OKAMOTO'S『START UP!!-ロックの春2021-』ライブレポートーーライブ巧者が繰り出す貫禄のステージングで前半戦は完走
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昨年デビュー10周年を迎えた、かつてのアンファン・テリブル(恐るべき子どもたち)がWEST UP!! STAGEの前半を締めくくる! しょっぱな「Welcome My Friend」から貫禄たっぷりのプレイで、一気に場を掌握する彼ら。ダンス・クラシックへの深いリスペクトを感じさせる「Dance To Moonlight」に続いては、新曲「Complication」を。オカモトコウキ(Gt)のギターリフが轟き、サポートのBRIAN SHINSEKAI(Key)が音にピュアネスな彩りを加えていく。さらに「Young Japanese」では、正確無比なビートを刻むオカモトレイジ(Dr)のドラミングとハマ・オカモト(Ba)の躍動する極太ビートを礎に、オカモトショウ(Vo)のライムが炸裂! この衝動的なムードとは裏腹なパフォーマンスの確固たる安定感もOKAMOTO'Sの持ち味の一つだ。
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「(バンドタオルを掲げているファンに向けて)タオルありがとう。でもロゴが逆」(ハマ・オカモト)
「いじわるだなー(笑)!」(オカモトレイジ)
「こういう交流、ずいぶんしてなかった(笑)。さっきからバンドの演奏で卓球してるみたいな気持ちなんですよ、ずっと」(ハマ・オカモト)
「音がポーンと跳ね返ってきてね」(オカモトショウ)
「みんなの熱も返ってきてて」(ハマ・オカモト)
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と、久々のフェス空間にしみじみと嬉しそうな表情を浮かべる彼ら。続いてドーパミン分泌しまくりのアンセム「BROTHER」では、オカモトショウがステージ中をくるくる回りながら先導。恍惚の表情で歌声を響かせる様に一瞬たりとも視線をそらすことができない……それは生粋のロックスターだけが放つカリスマティックなムードそのものだ。極彩色のライティングがよく映え、音の渦に身をまかせる心地よさもまた格別。バンドのスケールは年々、いやステージごとに拡大し続けているといっても過言ではない。
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「前半の最後とあって、ある種のトリをOKAMOTO'Sが任せてもらえたとお聞きしています。光栄です!」(オカモトショウ)
「勝手に言ってるだけですが、トリです!」(ハマ・オカモト)
「トリです! いっぱい言っておこう」(オカモトショウ)
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そう続け、オカモトコウキの鋭利なギターをトリガーとしたラスト「90’S TOKYO BOYS」で堂々の完走を迎えた彼ら。どの楽曲でもそれぞれの世界へ入り込ませる没入感たるや、さすがのライブ巧者という他ない。ライティングで浮かび上がる4人のシルエットは、どこまでも大きく際限なく頼もしいものだった。
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取材・文=後藤愛 撮影=渡邉一生