Snow Manの如く伝統と革新を持ち合わせた立ち呑みスタンド、美味なるシュウマイと真田ナオキでノックアウト、風情ある居酒屋と怒髪天でいっちょあがり『聴食の楽しみ方Vol.9』

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2020.12.11
『聴食の楽しみ方』

『聴食の楽しみ方』

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近年、エンタメに対する楽しみ方が多様化している。動画サイトでの配信やSNS上でのコラボ企画など様々。SPICE編集部でも一味違った形でエンタメの紹介をできないかと、「音楽」と「食」を組み合わせた連載を始動! 本企画は京阪神のグルメ最新情報を発信し続け、現在も関西のテイクアウトできるお店紹介などを発信するなど、関西のカルチャー好きから信頼を得る京阪神エルマガジン社の月刊誌『Meets』編集部に協力のもと、音楽ライターオススメの音楽と共に、その音楽に合うお店をご紹介! オススメの音楽を聴きながら『Meets』を読み、オススメのお店で(感染防止ガイドラインを守りながら!)外食を楽しもう。

担当ライターその8:Iwamoto.K
ライター・編集をしています。個人的に好きなものは道や土地、地図などで、興味のある道や土地を歩くのが好きです。一度歩いた道のことは割と覚えています。
 

①何度でも観たい洗練されたパフォーマンス/Snow ManCrazy F-R-E-S-H Beat×スタンドハルキ

やはり京都は伝統や歴史のある町だなぁと歩くたびに思う。何度も訪れているのに、いまだかつて新鮮な驚きでもって「歴史あるなぁ……」とつぶやいている。おそらく一生、それを繰り返すのだろう。歩くたびに新しいものと古いものを発見する。今回、『Meets』さんが紹介している西木屋町の「スタンドハルキ」さんも、歩きながら発見すると「こんなお店できたんや!」と、興味津々で中をちらりと覗いてみたりしたと思う。店主の松浦さんは「立ち呑み トレセン」から独立して開店されたとのこと、先輩から受け継いだ伝統と、松浦さんから湧き出る新しいアイデアが詰まったお店なんだろうなと考える。立ち呑みだけどコーヒーだけでもいいなんて、実にありがたい。

伝統というものは古いものとばかり思っていた時期が私にもあった。多少、伝統芸能を観るようになり、実に洗練されたものであることを知った。たとえば、能についてまだ全く分からないが、先人たちの英知の結晶の再先端が今、私が見ている能であり、そこには無駄なものが一切ない。全く古くなく、めちゃくちゃ新しいと思った。しびれた。

アイドルを四十過ぎてから知った。それまでの私のアイドル像はかなり年代をさかのぼるものであったので(とはいえ、フォーリーブスまではいかない)、今のアイドルたちの洗練された姿にめちゃくちゃ驚いた。

そこで何よりもハマったのが今年の『紅白歌合戦』に初出場するSnow Manだ。大人の魅力を放つメンバー9人、それぞれの個性が際立った職人集団といった風情で、アクロバティックなステージングはまるで獣の群れのように美しい。すでにたくさんの楽曲を歌っているが、なかでも特に異彩を放っているのが「Crazy FRESH Beat」だと思う。真っ白なスタジオで展開するミュージックビデオは、ある種、機械的なパフォーマンスに洗練の極みを感じ、これまたしびれた。振付を担当したのは、メンバーの岩本照。ほかにも振付をしている楽曲がいくつかあり、どれも素晴らしい。一切の無駄のない振付やダンスをぜひ観てもらいたい。「スタンドハルキ」さんのように、先輩から受け継いだ伝統と新しいアイデアがここにも詰まっている。

●『Meets』編集部オススメのお店はコチラ●

・スタンドハルキ[京都・西木屋町]

木屋町の路地裏にオープンしたワインスタンド。自家製パンで作るオープンサンドやスイーツをアテにワインとコーヒーが楽しめる。コーヒー1杯だけもOKな、店主のホスピタリティは木屋町のセーブポイントに。


②恋する確率100%のメニュー陣にノックダウン!/真田ナオキ「恵比寿」×麦酒や ポコジロー

惚れちまったの俺! 惚れられちまった素材の味しかしない餡がギュッと詰まった「麦酒や ポコジロー」さんのシュウマイ。昨日まで私がいただいていたシューマイは、化学調味料の味しかしなかったので、別次元のものを食べているようだった。エビ、鴨、いか、牛タン……7種類ぐらい食べただろうか。とにかく全部持ってきて! で、どれも本当においしかった。スペアリブもおいしかった。何を食べてもおいしかった。

