矢地vsサトシのライト級サバイバルマッチ! 22歳・浅倉vs19歳・古瀬の女子ファイト!

コラム
スポーツ
2020.7.22

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RIZIN半年ぶりとなる夏の2連戦、8・9 & 8・10 ぴあアリーナMM大会。7月9日の第1弾に続き第2弾の発表が18日に行われ、対戦カードが出揃ってきた。

悪夢の3連敗から復活を果たした矢地

8・9「RIZIN.22 - STARTING OVER -」
▼RIZIN MMAルール(-71.0kg)5分3R ※肘無し
矢地祐介(29=KRAZY BEE)
vs
ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)

大会初日・9日のメイン級カードとなるのが矢地祐介vsホベルト・サトシ・ソウザ戦。

中学3年から山本“KID”徳郁の下でMMAを学んだ矢地は、2008年に全日本アマチュア修斗選手権で優勝し、翌09年プロ修斗でデビュー。12年11月に修斗環太平洋王者となるとグアムの総合格闘技団体PXCにも参戦を開始、15年にフェザー級王者となる。

そして16年末からRIZINにライト級で参戦を始めるとダロン・クルックシャンク、北岡悟、五味隆典といった強豪を次々破り5連勝。“お祭り男”と言われるそのキャラクターも相まり、中量級のエースを期待される。

だが18年8月にブラジルのルイス・グスタボにKOで敗れると元UFCファイターのジョニー・ケースにも大晦日に敗れて連敗を喫し(2R TKO)、さらに昨年7月には朝倉未来に判定負けと悪夢の3連敗に陥ってしまう。

出口の見えないトンネルに迷い込んでしまったかの矢地は、昨年末の大会で上迫博仁と対戦。3R終盤まで劣勢で進み判定負けかと思われたが、右フックを決めて上迫を倒し、サッカーボールキックを叩き込んで逆転TKO勝ち(3R4分33秒)。ライト級戦線で生き残り、2020年を迎えた。

復活を期する“柔術界の至宝”サトシ

一方サトシはソウザ家の三男としてボンサイ柔術の創始者アジウソン・ソウザの下で柔術を学び、世界王者となるなど数々の大会を制し、まさに“柔術界の至宝”というべき活躍を果たしてきた。

MMAには2013年から挑戦を始め、16年6月にREALのスーパーライト級チャンピオンに。その後19年4月からはRIZINに参戦を開始し、日本を代表する組み技師・北岡悟を撃破。寝技の攻防からフックで打ち倒し、パウンドでTKO勝利を収めた。

続くRIZIN第2戦は同年7月の廣田瑞人戦。国内3団体を制しUFCでも戦ったベテラン廣田に不利が予想された一戦だったが、フィニッシュは右クロスからのパウンド連打(1R3分05秒)。武器である柔術を温存した形で勝利した。

打撃でも強さを見せ、期待と幻想を抱かせ10月からのライト級トーナメントに出場したサトシだったが、ジョニー・ケースのパンチを目に被弾し開始75秒でTKO負け。MMAではキャリア初黒星となってしまう。

ジークンドーvs柔術か、あるいは――

サトシにとっては今回がそれ以来10ヵ月ぶりとなる再起戦。トーナメントは1回戦敗退となってしまったが、自身が目指すMMA世界王者へ向け再びスタートを切る。寝技の強さは言わずもがな世界トップレベルを誇り、北岡戦と廣田戦ではフィジカルを活かした硬い打撃を見せていた。矢地が寝技を警戒するあまり散漫となるなら、この打撃がとらえる可能性もある。

最近はYouTubeでの活動も盛んな矢地は様々な武術の達人とコラボしており、中でもブルース・リーが創始したジークンドーの技術習得に余念がない。コロナ禍により試合が自粛された期間を経て、すでにジークンドーの技が自身のものになっているともいう。

矢地がジークンドーで学んだ技・戦術でとらえるか、あるいはサトシがそれをかいくぐり柔術で仕留めるのか。頂点にアゼルバイジャンの怪物トフィック・ムサエフが立つRIZINライト級のサバイバル・マッチが近づく。

「RIZIN女子の顔」浅倉カンナ

8・9「RIZIN.22 - STARTING OVER -」
▼RIZIN MMAルール(49.0kg)5分3R ※肘あり
浅倉カンナ(パラエストラ松戸)
vs
古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)

同じく8月9日、「RIZIN.22 - STARTING OVER -」では女子の注目カードも組まれた。

まだ10代、高校生のうちからRIZINに出場し、トーナメント制覇、タイトルマッチ出場と女子の中心選手として活躍してきた浅倉カンナvs19歳の新鋭・古瀬美月。22歳の浅倉は初めて年下の相手を迎え撃つ一戦となる。

