マカロニえんぴつ『START UP!!-ロックの春2021-』ライブレポートーー「絶望ばかりじゃない。音楽の勝ちです!」甘く淡く、切なく温かいステージに歓喜

レポート
音楽
2021.4.2
マカロニえんぴつ 撮影=ハヤシマコ

マカロニえんぴつ 撮影=ハヤシマコ

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 初日のEAST UP!! STAGEのトリを飾ったのは、マカロニえんぴつ。リハーサルで「遠心」を贅沢に披露して、フロアの沸点はすでに高まっている中、「洗濯機と君とラヂオ」でスタート。FM802の『MUSIC FREAKS』(日曜22時〜24時)でDJを務めている、はっとり(Vo.Gt)が「待ってたかい大阪ー!」と呼びかけると、観客は「いやもう、待ちわびてましたよ!!」と言わんばかりにすごい勢いでハンズアップ。そのまま、私立恵比寿中学に提供した楽曲のセルフカバー「愛のレンタル」へ。はっとりの歌声が、会場を哀愁とともに漂い聞き耽ける観客たち。メンバーひとりひとりとにかく楽しそうに演奏していて、見てるこちらもノッてくる。

マカロニえんぴつ

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MCでは観客たちの体調を気遣いながら、ひとりひとりの顔を見て「よかった、よかった……ひとまず」と無事この日を迎えられたことを、改めて実感したような安堵の表情を浮かべる。「会えなかった分、惜しみなく演奏して帰るので好きに楽しんで」と投げかけ、先月リリースしたばかりの最新デジタルシングル「メレンゲ」を披露。これには、歓喜の声を上げる……訳にもいかないので「キャッ!」とした表情を浮かべたり、両手で頬に手を当て大喜びする観客たちも。あっという間に過ぎ去った冬に想いを馳せながら、今度は「恋人ごっこ」。甘く淡く、切なく温かい歌がじんわりと心に染み渡る。

マカロニえんぴつ

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「この場所がずっと、邪魔されることなく続いていくといいなと思います。守ってくれましたね。僕たちにとっての特等席を。あなたにとっての特等席を必死に守ってくれました」と、はっとり。今日という日まで音楽とライブへの想いをつないできた、FM802やイベンター、スタッフたちに感謝の想いを伝える。

マカロニえんぴつ

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 「このまま続いてくれるといいな……じゃなくて続けなきゃいかんなと思っています。音楽が大好きな、音楽フリークな大人も子供も、なによりここに来てくれたあなたがいたからこそです。今日までしがみついてくれてありがとう。顔が見れてよかった。ありがとう!」と真摯に語り、ラストナンバー「ヤングアダルト」へ。激情のままにバンドサウンドをぶつけ、心でつながり、音楽で会話しているように波打つフロア。

マカロニえんぴつ

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はっとりは「絶望ばっかじゃないと思いますね。音楽の勝ちです!」と宣言。いつ明けるかもわからない夜に立ち向かい、越えてきたからこそ生まれた、この日の光景ほど力強いものはないだろう。ステージを後にするギリギリまで、「また会いましょう!」と手を振り続けるメンバーと、見送る観客たちの姿が印象的だった。

マカロニえんぴつ

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この日の余韻をラジオや音源で確かめながら、関西のライブ会場で会える日を心待ちにしたい。その時には冒頭のようにまた、「待ちわびてましたよ!!」と思いっきり手を降って迎えたいと思う。声に出して伝えられたら、もっと最高だ。  

取材・文=大西健斗 撮影=ハヤシマコ

セットリスト

『START UP!!-ロックの春2021-』マカロニえんぴつ
1. 洗濯機とラヂオ
2. 愛のレンタル
3. メレンゲ
4. 恋人ごっこ
5. ヤングアダルト
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