創業約300年、京都の老舗・松井酒造がコロナ禍のピンチをチャンスにリニューアル、蔵元がガイドするオンライン酒蔵ツアーと日本酒の限定セットとは

インタビュー
イベント/レジャー
2022.8.12
松井酒造蔵元・松井治右衛門 撮影=ハヤシマコ

松井酒造蔵元・松井治右衛門 撮影=ハヤシマコ

画像を全て表示(12件)

まもなく創業300年を迎える京都の老舗酒造・松井酒造が、今年7月に店舗・酒蔵を大幅にリニューアル。これを記念して、現在イープラスでは松井酒造の代表銘柄「神蔵 KAGURA」と創業当時から続く「富士千歳」が自宅で楽しめる、日本酒の試飲セットを限定50セットを販売中! 購入者特典として、蔵元・松井治右衛門が自ら蔵や商品を紹介するイベント『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー』に参加できるzoom生配信URLとお楽しみプレゼントが付いてくる。今回SPICEでは、特別セットの内容と、オンラインイベントに先駆けて蔵元に聞いたリニューアルのポイントを紹介!

■新型コロナだからこそできた、新たな挑戦

松井酒造蔵元・松井治右衛門

松井酒造蔵元・松井治右衛門

松井酒造は、享保11年(1726年)創業でまもなく300年を迎える京都の老舗酒造で、西に京都御所や下鴨神社、東には大文字山を望む町中に立地。蔵元が自ら杜氏として、数名の蔵人と共に酒を醸し続けている。

新しい蒸留機と製造工程を眺めらられるカウンター

新しい蒸留機と製造工程を眺めらられるカウンター

今回のリニューアルには、新型コロナの影響が大きかったと語る蔵元・松井治右衛門。「これまで国内の方はもちろん、海外からも多くのお客様に蔵の見学や直接お買い求めに来ていただいていましたが、新型コロナで状況は大きく変わりました。平日はたくさんの方で賑わっていたお店も閑散とし、お酒の販売数も激減。しかしこれを機に、特に海外からのニーズがあったリキュールの製造を始め、またスピリッツの製造免許を取得しました。新型コロナの影響で出荷できず、「神蔵」としては販売できなくなったお酒を再蒸留して、ジンとして新しく生まれ変わらせてあげたり、和三盆を使ったラムなど、京都らしいお酒もつくっていけたらと準備しています」とピンチをチャンスに変えた新展開に取り組んでいる。

新たに設置されたスピリッツ用の工房の様子

新たに設置されたスピリッツ用の工房の様子

店内で試飲できる日本酒サーバー。チャージ式のカードを差し込んで利用する

店内で試飲できる日本酒サーバー。チャージ式のカードを差し込んで利用する

また、店内もスタイリッシュに刷新。「新たに設けた蒸留機と、スピリッツの製造過程を眺めながらお酒を試飲していただけるカウンターを設置するなど思い切ってリニューアルしました。チャージ式のカードを使って、サーバーから非接触で気になるお酒をテイスティングできたり、酒米をつかったおむすび(650円)や「神蔵」の麹を使った牛すじ煮込み(700円)など自家製の肴を店内で味わっていただくことができます。7月の再オープンから、まだまだ海外の方は少ないですが観光と合わせて国内のお客様にはまた足を運んでいただけるようになりました」と、伝統を守りつつ時代に合わせた取り組みを積極的に行っているという。

日本酒を造る井戸水。試飲グラスをすすいだり、和らぎ水、手洗いで仕様するため新設

日本酒を造る井戸水。試飲グラスをすすいだり、和らぎ水、手洗いで仕様するため新設

■松井酒造の代表銘柄で、香りや味わいを飲み比べ

『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー』付き、日本酒試飲セット

『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー』付き、日本酒試飲セット

今回特別に用意された試飲セットについては、松井酒造の代名詞といえる銘柄からゆずの風味豊かな銘柄まで幅広い5種(各150ml)がそろい、夏の時期に最もおいしく楽しめる銘柄を選んだという。それぞれの特徴とは?