おいしいのオンパレードで思わずうなってしまったのが冒頭の「惚れちまったの俺」の一言である。元ネタは真田ナオキさんの「恵比寿」の一節、2020年1月にメジャー移籍第一弾リリースのシングルで、今年の『第62回 輝く!日本レコード大賞』新人賞も受賞された。おめでとうございます。真田さんのキャッチフレーズは「恋する確率100% ノックアウトボイス!」。師匠は吉幾三さんで、「恵比寿」も吉先生が手掛けた作品だ。<惚れちまったの俺>と、歌いだしからノックアウトボイスが炸裂する、かなりパンチの効いた楽曲だ。

「麦酒や ポコジロー」さんのシューマイを食べた瞬間も、そのノックアウトテイストに100%の確率で恋をして、真田さんの「恵比寿」が脳裏をよぎったというわけである。間奏では吉先生の泣きのギターが響くのだが、辛子の辛さにツーンとなっている瞬間と何となくシンクロする……気がする。なお、「麦酒や ポコジロー」さんは松屋町にある。もう少し南にくだったら大阪が誇る「恵美須町」がある。このあたりの親和性もよし! よし! 吉幾三で三方よし!

●『Meets』編集部オススメのお店はコチラ●

・麦酒や ポゴジロー[大阪・松屋町]

14種のビアタップが備わるクラフトビール酒場が誕生。ビールに合わせるのは、鶏、エビ、鴨、イカなど変わり種を含む自家製の焼売。さらに麻婆豆腐や担担麺などの本格中華も揃い、ビール×中華アテで、エンドレスに!
 

 

③こまけえことは気にしない! 鋼の心で楽しくやろうぜ!/怒髪天『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』×大正サロン髭とボヰン

さて、ここまで2軒のお店をご紹介し、いよいよ3軒目の暖簾をくぐろうとしている。最後のお店はJR大正駅からすぐの「大正サロン髭とボヰン」さんだ。1階はコの字型の立ち飲みカウンター、壁にもたれたり、カウンターに肘をついたり、時には前川清のアニさんのように直立不動で、飲んだり食べたりできる。『Meets』さんのご紹介のとおり、500円以下のアテがほとんどだ。とても安いので、ここでもまたとにかく全部持ってきて! と言いたいが、種類が多いので到底、一度の来店では食べきれない。駅からも近いとあって、またふらりと立ち寄りたい。おいしいお店に出会うと、今度はいつ行けるだろうかとめちゃくちゃ焦る。次の来店時の注文も視野に入れながら、何を食べようかと思案する時間も実に一興だった。

実は、私は酒が全く飲めない。酒を飲みすぎてアルコールアレルギーになった。一生分の酒を飲んでしまったので、ここまでソフトドリンクでご紹介して来た。そんな私が立ち飲み屋を紹介するなんて、これでいいのか……! と煩悶している時に流れたのが怒髪天の最新アルバム『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』だ。とにかく、でっかい心でこの難局を乗り切っていこうぜ! と歌う怒髪天。そうだそうだ! こまけえことなんて気にしない! SPICEさんでおもしろくない冗談を平気で言っちゃう! でも気にしない! 私たちには「ヘイ!Mr.ジョーク」がいる! コロナ禍でろくに働いてないけど、もてあますほどの時間ある私も「タイムリッチマン」だ! 酒の匂いだけでクラクラして酔っぱらう。そんな時のBGMはまさに「SADAMETIC 20/20」、とにかく気合が入る! リード曲の「孤独のエール」で自分を鼓舞して、明日からもまた『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』で楽しくやろうぜ! 怒髪天の音楽は、生活そのものだ。どうしようもなくつらくなった時も、めちゃくちゃいい塩梅の時も、いつも隣で大きな声で歌ってくれる。怒髪天の酒場があったら、いつでも「へいらっしゃい!」と元気な声で迎えてくれそうだ。大正駅近くに佇むこの立ち飲み屋「大正サロン髭とボヰン」さんの風情も相まってそんな妄想が捗る。そうだ、ライブに行こう。

●『Meets』編集部オススメのお店はコチラ●

・大正サロン 髭とボヰン[大阪・大正]

JR大正駅スグにオープンした立ち呑み店。たたみ鰯のポテサラやだし巻きカツの〆コッペなどの創作アテが、町家のレトロ空間で。一歩足を踏み入れれば、“大正”時代にタイムスリップした感覚に!

 

文=Iwamoto.K 

今回紹介したお店情報

Meets Regional 2020年1月号
「行くなら、今です。神戸」
特別定価600円(税込)
https://www.lmagazine.jp/meets/

『聴食の楽しみ方』特集ページ

『聴食の楽しみ方』記事一覧はこちら
https://spice.eplus.jp/featured/0000143437/articles

楽曲情報

Snow Man「Crazy F-R-E-S-H Beat
※楽曲配信なし


真田ナオキ「恵比寿」
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怒髪天『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』
Spotify配信リンクはこちら

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