゃなくて、今野くん(朝丸=ざこば役)を見てブサイクや!ブサイクや!言うてるから申し訳ないわ。俺もむかむかしてるし。

ーー朝丸さんを演じた今野さんへの感想はありますか。

ざこば:いやあ。やっぱりブサイクなやっちゃな思うて。

一同:(笑)

右より野田晋市、真琴つばさ、筧利夫、桂りょうば、今野浩喜

右より野田晋市、真琴つばさ、筧利夫、桂りょうば、今野浩喜

公演情報

桂米朝五年祭記念
『喜劇 なにわ夫婦八景 米朝・絹子とおもろい弟子たち』
 
■日程:2020年2月1日(土)初日~16日(日)千穐楽
■観劇料(税込):一等席12,000円二等席7,000円三等席4,000円
 
■脚本・演出:堤泰之
■出演:
中川絹子(桂米朝の妻)真琴つばさ
桂米朝 筧利夫
中川明(桂小米朝、後の五代目米團治) 内博貴
海乃くじら(漫才師) 池乃めだか
海乃いるか(漫才師) 西川忠志
桂朝丸(後の桂ざこば) 今野浩喜
正岡容(米朝の師) 野田晋市
勝浦千浪(OSKのスター) 桜花昇ぼる
三津谷武夫 曽我廼家文童
桑田末子(絹子の母) 三林京子
四代目桂米團治(米朝の師匠) 桂ざこば
(順不同)
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