ミュージカル『アニー』2016 オーディション合格発表レポート
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河内桃子・池田葵
名作ミュージカル『アニー』の、2016年公演の出演者を選ぶ最終オーディションとその合格発表が、11月末に千代田区の日本テレビで行なわれた。
昨年の30 周年アニバーサリーイヤーを経て、ますます飛躍を続けるミュージカル『アニー』。今回は子供たちのチャンスをさらに広げるべく、初の名古屋オーディション、福岡オーディションも開催。応募者総数約9,000 人という中から、アニー役2名を含む最終合格者28名が発表された。
この作品は、1977年にアメリカで誕生、その年のトニー賞で7部門を受賞した傑作ミュージカルで、日本では1986年に初演、2015年に30周年を迎えた。長年の上演会場だった青山劇場の閉館に伴い、2015年の公演から新国立劇場 中劇場に移り、よりスケールアップした空間での人気ミュージカルとなっている。
その主役のアニーを選ぶオーディションが今回も行われ、6歳から15歳までを対象に、約9000人の応募者の中から書類審査で680人に絞り込まれ、実技審査(歌、ダンス、演技)の3日間を経て2人のアニー役を含む28名が選ばれた。
タップキッズの男の子や女の子たち12名、 ストリートチャイルドのダブルキャスト2名、孤児院の少女7人のダブルキャスト14名が、次々に呼び上げられていく。立ち上がって感激と喜びを全身で表す者がいる一方で、名前を呼ばれなかった応募者たちには落胆が広がる。毎年の光景だが子供たちそれぞれの思いを感じると胸が痛くなる。
いよいよアニーの発表になる! 2016年のアニー役に選ばれたのは河内桃子(コウチ モモコ)、池田葵(イケダ アオイ)の2人 。立ち上がって抱き合う2人、感動的な瞬間だ。来年4月からはこの2人のアニーが舞台で元気に歌い、踊り、観客に感動を与えることになる。
最後は全員で声を揃えて主題歌「トゥモロー」を合唱。2001年よりこの作品の演出を手がけるジョエル・ビショッフから、「また来年、会いましょう」という言葉が全員に向けて送られる。
合格した28名全員での記念撮影が行われる。
2人のアニーは駆けつけた2015年のアニー役、黒川桃花と前田優奈の2人から花束が贈られる。
黒川桃花、河内桃子、池田葵、前田優奈
演出のジョエル・ビショッフとの記念撮影の後に、河内桃子と池田葵に記者からのインタビューが行われた。
【インタビュー】
──まず自己紹介をしてください
河内 河内桃子です! 今年やっと念願のアニー役になれてすごい嬉しいです。がんばっていきたいです!
池田 池田葵です! アニーになれたのがとっても嬉しいです。これからお稽古とかいろんなたいへんなことがあると思いますが、元気にがんばりたいです!
──決まった瞬間の気持ちは?
河内 すごい嬉しくて、もう泣いちゃって(笑)。早くみんなに伝えたいです! 一番はお母さんです。
池田 最初、呼ばれなくて、あと1人となったとき、呼ばれたい呼ばれたい!となっていて、呼ばれたから、もう信じられない気持ちでした。家族のみんなに伝えたいです。
──2人は何回目での合格ですか?
河内 私は4回目です。今回受かったのは自分の力を全部一気に出して、出しきったので、それで受かったと思います。
──どんなアニーになりたいですか?
河内 強くて元気なアニーになりたいです。東京のお客さんも元気にさせたいし、地方も回れるので、最近あった茨城の洪水とか、震災とかで傷ついている人を元気にしたいです。
池田 どんなことがあっても絶対にくじけない、あきめない、すごく前向きで、元気いっぱいなアニーを演じたいです。自分自身はどうかはわからないのですが、近づけたらいいなと思っています。
──アニーのここが良いというのは?
河内 いつも前向きで、どんなにつらいことがあっても、いつも笑顔でいられるところです。できるだけ自分も近づけたらと思います。
池田 いつも前向きなところと、一緒にいるみんなを元気にさせられるところがいいなと思います。
──これからお稽古までに何かやってきたいことは?
河内 自分でも出来るだけ明るくして、お稽古の前からアニーに近づけるようにしたいです。
池田 オーディションで練習してきた歌の課題とかを直したり、あとは桃子ちゃんが言ったように、アニーに1歩でも近づけるように、がんばりたいです。
──お互いの第一印象は?
河内 すごく優しくて、いろいろ教えてほしいです。
池田 すごく歌がうまくて、すごく明るくて、元気で優しい感じの子だなと思いました。
──家族も応援してくれたと思いますが、誰が一番応援してくれましたか?
河内 お母さんです。いつも稽古場とかオーディション会場にも来てくれたので。
池田 私はお父さんです。一次審査も二次審査も最終審査も、いつも送り迎えして、入る前も「がんばってね」と声をかけてくれたので!
──合格のご褒美とかは?
河内 今日、お母さんと話していたんですけど、合格したら箱根に旅行に行こうねって(笑)。
池田 今はとくにないです。合格したことがご褒美なので。
──葵さんは去年ストリートチャイルドで出ていますが、今回は真ん中ですね。
池田 ストリートチャイルドもとても嬉しかったんですけど、公演をやっていくうちにアニーへの憧れが芽生えてきて、今、アニーに受かれて、ああ、ストリートチャイルドが懐かしいなと感じたり、アニーに受かったんだという嬉しい気持ちとがあります。
──最後に意気込みを。
河内 観に来てくれるお客様もわざわざお金を払って来てくれているので、そのぶんだけみんなに元気になってもらえたらと思います。
池田 観に来てくれた人全員が元気になって、今日楽しかったな、明日もがんばろうという気持ちになってもらえたら嬉しいです。そのために沢山練習してがんばりたいと思います。
河内桃子・池田葵
河内桃子(こうち ももこ)
神奈川県出身/小学6年生(11歳)