木村達成×須賀健太『血の婚礼』再びのタッグは「興奮が止まらない」

インタビュー
舞台
2022.6.15
木村達成、須賀健太

木村達成、須賀健太

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スペインを舞台にした愛の悲劇『血の婚礼』が、2022年9・10月に東京・シアターコクーンにて上演される。演出は杉原邦生が手掛け、上演台本は田尻陽一が新たに翻訳する。出演は木村達成、須賀健太、早見あかり、安蘭けいほか。

本作は、スペインの伝説的劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカが、実際に起きた事件を元に1932年に執筆し、翌年にロルカ自身の演出によりスペインで初演された、ロルカの三大悲劇の一作。スペインのアンダルシア地方を舞台に、婚約した花婿(須賀)花嫁(早見)が互いの家族の期待を背負いながら結婚式を迎えようとするが、そこに花嫁の昔の恋人レオナルド(木村)が現れ、すべてを変えてしまう抑えきれない愛を描く。

約5年ぶりの共演となる木村達成と須賀健太に話を聞いた。

お互いが培ってきたものをぶつけ合える場が与えられた。

木村達成、須賀健太

木村達成、須賀健太

――『血の婚礼』に出演が決まって、どのように思われましたか?

木村:僕が演じるレオナルドは、以前森山未來さんも演じられていた役だと聞いて、ぜひやってみたいと思いました。それに加え、なんせ相手役が健太ですから。

――木村さんと須賀さんとはライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』(’15~’16年)や演劇『ハイキュー!!』シリーズ(’15~’17年)で共演されてきた仲ですよね。

木村:はい。そこから共演していないので、お互いがこの数年の間にそれぞれの現場で培ったものをどこまでぶつけ合えるんだろうって。今回はそういう場を与えてもらったような気持ちで、興奮が止まらないです。

須賀:止まらない?(笑)

木村:はい!

須賀:僕は今回、「達成との共演」ということを先に聞いて、その時点で断る選択肢はないなと思いました。達成も言っていましたが、お互いの成長をぶつけあえる場所をいただけた。お互いが別のフィールドで戦ってきて、またもう一回、一緒にやるっていうのは特別なことだなと思ったので。それだけで嬉しいし、やる価値がある作品だと思っています。

須賀健太

須賀健太

――お互いの俳優としての印象をお聞かせください。

木村:健太は、そもそも僕がデビューする前からずっとこの仕事をしてきている人で、「うまい」なんて通り越してもう別次元にいたんですよ。そういう健太と、当時の僕がなにで戦えるかというと、自分のエネルギーとか、経験値とか、そういうものしかなかった。当時の作品が“青春”や“スポ根”を描いたものでしたから、僕がずっとやってきた野球やスクールライフの経験をまるっと出すしかなかったんですよね。そうでもしないと一緒になって舞台上で奇跡を生む瞬間は生まれないと思いながらずっとやっていました。

須賀:僕はでも、これは役柄もあったんですけど、達成に対して「自分にないものを持っているな」というのは感じていました。どっちがいいとか悪いとかではなく、生きてきた場所もなにもかも違う人ですから。そういうことも含め、「すごいな」「自分じゃできないな」と思う瞬間がすごくあった。そういう人がいるってとてもいい環境だと思っていたのを覚えています。全然違うものを持ってそばにいてくれて、芝居をしてくれていたなっていう感覚がすごくありました。

――そんなふうに思われていたんですね。

須賀:(木村は)なんでもすぐできるんですよ。アクロバットも多い作品だったんですけど、振付師の方と話して「こんな感じですか?」ってすぐやる。恐怖心とかないのかなって思っていました。

木村:いまはもう怖くてできない。そんな年齢じゃないし。

須賀:あの頃の達成は怖いもの知らずだったんだ。

木村:いまやいろんな現場で揉まれて、怖いものを知りすぎて……。

須賀:はははは!

木村達成

木村達成

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