ソロを経て限界突破した"新旧ガルニデ"の集大成!『GARNiDELiAstellacage tour 2021→2022 “Duality Code” SPECIAL FINAL!!』レポート

レポート
アニメ/ゲーム
2022.1.28
 撮影:アンザイミキ

撮影:アンザイミキ

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2021年11月にニューアルバム『Duality Code』をリリースし、12月から神奈川、宮城、そして2022年1月から福岡、愛知、大阪と2年ぶりのツアーを行ってきたGARNiDELiA。そして1月23日(日)にその締めくくりとなる東京・中野サンプラザでの『SPECIAL FINAL』ライブが開催されるに至った。昨年の中盤にはMARiA、tokuそれぞれのソロプロジェクトも始動し、ユニットとしての活動を休止していた期間もあったが、すべてはこの日のためと言っても過言ではない。ソロを経てさらに限界突破した2人の、これまで通りでもあり、まったく新しくもある、最高&最強の一夜の模様をレポートとしてお届けしていく。(※オンライン配信は2022年1月29日(土)23:59まで視聴可能)

「今の私たちの全部を届けたい」とMARiA、「エモさ」全開のセトリに悶絶

ガルニデにとって4年ぶりとなる中野サンプラザホール。開演を知らせるジングルからすでに、客席では青のペンライトが音に合わせて揺れていた。バンドメンバー、早川誠一郎(Dr.)、セキタヒロシ(Ba.)、梶原健生(Gt.)が揃い、グランドピアノの前にはtokuが。やがてステージからレーザービームが放たれ、ステージの手前にMARiAが登場した。1曲目に披露したのはやはり、最新アルバム「Duality Code」の1曲、「Live On!」だ。

撮影:アンザイミキ

撮影:アンザイミキ

アルバムのジャケットとも合ったブルーのドレスで、力強い歌声を響かせるMARiA。サビの「キミ」の歌詞のところで客席を指差しながら、一人ひとりの心に歌詞を届けていく。歌の終わりでは「皆さんこんばんは、GARNiDELiAです。東京、ただいま!」と叫び、そのまま2曲目「True High」へ。激しく体を揺らして歌ったり、間奏中もステージの端から端まで駆けたり、序盤からフルパワーで魅せていく。

撮影:アンザイミキ

撮影:アンザイミキ

3曲目、ライブの定番曲「grilletto」でも、ダンサー2人と共にキレのあるダンスを披露。4曲目では「今日は最初から、全力で飛ばしていくよ!」と叫び、「Burning Soul」を熱唱するなど、4曲続けて力強いロックナンバーでの幕開けとなった。

撮影:アンザイミキ

撮影:アンザイミキ

続くMCでは、「今日は今の私たちの全部を届けたいなと思って、今の私たちを作ってくれた、みんなとの大切な思い出のつまった曲も持ってきているので、全力で楽しんでもらえたらと思います」と語るMARiA。その言葉通り、5曲目には2014年にリリースされた名曲「人魚姫」を披露した。振袖の長いドレスを着たダンサー4人(Kyoka、YUKA、REINA、MiYU)と共に踊り、ステージ上に深海を作り上げる。一方、6曲目にはまた新アルバムから「aquarium」を歌い、人魚を題材に扱った新旧2曲のコントラストを魅せていく。

撮影:アンザイミキ

撮影:アンザイミキ

7曲目にはガラリと雰囲気を変え、新アルバム曲「ミルクキャラメル」を披露。ダンサーの動きもカラクリ人形のような動きとなり、2番目のサビでは運ばれてきたイスに座って歌うMARiAの周りを、ダンサー3人が囲んで踊る。物語性を感じさせる演出に、思わず「エモい」という感想を述べずにはいられない。

撮影:アンザイミキ

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バンドソロ演奏を挟んで、着物風のドレスに着替えてステージに再登場したMARiA。8曲目には「宵闇胡蝶」を歌い、踊る。周りに従えるダンサー4人も、くノ一のような黒い和風衣装だ。観客席のペンライトは紫となり、美しく幻想的な夜の雰囲気を醸し出す。続く9曲目もガルニデ・ダンスナンバーの名曲「桃源郷歌」を披露。「みんなのウォーアイニー、ここまで届けて」の声に、ピンクのペンライトが客席で踊った。

ダンス曲が続く流れで、10曲目にはニューアルバムから「オトメの心得」を披露。こちらは数日前にMARiAがTwitterにてサビの振り付け動画を載せていたこともあってか、観客までもが一斉に息の合ったダンスを披露。これぞ、有観客ならではである。歌の後のMCでは、MARiAも興奮気味に、「やばーい!みんなばっちりだったねー!さすがガルニダーです。超可愛かったよ」と感想を述べた。

