探掘家の果てなき憧れを体感 『メイドインアビス展〜挑む者たちの軌跡〜』レポート

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2022.9.8
『メイドインアビス展~挑む者たちの軌跡~』

『メイドインアビス展~挑む者たちの軌跡~』

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アニメ『メイドインアビス~烈日の黄金郷』放送を記念した『メイドインアビス展~挑む者たちの軌跡~』が、2022年9月2日(金)から9月19日(月)まで、PARCO FACTORY(池袋PARCO 本館7F)にて開催されている。

本展では、アニメ第1期~第2期+劇場版の原画展示や、オリジナル映像コンテンツ、作中で登場した遺物の展示、様々な名シーンを体験できるフォトスポットなどが用意されている。さらに「ワンポイントナナチ(音声ガイド)」付きを購入すると、本作の人気キャラクター・ナナチが会場の見どころをナビゲートしてくれるというお楽しみ付きだ。「ワンポイントナナチ」はA・B・Cの3パターンがあり、すべて本展でしか聞けない内容となっている。

エントランス。中央の垂れ幕をくぐって、会場の奥へ

エントランス。中央の垂れ幕をくぐって、会場の奥へ

謎に満ちた冒険の始まり

冒頭ではアニメ第1期の前半、主人公のリコがロボットの少年レグと出会い、冒険の旅に出るまでの軌跡が辿られる。アニメ原画や名セリフで、彼らの地上での記憶を追体験していこう。

会場風景。ちなみに、お仕置きで“吊られている”リコの姿もピックアップされていてびっくり

会場風景。ちなみに、お仕置きで“吊られている”リコの姿もピックアップされていてびっくり

アニメ原画は、一枚一枚に見入ってしまう入魂のクオリティだ。こちらはレグの初登場シーン。

会場風景

会場風景

展示されている『メイドインアビス』第1話台本は、手にとって見ることができる

展示されている『メイドインアビス』第1話台本は、手にとって見ることができる

見逃し厳禁! 圧巻の映像コンテンツ

隅っこにいるメイド姿のマルルクがキュート

隅っこにいるメイド姿のマルルクがキュート

続いては、アビスの深界一層〜四層にかけてのパート。冒険の名シーンの数々が、泡のような大小の円形パネルで展示されている。また壁に設置された小型ディスプレイでは、料理するリコや走るマルルクの動きをじっくり観察することができる。

足元の丸いスクリーンに、秘境の大穴・アビスが映し出される凝った演出も

足元の丸いスクリーンに、秘境の大穴・アビスが映し出される凝った演出も

アニメ第1期オープニングのレグ

アニメ第1期オープニングのレグ

さらに正面の大型スクリーンでは、アニメ本編映像と原画を織り交ぜたスペシャル映像コンテンツが放映されている。アニメ第1期のオープニング〜VSオーゼン〜VSボンドルドと、迫力ある動きのシーンの連続で構成されており、かなりの見応えだ。

TV放映時や劇場ではスピード感に圧倒されっぱなしだったが、改めて原画を交えて見ると、それぞれのシーンの構図の巧みさや動きの緻密さに目を奪われてしまう。時間が許せば、ぜひフルで鑑賞してみてほしい。

いい匂いのふわふわ

会場風景

会場風景

映像コーナーを抜けると、ナナチとミーティがお出迎え。深界四層のナナチのアジト周辺を振り返るパートだ。中でも目を惹くのは、やはり等身大のナナチ像である。さりげなく、上方には伝報船も再現されている。

ナナチ1/1スケールフィギュア。今にも「んなぁー」と言いそうで可愛い

ナナチ1/1スケールフィギュア。今にも「んなぁー」と言いそうで可愛い

夜明けの前が一番暗いもの

さらに進み、劇場版『メイドインアビス 深き魂の黎明』の展示パートへ。ここでは深界五層での黎明卿ボンドルドとの対決が描かれる。

会場風景

会場風景

「こちらへ……」と誘う祈手たち。レグが解体される手術台のような椅子が再現されており、実際に座ることも可能だ。周囲にはレグの目も当てられない姿の原画が多数展示されている。劇場版105分の数あるシーンの中で、この部分をフォトスポットとして切り取るあたり、かなり度し難い。