幼少からレスリングを学んだ浅倉は2014年10月、17歳を目前にプロデビュー。そこからパンクラス、修斗、DEEP JEWELSといった団体で経験を積み、16年末RIZINのリングに立つ。

この一戦こそ判定で敗れたが、翌17年は快進撃。女子スーパーアトム級トーナメントに参戦すると、課題であった決定力不足を克服し、準決勝では腕十字、決勝ではRENAにチョークスリーパーと連続一本勝ちで優勝を果たす。

これで「RIZIN女子の顔」となった朝倉だが、浜崎朱加と18年末に行った女子スーパーアトム級タイトルマッチでは一本負け、19年6月の山本美憂戦では判定負けと厳しい時期を迎える。

しかし続いて8月のアリーシャ・ザペテラ戦では苦手意識の見られた打ち合いを繰り広げて判定勝ちを収め、さらに12月にはKOTC王者ジェイミー・ヒンショーに一本勝ちと着実に成長し、1ランク上の強さを身につけつつある。

19歳・古瀬、夢を叶えRIZINのリングへ

対戦相手、2001年2月生まれの古瀬は浅倉と同じく16歳でプロデビュー。そこからDEEP JEWELSで戦績を重ねていくが、一躍キャリアをジャンプアップさせたのが18年のAbemaTV『格闘代理戦争』出演。ONE Championshipとの契約を懸けたトーナメントでの戦いで優勝こそ逃したが、準決勝では現在RIZINで活躍するあいを腕十字で破るなど、その名を広く知らしめた。

「私の目標はRIZINです」、勝利後にそうマイクでアピールすることのあった古瀬は19年9月から4連勝。有言実行、遂に自身の夢を叶えRIZIN初参戦を果たす。

迎え撃つ浅倉に古瀬の番狂わせはなるか

かつてはタックルでテイクダウンを奪い、グラウンドコントロールで試合を支配する浅倉だったが、昨年のザペテラ戦のように一皮むけんと打撃にも意欲的であり、よりトータルファイターとしてバランスを高めてきている。

しかし古瀬は打撃を得意としながらあいに一本勝ちしているように、やはりトータルバランスに優れたファイター。もし序盤で浅倉の武器であるタックルに古瀬が対応を見せるなら、ニューヒロイン誕生の可能性がグッと高まることとなる。

17年末、スーパーアトム級GP決勝では、RIZIN女子の先頭を走っていたRENAを降し、浅倉が主役に立った。対戦発表会見で「勝てると思ってこの場に立ってます。しっかり勝ちに行きます」と言ってのけた古瀬はかつての浅倉、あるいは昨年の浅倉海よろしく一気にスターとなるのか。

だが、「初めて年下の選手と戦えるということで、自分が壁になって古瀬選手を越えていきたいです」という浅倉も全く動じた様子を見せず、万全の構えで迎え撃つ。

■RIZIN.22 - STARTING OVER - 対戦カード

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
矢地祐介 vs. ホベルト・サトシ・ソウザ

スペシャルワンマッチ
RIZIN 女子MMAルール:5分 3R(49.0kg)
※肘あり
浅倉カンナ vs. 古瀬美月

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
※肘あり
井上直樹 vs. 渡部修斗

スペシャルワンマッチ
RIZINキックボクシングルール:3分3R(50.8kg)
※肘あり
吉成名高 vs. 優心

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
※肘あり
内村洋次郎 vs. 関鉄矢

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
※肘あり
白川陸斗 vs. 萩原京平

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
※肘あり
山本アーセン vs. 加藤ケンジ

■RIZIN.23 - CALLING OVER - 対戦カード

バンタム級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
※肘あり
朝倉海 vs. 扇久保博正

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
斎藤裕 vs. 摩嶋一整

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
※肘あり
元谷友貴 vs. 魚井フルスイング

スペシャルワンマッチ
RIZINキックボクシングルール:3分3R(61.0kg)
原口健飛 vs. 大雅

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
※肘あり
朴光哲 vs. 青井人

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(59.0kg)
※肘あり
伊藤盛一郎 vs. 神龍誠

スペシャルワンマッチ
RIZIN キックボクシングルール:3分 3R(73.0kg)
海人 vs. ロクク・タ゛リ

スペシャルワンマッチ
RIZIN MMAルール:5分 3R(58.0kg)
※肘あり
中村優作 vs. 竿本樹生

スペシャルワンマッチ
RIZIN キックボクシングルール:3分 3R(73.0kg)
松倉信太郎 vs. 森興二

イベント情報

『RIZIN.22  - STARTING OVER -』

 日時:8月9日(日)14:00開始
 場所:ぴあアリーナMM(神奈川県)

『RIZIN.23  - CALLING OVER -』

 日時:8月10日(月・祝)14:00開始
 場所:ぴあアリーナMM(神奈川県)

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