一方、tokuは感想を求められると「可愛かったと思う……久々のグランドピアノの生演奏で緊張しちゃって」と、観客を見ている余裕もなかったことを正直に打ち明け、MARiAの笑いを誘った。


新曲「蒼天」もライブ初披露。「"最強"の今を作っていこう」

続く11曲目は、サプライズ。昨年12月にNintendo Switch向けアドベンチャーゲーム『滄海天記』の主題歌として発表されたばかりの完全新曲となる「蒼天」がライブ初披露となった。ダンサーはステージを離れ、バンド・toku・MARiAだけで、歌と演奏をまっすぐホール全体へ響かせた。12曲目にはダンサー4人が戻ってきて、ライブ定番曲「極楽浄土」を披露。新曲を聴いたばかりの興奮で熱くなった会場を、一層加熱していく。

大きな拍手が湧き起る中、MARiA・ダンサーが舞台を離れ、tokuが楽器を持たずステージ前方へ登場。「今日、声は出せませんが、手をいっぱい振ってもらってもいいでしょうかー?」と、自身がボーカルを務める楽曲「stellacage」を優しく温かい声で歌い上げた。ゆったりとした曲に合わせて、さざ波のように観客の手が揺れる。終盤のサビの歌詞「カミサマもほら見ているよ」では、tokuがステージに設置された箱馬の下から、ガルニデのマスコットキャラ・カミサマのぬいぐるみを取り出し、それを持って手を振るというお茶目な演出もあった。

曲の終わりでtokuもステージを離れ、バンドソロへ。その後、ガルニデの2人は黒と赤というお揃いのカラーの衣装にチェンジして再び舞台へ現れた。14曲目に披露したのは、こちらも2020年の発表以来すっかりライブ定番曲となった「star trail」だ。舞台の背景には満天の星空。客席に揺れるペンライトは青で、美しい宇宙を再現しているかのようだった。そして「宇宙」つながりで、15曲目には懐かしの「further」を披露。tokuもピアノを奏でながらコーラスに加わり、終盤のサビ部分ではかけあいのフレーズを、想いのこもった歌声で歌い上げた。

続くMCでは、もう結成から12年ということを振り返るMARiA。特に思い出されるのは、2020年。10周年のツアーが、開幕を迎えた直後に、新型コロナの感染拡大によって中止になってしまったことだ。その後もなかなか日常は戻ってくることなく、今もなお「第6波」と言われる感染拡大状況が続いていることを、「もどかしい思いもしてきた2年間だった」と語った。
 
撮影:アンザイミキ

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しかしそれを越えた今、「みんなとの絆は、絶対に2年前より強くなってる。私たち自身も絶対に強くなってる」とMARiAは言う。「私は、2年前の私より、今の自分がめちゃくちゃ好きです。そんな私のことを好きでいてくれて、会いに来てくれるみんなのことがめちゃくちゃ好きです」。

失ったものはあまりに大きかった。世間的にも、音楽業界、そしてガルニデとしても、言葉に表せないくらいの苦悩があった。しかし、それに対して恨み節を唱えることはせずに力強く、MARiAは言う。「あの頃は、戻ってなんかこない。だったら、"最強"の今を、キミと、キミと、作っていけばいい、そうでしょう?」

撮影:アンザイミキ

撮影:アンザイミキ

そして16曲目、新アルバム曲「my code」を披露。ダンサー2人を加えて、熱く、強く歌い上げる。「ダサいセリフ吐いてないで この瞬間最強で生きていきたい」という歌詞にもあるように、まさに今のMARiAとtokuと、ガルニデチームメンバーやファン一人ひとりも未来へと導いていくような強い1曲だ。

続く17曲目には「SPEED STAR」、18曲目には「東京、まだまだ物足りないよね!」と叫びながら「BLAZING」を熱唱。さらに19曲目はダンサー4人も全員集合して「約束-Promise code-」を披露するなど、確実に盛り上がる定番曲を畳み掛けるように披露していった。

撮影:アンザイミキ

撮影:アンザイミキ

そしてラスト20曲目では「こんな時代だから、踊ってやりましょうよ!」と「G.R.N.D.」で、観客全員をも巻き込んでいく。まだ声は出せない、ソーシャルディスタンスにも気を遣わねばならない。けれど、「さぁさぁこの手を上げろ」の声には、応えることができる。MARiAだけでなく、tokuもショルダーキーボードを持ってステージの前に踊り出し、会場のボルテージは最高潮となっていった。


