酒の魅力を伝えるイベント『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー』リポート、創業300年・松井酒造の禁断の部屋「麹室」にも潜入

2022.9.9
レポート
イベント/レジャー

オンラインで乾杯!

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イープラスが主催する、酒の魅力を伝えるオンラインイベント『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー』が8月26日(金)に開催された。同イベントは、まもなく創業300年を迎える京都の松井酒造の蔵元・松井治右衛門を迎え、酒造りの話ほか、7月にリニューアルしたばかりの店内を松井がカメラ越しでガイドするというもの。視聴者は、特別に限定販売した試飲セットの購入者が対象。事前のアンケートやチャット機能などを通して松井への質問を受け付けるなどし、イベントは進行した。

麹室の様子

普段は立ち入ることができない「麹室」へ潜入

今回の大きな見どころとなったのは、普段は立ち入ることができない店舗内まで見学することができた点だ。松井は「いつもはこの中まで案内しないのですが、今回はせっかくなので」と、日本酒造りには欠かせない麹を造る場所「麹室(こうじむろ)」にまでカメラを潜りこませた。

「昨日の夜までここで麹を育てていました。今日、麹が出来上がったところです。麹菌はカビなので、部屋の中でそれが繁殖しやすくなっています。ただ、ほかの菌も繁殖しやすくなるので、余計な菌を入れないためにも人の出入りを最小限にしなければならないのです」

視聴者からの「この中に棲みついている菌はいるのでしょうか」という質問にも、松井は「麹菌以外の菌を持ち込まないようにするのが鉄則なんです。ほかの菌は入れないようにしています」と答えた。

また一般的な酒蔵では麹室の壁は杉の板で設計するところが多いなか、松井酒造はステンレスを採用。そのことについて「木は掃除がすごく大変なんです。ステンレスであればアルコールで拭くこともできて、清潔な環境を保てます」と語ってくれた。

リニューアルした店内、そしてスピリッツやリキュールの製造場所も

パチパチと音を立てながら泡立つ醪(もろみ)

日本酒の前段階である発酵中の液体「醪(もろみ)」を接写する一幕も。パチパチと音を立てながら泡立つ光景に、視聴者も「どんな味をしているんだろう」と想像を膨らませた。松井は「大吟醸の良い香りがしています。この段階で飲むと、とても甘いんです。この甘さを酵母が栄養にしてアルコールを造っていきます。これを瓶詰めにするとどぶろくになるんです。でもどぶろくと日本酒は免許が違うので、私たちはこの段階では出荷できないのです」と豆知識も教えてくれた。

リニューアルした店内。元々の入り口を残し、室内に屋根がある仕様に。

カウンターで試飲もできる。

井戸から汲まれたお酒の仕込み水が流れる手洗い場

つづいて、入口の位置や広くなったカウンターなどリニューアルした店内を披露。酒を造っている様子を見ながら飲めるという、とてもぜいたくな空間になっている。

スピリッツを作るための減圧式蒸留機

さらに、新たにスピリッツやリキュールも製造するようになったことから、そのタンクなども見せてくれた。松井は「スピリッツとは、ジン、ラム、テキーラ、ウォッカの4種類に分けられるのですが、ウチの場合はジンとラムを作ることにしました。ジンの原料はいろいろありますが、コロナ禍で出荷の時期を逃した日本酒がいくつかあり、そのお酒を再蒸留することで日の目を浴びさせています。もうひとつ、酒粕を再発酵させて蒸留してアルコールを得られるので、それでジンを造っています」と原材料について話してくれた。

「季節の移ろいを感じながら、お酒と料理を楽しんでほしい」

第1部の店内見学を終え、第2部では視聴者からの質問を受けるなどして交流。「松井酒造がほかの酒造と違うところは」という問いかけには、「香りと味わいのバランスはとても大事にしているので、そこに違いがあるかもしれません。あと、いろんな環境対応をしているところもウチならではだと思います。特に太陽光発電でお酒を造っているのは、ほとんど見かけません」など独自のこだわりについて口にした。

ほかにも「松井酒造のお酒に合う食べものは?」という質問には、「せっかくなので、季節を感じながらお酒と食事を楽しんでほしいです。お酒は一般的に春先に絞ったものが夏を越えて、秋口に熟成し、みなさまのお手元に届きます。そして、時間の経過とともに熟成が進みます。一方、京都は鱧(はも)が有名で、土瓶蒸しのなかには鱧と松茸が一緒に入っています。「名残の鱧」と「走りの松茸」なんです。つまり、夏から秋への季節の移ろいがお料理で表現されています。ですので、そういった季節の流れを表現しているお料理に、熟成が進んでこれから飲み頃を迎えるお酒をご一緒してもらうと、「日本に生まれて良かったな」と思えるのではないでしょうか」とオススメした。

米山舞が描き下ろしたカグラ様

パッケージはAR対応している。

そしてイベントの最後に、松井は「試飲セットのおまけとして、凍らせて楽しめる商品もお送りしました。パッケージは米山舞さんに「神蔵」をイメージして描き下ろしていただいたカグラ様で、相羽あいなさんが声を担当されています。またパッケージを専用アプリで読み込むと、ARで製造過程の動画が流れる仕組みも導入しています。こういったイベントなどのご縁を大事にして、いろんな展開を見据えながらやっていきたいです。日本酒は飲むだけではなく、ヒストリーなどを見ることもできる。いろんな角度でお酒を造り、若い世代の方にもどんどんアピールしていきたいです」と展望を語った。

イープラスでは今後もオンラインイベント『オンラインで乾杯!』を実施する予定で、カジュアルさとディープさをまじえながら、酒文化の魅力をどんどん掘り下げていく。

日本酒5種試飲セット

司会・文=田辺ユウキ

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店舗情報

松井酒造
住所:京都府京都市左京区吉田河原町1-6
時間:小売部 千歳商店(9:00〜18:00)
   ティスティングルーム 酒中仙(11:00〜18:00 ※LO 17:00)
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