「未来のキング&クイーンを探せ!」第44回ホリプロタレントスカウトキャラバンが開催 ミュージカル次世代スターオーディション取材会をレポート
ミュージカル次世代スターオーディション
チャンスを探している11〜20歳の男女は応募を。
大人は一緒に応援して欲しい
これまでに榊原郁恵、深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみら、数多くのスターを輩出してきた老舗オーディション・ホリプロタレントスカウトキャラバン(以下TSC)。
第44回目を迎える2020年は「未来のキング&クイーンを探せ!」と題して、ミュージカル次世代スターを探すオーディションが開催される。スペシャルアンバサダーに市村正親を迎え、市村のように長く幅広く活躍する次世代スターを探すという。
9月1日(火)から始まるエントリー期間に先駆けて、TSC実行委員長の川畑良太と、数々の演劇公演を手掛けてきたプロデューサーの大屋佳枝による取材会が開催された。マネジャーとプロデューサー、立場の異なる二人が新しい試みとなる今回のTSCに懸ける思いとは。
ミュージカル次世代スターオーディション
ーー未曾有の事態が起きている現在。そんな時でも大規模なオーディションの開催に至った経緯を教えていただけますか?
川畑:コロナ禍の中で、数々の舞台が中止や延期になっている昨今。TSCも違う形で実施を予定していたのですが、現実的に難しくなってしまいました。致し方ないことですが、本当にそれでいいのか、と。新しい才能や、希望の光を持った若い人たちのチャンスを奪ってしまうことになるのではと考えたんです。
これまでTSCはホリプロのマネジャー陣が主体となって行なってきたのですが、今回は演劇公演を製作するファクトリー部との共同で実施します。これはTSCでは珍しいケース。実際に舞台公演をいくつも抱えているプロデューサーと一緒に、オーディションを進められるのは心強いですね。
スペシャルアンバサダーに就任している市村正親のように、ミュージカルや舞台、ドラマ、映画と広く長く続く俳優を見つけたいと考えています。
大屋:私が携わっていた公演は、新型コロナウイルス感染症の影響で、公演期間途中で中止になったり、海外からキャストが来日できず中止になったり、多くの公演が中止になってしまいました。今後の公演は企画の内容から見直しになったものもあります。プロデューサー陣で毎週会議を重ねる中で、舞台のクリエーションが行えない今だからこそ、人材を見つけて育てる時間にするべきではという結論に至ったんです。暗い話題が多い中で、オーディションを実施することで少しでも明るい話題を作っていきたいという思いもありますね。
ーーミュージカルスターオーディションと聞くと少しハードルが高く感じる人も多いのでは、と感じます。歌やダンスの経験がなくても応募してよいのでしょうか?
川畑:もちろんです!
大屋:具体的には最初の審査は、アカペラで歌っている映像を30秒〜1分程度送っていただく予定です。ミュージカルと聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、好きな歌を大きな声で歌っていただければ。最初は全くの未経験で構わないので、審査が進んでいく中で、どれだけ伸びていくか見られたらいいのかなと考えています。今回、ミュージカルスターを探すオーディションと銘打っていますが、幅広く活躍できる人材を求めています。
川畑:もちろん歌やダンスの技術が高いに越したことはないんですけど、僕らは“育てる”という感覚で見ているので。オーディションは短い期間ですが、向き合う姿勢やどれだけ成長するか、その人自身の魅力を見たいと思っています。
ーー将来有望な若者がホリプロで切磋琢磨する魅力を教えてください。
川畑:楽しいこと辛いことを経験してきた素晴らしい先輩がたくさんいるところです。例えば、妻夫木聡は後輩の俳優向けのワークショップを開くことがあるんです。後輩の面倒見がいい先輩がたくさんいますね。
大屋:私たちのように舞台を製作している部署もあれば、映像が専門の部署もあります。会社全体で育てていく土壌、活躍する場所を提供できる土壌があるところが魅力ではないでしょうか。
ーー今回のオーディションでは、“キング&クイーン”と銘打っているのが印象的です。若手ミュージカルスターは“プリンス”や“ヒロイン”と呼ばれることが多い気がします。
大屋:今、ミュージカル界のプリンスとヒロインはたくさんいますよね。でも、そこに止まらず、キングやクイーンになるまで長く活躍できる方を発掘したいと思っているんです。
川畑:そうですね。今のような厳しい状況はまだ続くでしょうから、じっくりと育成期間を設けて、来たるべき時に向けて準備していく。末長く活躍して欲しいというメッセージを込めて“キング&クイーン”なんです。
ーー歌も踊りも未経験で応募する方には、どういうところを見せて欲しいですか?
大屋:まずは本当に自分が好きな歌を大きな声で30秒歌ってもらうこと。それが第一関門ですね。そこから審査の間にどれだけ歌えるようになるのか、私たちもすごく楽しみにしているんです。応援して見てくれている方々にとっても、あの子がこうなったんだ! と成長を見守る感動があると思うんです。成長の過程を皆さんにも見ていただけるような企画を考えて、私たちと一緒に見守っていっていただきたいですね。
川畑:気負わず、素の自分を見せて欲しいです。芸能界はこうしないといけない、業界にはこんなルールがある……と聞いて気にしている方もいるかもしれませんが、全く気にしなくていいです。嬉しかったら笑って欲しいし、悔しかったら悔しがっていい。表情に一切出さないのもいい。「これが私です」というものを見せて欲しいです。
ミュージカル次世代スターオーディション
ーー最後に、SPICE読者に向けてメッセージをいただけますか?
大屋:私は舞台の海外公演にも携わってきたのですが、どこの国でもどこの劇場でも、感動させる力がある人は、感動させることができるというのを目の当たりにしてきました。言葉が分からなくても、人の心を動かすのに国境は関係ないんだと思います。そういうことができる人を見つけられたらいいなと思っています。
川畑:僕自身振り返ると部活動ばかりの毎日でした。今は部活も思うようにできないような状況ですよね。そういう行き場のない思いを抱えた若い方々をエンターテインメント界で増やしたくないんです。ハードルが高いと感じるかもしれませんが、僕らはいろいろな個性を持った人材を求めています。歌がうまくないから……と諦めるのではなく、興味があれば飛び込んできて欲しいですね。
応募資格は11歳〜20歳の男女(国籍不問)、エントリー期間は2020年9月1日(火)〜30日(水)。グランプリ受賞者にはホリプロとの専属契約、賞金100万円、各種レッスンの受講の権利が与えられる。
我こそは、という方はぜひ応募をして欲しい。