"キミにいちばん届けたい歌"をアンコールに
「キミが未来を信じられなくなったら、私のことを思い出して」

20曲終えて、舞台を去っていくダンサー、バンドメンバー、そしてtoku、MARiA。まさか、これで終わりということはない。アンコールを求める長い拍手が響いたあと、最初に披露されたのは可愛さと元気さであふれた定番曲「アイコトバ」だ。

衣装をライブTシャツにチェンジしたMARiAと、ショルダーキーボードのtoku。ダンサーズ4人も踊る中、サビでMARiAが「tokuさん、おいでー」と、ステージ端のtokuを中央に呼ぶ。その後も、こんどあっち、次はあっち、と引率するような感じで、歌いながらtokuを引っ張っていくMARiA。打ち合わせ通りなのか、練習不足でそうなっているのかはわからないが、ただただ2人のやり取りが「尊い」と感じてしまう。客席のペンライトが黄色になって揺れているのも、何だかみんな笑っているように思えるほどだ。

MCを挟んで、アンコールの2曲目には「MIRAI」をアコースティックバージョンで披露。グランドピアノを弾くtokuを中心に、生楽器の演奏に合わせて歌うMARiA。最後のサビ「愛という奇跡を この手に誓うよ」を渾身のロングトーンで響かせる。聴いていれば自然に涙が零れてしまうような歌声に、観客は惜しみない拍手を贈った。

続くMCでは、「この先もどんな未来が待ってるかわかんないけど。それでも今日、ここにいる私たちは、ずっと、どんな未来でも一緒に歩んでいけると、そう信じてます」と語ったMARiA。このコロナ禍の時代だからこそ、その言葉は重く響く。世間がどう変わっても、決して歩みを止めなかったガルニデの2人。2年間のうちに無観客の配信ライブや、さまざまな制限がある中での有観客のライブを重ね、アルバムも2枚製作。それぞれのソロプロジェクトも始動した。立ち止まることもできた時期に、彼らはあえて前に進むことを選んだ。そしてそんな彼らに付いていくことを我々は選んだのだ。

撮影:アンザイミキ

撮影:アンザイミキ

「私たちが、音楽が、歌を続けていけるのは、君が私の居場所になってくれているからです。このツアーのラストの曲は、キミにいちばん届けたい歌を歌います」

そして最後に、新アルバムの最後に収録されている「Reason」を歌い上げた。拳を掲げ、力強く。「大丈夫」という歌詞を、「キミ」と呼ぶファンの一人ひとりの心に届けたのだった。

「キミが未来を信じられなくなったら、私のことを思い出して」と、歌の終わりに言うMARiA。また、鳴り止まない拍手の中で「終わりたくなーい!」と叫んだ。

「やっぱり、改めてライブって最高だなと思いました。まだまだ大きいところに、遠い星に、私たちみんなで、一緒に行こうね」そんな、文字にするとやや大袈裟なセリフでさえ、GARNiDELiAなら叶えられそうな気がしてくる。

「また、必ず、絶対会いましょう。ありがとう!」2021年、2022年と、年をまたいでのツアーはこうして幕を閉じた。いろいろあった2020年も、そして2021年も、考えてみればガルニデで一色だったような気がする。そしてまた今年2022年も、そうなる予感がしている。帰る場所がそこにあるから、我々はそれを信じて、また前へ進んでいくのだ。

取材・文:平原 学 撮影:アンザイミキ

 

セットリスト

2022.1.23(Sun)
『GARNiDELiAstellacage tour 2021→2022 “Duality Code” SPECIAL FINAL!!』
@東京・中野サンプラザ

■Streaming+
アーカイブ視聴:~1/29(土)23:59
 
01.Live On!
02.True High
03.grilletto(テレビアニメ『魔法科高校の劣等生』2ndオープニングテーマ)
04.Burning Soul (PCゲーム『ソウルワーカー』主題歌)
05.人魚姫
06.aquarium
07.ミルクキャラメル
08.宵闇胡蝶
09.桃源郷歌
10.オトメの心得(テレビアニメ『大正オトメ御伽話』オープニングテーマ)
11.蒼天(新曲)(Nintendo Switch向けアドベンチャーゲーム「滄海天記」主題歌)
12.極楽浄土
13.stellacage
14.star trail
15.further
16.my code
17.SPEED STAR(アニメ映画『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』主題歌)
18.BLAZING(テレビアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』前期オープニングテーマ)
19.約束-Promise code-(テレビアニメ『クオリディア・コード』2ndエンディングテーマ)
20.G.R.N.D.
EN1.アイコトバ(テレビアニメ『アニメガタリズ』オープニングテーマ)
EN2.MIRAI[Acoustic Ver.](テレビアニメ『ガンスリンガー ストラトス』エンディングテーマ)
EN3.Reason
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