『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』初日開幕 白井晃、安田顕の初日直前コメントが到着
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『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』通し稽古より 撮影:木村直軌
2020年7月18日(土)~28日(火)、東京・Bunkamura シアターコクーンを皮切りに、仙台、札幌、大阪にて上演される『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』の初日公演が開幕した。このたび通し稽古の写真と、初日公演直前に演出の白井晃、主演の安田顕よりコメントが届いたので紹介しよう。
ーー初日開幕ですが、お二人から意気込みをお願いいたします。
白井:50%とはいえ、やっと観客の皆さんに劇場で作品を見ていただくことができます。出演者と観客の皆さんが一緒にいる、この劇場の空気感を味わえることを楽しみにしています。
安田:困難な状況の中、まずは初日を迎えるにあたって、関わってくださった皆様に感謝申し上げます。全身全霊で、マイケルという役を務めさせて頂きます。
ーー演出の白井さんに、これまでも何度か日本でも上演し続けられてきた作品ですが、今回の作品の大きな違いはどこでしょうか。
白井:今までの上演は二幕ものでしたが、今回は一幕通しになっています。私は、青井先生の演出での上演を拝見できていないので、残念ながら比べることができません。ただ、50年前に初演されたこの作品が、今の日本にも通じる問題であることを大きく意識して創っています。
ーー稽古前にも大変な下調べをされていたようだと白井さんも舌を巻かれていたそうですが、主人公を演じるにあたっては何か特別な思いがございましたか?
安田:自分が役を演じるからには、その人物のことを愛したいのですが、マイケルに関して並べる言葉は、実はマイナスな部分が多かったんです。孤独で、雄弁で、傍観者で、自分が傷つきたくないから人を傷つけてしまう。でも、なんだか憎めない人だなと。この人間臭いところが、共感できるところであり、不思議と愛せるところでもありました。
ーー今回の環境下では、ソーシャルディスタンスを意識して、演出的な部分でどういった部分に配慮されましたか?
白井:キスなどの行為は無しにしました。また、ハグも顔を離しての軽めのものにしたり、対面の演技の場合、出来うる限り向き合う時間を無くすように心がけています。また、パーティーシーンでの食事は全てフェイク物で、タバコなども本火は使わず、口にはつけずに食べたり吸ったりしているように見える形で演技をしてもらっています。さらに、舞台美術を通常より、舞台面奥に設定し、観客席との距離を取るように図っています。
ーー演じる側として、現在の環境に配慮せざるをえない状況で演技をするやりにくさを克服するためにキャスト陣でしていること、または個人的な心構えなどがありましたら教えてください。
安田:キャスト陣、そして個人的な心構えも含めてですが、白井さんの演出をとにかく信じて、実直に演じるということを心掛けております。
ーーこれからご覧になられる方々へ、お二人が感じる作品の見どころを教えてください。
白井:50年前、LGBTを扱った作品としては画期的なものだった本作は、社会の中でマイノリティとされた人々の苦しみと悲しみに満ちています。誰がマイノリティになるかは、その線引き次第でいつでも変化します。安田さん演じる主人公の切なさを、自分たちの問題として考えていただけたらと思います。全く個性の異なる9人の男優たちによる、舞台上での化学反応を楽しんでいただけたらと思います。
安田:お客様には、役者同士のぶつかり合いの芝居の中で出てくるエネルギーや思いを生で感じていただければと思います。
『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』通し稽古より 撮影:木村直軌
『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』通し稽古より 撮影:木村直軌
『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』通し稽古より 撮影:木村直軌
『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』通し稽古より 撮影:木村直軌
『ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~』通し稽古より 撮影:木村直軌