リニューアルされた店内

リニューアルされた店内

「松井酒造の鴨川蔵が復活した際、最初に作ったお酒が「純米大吟醸神 神蔵」で、これは酒米の王様と称される山田錦を35%まで磨いた大吟醸です。すっきりと冴えた味わいが特徴です。そして、京都の酒米「祝」の65%精米を使った「純米 神蔵/祝65自社酵母」は、他のお酒のベースにもなっているのでぜひ味わっていただきたい銘柄のひとつ。溶けやすいお米なので甘みと香りが出やすいのが特徴。このふたつは、弊社独自の酵母を使っています。これに対して、同じ「祝」の65%精米とスペックは同じながら、京都酵母「京の恋」を使用したのが「純米 神蔵/祝65京の恋酵母」です。酵母が違えば味わいも種類も変わってきます」

リニューアルされた店内

リニューアルされた店内

「そして、「富士千歳」は、にごり酒で創業当時から続く銘柄。オンラインイベントでは、にごり酒とどぶろくの違いが、酒税法に関係していることにも触れながらお話できたらと思っています。そして、夏らしいゆずが香る「神蔵「蜜號」 京ゆず」は、ゆず発祥の地とされる水尾で採れたゆずをつかったリキュールです。同じ日本酒でも、お米や酵母、製造方法が異なれば味わいが変わり、楽しみ方も変わるということ、そして松井酒造の歴史を知っていただけるような銘柄をそろえました」と、試飲セットのラインナップを紹介。

■人気アニメーター/イラストレーターの米山舞とコラボも

パンフレットに、専用アプリをダウンロードしたスマホをかざすと……

パンフレットに、専用アプリをダウンロードしたスマホをかざすと……

試飲セットには、世界的人気を誇るのアニメーター/イラストレーターの米山舞が「神蔵」をイメージして描き下ろした、イラスト掲載のパンフレットを同封。アプリと連携したスマートフォンをかざすと、人気声優・​​相羽あいなが声をあてたアニメーションが登場する、購入した人だけが楽しめる特典も。

イラストレーターとのコラボについて蔵元は、「お酒とイラストやアニメーション、ゲームには親和性があるとずっと思っていた」と温めていたアイディアだったと語る。「子供の頃はみんなで放課後に集まって、ジュースを飲みながらゲームをして遊んでいました。今はジュースがお酒に持ち変わり、かつてと同じようにアニメやゲームを楽しんでいます。大人になったみなさんと、昔のことを思い出していただきながらお酒を楽しんめたらという想いがあったので、ずっと大好きだったイラストレーターの米山先生に今回オファーさせていただきました。すると快く引き受けてくださり、描き下ろしていただけることに。コラボレーションについて発信すると、海外の方からもたくさんの反響がありました!」と、早くも国内外で話題を集めている様子。

日本酒サーバーで使えるチャージ用カード。デザインはイラストレーター・米山舞の描き下ろし

日本酒サーバーで使えるチャージ用カード。デザインはイラストレーター・米山舞の描き下ろし

日本酒造りのみならず、今後はスピリッツの製造にもチャレンジ。最新技術を取り入れつつ、イラストレーターとのコラボなど新しい取り組みを続けながら、京都から日本酒の魅力を発信し続けている松井酒造。『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー』では、購入した試飲セットを実際に飲み比べしながら、日本酒がいかにして造られているのか、より詳しく解説され醸造している様子も見学することができるという。蔵元自らが語る、酒づくりに込めた想いを聞きながら、楽しむ一杯は格別になること間違いなし! これを機に、日本酒の奥深さと、これからの可能性をぜひ体験してみてほしい。

松井酒造の『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー』に参加できる日本酒(5種)試飲セットは、8月14日(日)18:00まで販売中。

鴨川のすぐ近くに立地している松井酒造

鴨川のすぐ近くに立地している松井酒造

取材・文=大西健斗 撮影=ハヤシマコ

販売情報

松井酒造『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー(日本酒5種試飲セット)』
限定50セット
・『オンラインで乾杯!酒蔵お披露目ツアー』zoom生配信URL
 日時:8月26日(金)20:00〜(90分予定)
 
・特別試飲セット(5種類・各150ml)
「純米大吟醸神 神蔵 無濾過・無加水・生酒 山田錦35」
「純米 神蔵 無濾過・無加水・生酒 祝65自社酵母」
「純米 神蔵 無濾過・無加水・生酒 祝65京の恋酵母」
「富士千歳 純米にごり酒」
「神蔵「蜜號」 京ゆず 無濾過日本酒仕込み」
・パンフレット、お楽しみプレゼント

店舗情報

松井酒造
住所:京都府京都市左京区吉田河原町1-6
時間:小売部 千歳商店(9:00〜18:00)
   ティスティングルーム 酒中仙(11:00〜18:00 ※LO 17:00)
※新型コロナウイルス感染症拡大により営業時間やサービス内容は変更の場合あり
シェア / 保存先を選択