他にも、劇場版のメインキャラクター・プルシュカの原画もたっぷりと鑑賞できる。

会場風景

会場風景

そして劇場版を経て、冒険の旅はついに「絶界行」こと深界六層へのダイブへ。右手の垂れ幕は六層の侵入口を再現している。本展では展示がアビスの層をまたぐごとに境界となる垂れ幕が設置されており、“こちら側”と“あちら側”で異なる絵柄がプリントされているのが面白い。

例えば、絶界行きのポッドにナナチが入るシーンでは、先に進んだ側から振り返って見ると「なかなか入れないナナチ」の姿があって非常に芸が細かい。

フォトスポットで辿る黄金郷

以降は、現在放映中のアニメ第2期『メイドインアビス〜烈日の黄金郷』の展示パートに入る。多数展示されている原画は撮影不可のため現地でのお楽しみとなるが、ここでは名シーンを模したフォトスポットの数々で会場の雰囲気をお伝えしたいと思う。

会場風景

会場風景

「まああああー!」という悲鳴が響く一角があると思ったら、六層の「村」におけるルールの行使、「精算」を再現したフォトスポットだった。スクリーンに映し出された黒いネバネバがうごめいて不気味である。この痛々しいシーンをフォトスポットにするとは、またしても度し難い。

会場風景

会場風景

こちらは、アニメ2期の語り手であるヴエコが幽閉されていた、『目の奥』と呼ばれる場所を再現したフォトスポット。

会場風景

会場風景

レグが「火葬砲」を放つシーンを再現したこちらのスポットでは、足形に従って立ち、思い切り腕を突き出したポーズで撮影するのがおすすめだ。「ワンポイントナナチ」のAを選択すれば、音に合わせて火葬砲を放つ体験ができる。

『烈日の黄金郷』パートでは、他にも原画やリアルに再現された遺物を見ることができる。物語の鍵を握る遺物「欲望の揺籃」のレプリカは、本展のために特別に製作されたものなのでお見逃しなく。

憧れは止まらない

グッズエリア

グッズエリア

出口付近にあるグッズエリアでは、展覧会開催を記念したオリジナルグッズが豊富に用意されている。併せて、アニメ第1期〜第2期のエンドカードのイラストが展示されているのにも注目だ。

「成れ果て食堂限定商品(アラビアータ)」。元ネタとなったメニューの名前はあれだが、普通に美味しそう

「成れ果て食堂限定商品(アラビアータ)」。元ネタとなったメニューの名前はあれだが、普通に美味しそう

また6階のコラボカフェでは、作品に登場したメニューや各キャラクターをイメージしたドリンクなどをいただける。例えば「成れ果て食堂限定商品(アラビアータ)」は、作中に登場する「睾丸焼き」をイメージしたもので、付け合わせとして「リコ玉孵り焼き」が付いて税込1,500円。アビスの探掘家になった気分で、ぜひ賞味したい一品だ。

『メイドインアビス展~挑む者たちの軌跡~』は、2022年9月2日(金)から9月19日(月)までPARCO FACTORY(池袋PARCO 本館7F)にて、その後、2022年10月1日(土)から10月16日(日)までPARCO GALLERY(名古屋PARCO 西館6F)へと巡回予定。生き生きとした原画の筆遣いや、冒険のハイライトシーンを総覧できる映像コンテンツ、さらに世界観を体現した展示室のデザインと、見どころに溢れた展覧会だ。アニメ『メイドインアビス』をさらに一歩深めて味わうため、この機会に足を運んでみては。


文・写真=小杉美香

展覧会情報

メイドインアビス展~挑む者たちの軌跡~
●会期/会場:
<池袋> 2022年9月2日(金)‐9月19日(月)/PARCO FACTORY(池袋PARCO 本館7F)東京都豊島区南池袋1-28-2
<名古屋>2022年10月1日(土)-10月16日(日)/PARCO GALLERY(名古屋PARCO 西館6F)名古屋市中区栄3-29-1
主催:PARCO
企画:caruta + mmp
制作協力:KADOKAWA
アニメ公式HP: http://miabyss.com/
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