南沢奈央・平埜生成・入手杏奈らが挑むエンダ・ウォルシュの戯曲 白井晃演出の舞台『アーリントン』が開幕
舞台『アーリントン』 撮影=岡千里
1月16日(土) 、KAAT 神奈川芸術劇場にて、舞台『アーリントン』が開幕した。あわせて、舞台写真と演出・白井晃コメントが到着した。
舞台『アーリントン』は、2018年春に上演された『バリーターク』に次ぐ、エンダ・ウォルシュによる戯曲。KAAT神奈川芸術劇場芸術監督の白井晃が演出を手掛け、本公演で日本初演を迎える。アイルランド生まれの劇作家・脚本家エンダ・ウォルシュは近年、映画『ONCE ダブリンの街角で』舞台版でのトニー賞ミュージカル脚本賞受賞や、デヴィッド・ボウイの遺作のミュージカル『LAZARUS』の脚本執筆などでもさらにその名を広めた。2018年3月には、イギリスの作家マックス・ポーターのデビュー作 『Grief is the Thing with Feathers』の脚本と演出をてがけた同名の舞台を、コンプリシテの制作により、アイルランドのダブリンで初演。翌2019年3月にはイギリスのバービカン・センター、同年4月から5月にはニューヨークのセント・アンズ・ウェアハウスで再演。また、オペラの脚本・演出家としても活躍している。
舞台『アーリントン』 撮影=岡千里
舞台『アーリントン』 撮影=岡千里
『アーリントン』の舞台は、時もところもわからない、ある待合室。主人公アイーラを演じるのは、昨年5月~6月に上演されたKAATプロデュース『恐るべき子供たち』に続き、白井作品2度目の出演となる南沢奈央、若い男には、長塚圭史演出・KAATプロデュース『常陸坊海尊』での演技が記憶に新しい平埜生成が白井作品初参加となる。また、ダンサー・振付家の入手杏奈が劇中の重要な役どころで出演している。
舞台『アーリントン』 撮影=岡千里
舞台『アーリントン』 撮影=岡千里
舞台『アーリントン』 撮影=岡千里
演出・白井晃のコメントは以下のとおり。
白井晃(演出)
本作「アーリントン」(ラブストーリー)は、昨年4月、新型コロナ感染拡大防止の為に出された緊急事態宣言の元、初日間近にして中止になった作品です。
関係者の皆さんの多大なる努力によって、こうして上演できることになったこ
とを本当に嬉しく思っています。
エンダ・ウォルシュという、稀有な作家によって書かれたこの作品は、もしかしたらこのような世界情勢でこそ上演されるべき作品だったのではないかと思えるくらいです。それくらいに、私たちの置かれた状況を写し、離れてしかコンタクトができない人と人との関係を考えさせくれます。
この作品は、極度に管理され、人と人とを区分する世界の物語ですが(現実が追いついています)、同時に副題にあるようなラブストーリーでもあります。
ほんの一瞬の心の繋がりが、私たちを救ってくれる。そんな小さな恋の物語です。それは切ないほどの痛ましさを伴って。
今、私たちは奇しくも、再び昨年と同じような状況に陥りました。しかしながら、私たちは万全の対策をして、皆さんの安全を第一に考えてご来場をお待ちしています。是非この物語に触れてみてください。
演出 白井晃