『大阪アジアン映画祭』2022年は倪妮・池松壮亮ら競演の中日韓合作『柳川』で開幕 森山未來・阿部純子ら出演『MISS OSAKA』が閉幕作

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2022.2.9
『第17回大阪アジアン映画祭』オープニング作品『柳川』

『第17回大阪アジアン映画祭』オープニング作品『柳川』

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2022年3月10日(木)から20日(日)の期間に開催される、『第17回大阪アジアン映画祭』のオープニング・クロージング作品が発表された。

『大阪アジアン映画祭』は、(Osaka Asian Film Festival/略称 OAFF)は、大阪で毎年開催されている映画祭。「アジア(日本を含む。以下、同)の作品であること。または、アジアと深い関係を有する作品であること」を全部門共通の条件として上映が行われる。

上映作品は、プログラミング・ディレクターの暉峻創三氏が全作品を決定。これまでに、OAFFで日本初上映後、日本劇場公開(配信のみを含む)が決定した海外作品には、アンソニー・ウォン主演の『淪落の人』のほか、『悲しみより、もっと悲しい物語』、『パパとムスメの7日間』、『THE CROSSING 〜香港と大陸をまたぐ少女〜』、『アワ・ボディ』、『チャンシルさんには福が多いね』、『少年の君』、『ハッピー・オールド・イヤー』、『私のプリンス・エドワード』、『君の心に刻んだ名前』、『花椒の味』、『我が心の香港〜映画監督アン・ホイ』などがある。

『第17回大阪アジアン映画祭』オープニング作品『柳川』

『第17回大阪アジアン映画祭』オープニング作品『柳川』

2022年のオープニング作品は、チャン・リュル(張律)監督の中国・日本・韓国合作『柳川』。クロージング・日本初上映作品は、ダニエル・デンシック監督のデンマーク・ノルウェー・日本合作『MISS OSAKA(原題)』に決定した。いずれも、外国人監督が日本を舞台に撮影した作品だ。

『柳川』のチャン・リュル監督は中国出身の朝鮮族で、日本でも『キムチを売る女』『慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ』『春の夢』といった韓国映画が劇場公開されてきた。OAFFでは、2019年に『群山:鵞鳥を咏う』を上映。本作はチャン・リュルにとって、『福岡』に続いて日本を舞台にした第2作で、『豆満江』以来11年ぶりの中国語映画となる。

 
 

中年になり自分が不治の病であることを知ったドンは、⾧年疎遠になっていた兄・チュンを柳川への旅に誘う。柳川は北京語で「リウチュアン」と読み、2 人が青春時代に愛した女性「柳川(リウ・チュアン)」と同じだった。20年ほど前、チュンの恋人だったチュアンは、ある日突然、姿を消してしまったが、今は柳川で暮らしているという。誰にも理由を告げずに消えた彼女の存在は、兄弟の中で解けない謎になっていた。ふたりは、柳川でついにチュアンと再会する。

『第17回大阪アジアン映画祭』オープニング作品『柳川』

『第17回大阪アジアン映画祭』オープニング作品『柳川』

チュアンを演じるのは、チャン・イーモウ(張芸謀)監督の『金陵十三釵』でデビューを果たしたニー・ニー(倪妮)。兄弟を演じるシン・バイチン(辛柏青)とチャン・ルーイー(張魯一)は『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』(妖猫伝)でも共演している。また、日本からは『アジアの天使』(『OAFF2021』クロージング作品)など国際共同制作作品にも積極的に参加している池松壮亮と、『君よ憤怒の河を渉れ』などで中国でも知られる中野良子がキャストに名を連ねている。なお、本作は 2021 年の平遥国際映画祭(開幕作品)と釜山国際映画祭で同日ワールドプレミア上映されている。

『第17回大阪アジアン映画祭』クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』 (C)Haslund Dencik Entertainment

『第17回大阪アジアン映画祭』クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』 (C)Haslund Dencik Entertainment

クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』でメガホンをとったのは、作家としても活躍するデンマークの俊英ダニエル・デンシック監督。本作では、プロデュースと脚本も手掛けている。

 
 

24歳のイネスは自分に自信が持てず、「別の誰かになりたい」という願望をいつも抱いていた。恋人のノルウェー出張に同行したイネスは、大阪からやってきた謎めいた女性・マリアと出会う。そして、マリアの事故死をきっかけに、自分自身を葬りマリアになりすますことを決意。新しい人生を求め、すべてを捨てて大阪へと旅立つイネス。ナイトクラブ“MISS OSAKA”の名刺を手にした彼女は、ネオンが輝くパラレルワールドの奥深くへと導かれていく。イネスの、「別の誰かになりたい」という願望を追求する旅が始まる。

『第17回大阪アジアン映画祭』クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』 (C)Haslund Dencik Entertainment

『第17回大阪アジアン映画祭』クロージング作品『MISS OSAKA(原題)』 (C)Haslund Dencik Entertainment

イネスを演じるのは、2020年にベルリン国際映画祭シューティング・スター賞を受賞したデンマークのビクトリア・カルメン・ソンネ(『ウィンター・ブラザーズ』『ビッチ・ホリデイ』)、恋人役のミケル・ボー・フォルスゴーは『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』でベルリン国際映画祭主演男優賞を獲得している。日本からは、ナイトクラブ“MISS OSAKA”の闇を彩るメンバーとして、森山未來、阿部純子、南果歩らが出演。また、サキソフォン奏者で作曲家の清水靖晃氏(TVドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』)が音楽を手がける。デンシック監督は、「大阪は私がずっと魅かれていた場所です。少年時代には、まったく別世界のような気がしていました。私はこの映画に子どものころから抱いてきたテーマを詰め込みました。それは、運、運命、偶然の産物、偽物と本物、アイデンティティを変えるということ、つまり人生という冒険についてです」とコメントを寄せている。

『大阪アジアン映画祭 2022』オープニング作品『柳川』は3月10日(木)梅田ブルク 7 にて日本初上映。クロージング作品『MISSOSAKA(原題)』は3月20日(日)ABC ホールにて日本初上映。

 

作品情報

映画『柳川』
(2021年/中国・日本・韓国/112分)
監督:チャン・リュル(張律)
配給:Foggy、イハフィルムズ
出演:ニー・ニー(倪妮)、チャン・ルーイー(張魯一)、シン・バイチン(辛柏青)、池松壮亮、中野良子、新音
 
映画『MISS OSAKA(原題)』
(2021年/デンマーク・ノルウェー・日本/90分)
監督:ダニエル・デンシック (Daniel DENCIK)
出演:ビクトリア・カルメン・ソンネ(Victoria Carmen SONNE)
森山未來 阿部純子
モリモトナギサ(MORIMOTO Nagisa) ミケル・ボー・フォルスゴー(Mikkel Boe FØLSGAARD) 南果歩
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
(C)Haslund Dencik Entertainment
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