三阪咲 メジャーデビューから1年、大きな成長を遂げた彼女が届ける新曲「Singing for the night sky」に迫る

インタビュー
音楽
2022.11.22
三阪咲

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三阪咲が、新曲「Singing for the night sky」を11月17日(木)にデジタルリリースした。
「自分がどう進んでいくか、進んでいきたいかを意思表示しようよ!というメッセージも込めた」と話す、自身が作詞を手がけた「Singing for the night sky」について、そしてメジャーデビュー後からのこの約1年の振り返りや2023年に向けての話を訊いた。

――2021年11月1日にEP『I am ME』でメジャーデビューしてから、1年経ちました。2022年3月にKT Zepp Yokohamaで開催した『Saki Misaka LJK GRADUATION LIVE ~夢のZeppで卒業式するってよ~』では“高校生でZeppでワンマンライブをする”という夢を叶え、その後は全国各地で多くのフェスやイベントに出演されてきたこの1年を振り返って、どんなことを思いますか?

やっぱり、3月のZepp公演は自分にとって大きなターニングポイントとなりました。今年は、全国各地のフェスやイベントにたくさん呼んでいただき、三阪咲を知ってもらえましたし、さまざまなジャンルや同世代のアーティストの方々から刺激も受けた、出会いの1年だったなと思います。

――実り多い1年だったわけですね。なお、「大きなターニングポイントとなった」というKT Zepp Yokohama公演では、「歌で生きると決めました」と宣言されました。相当な覚悟があったわけですよね。

高校の同級生は大学や専門学校に進学したんです。私は音楽で生きていくって決めていたので、生半可な気持ちではできないし、言葉にすることで自分に言い聞かせるというか、ちゃんと意思表示をしておきたかったんです。

――学生とアーティスト活動を両立させるというのも簡単なことではないですけど……。

歌だけで生きていくっていうのはもしかしたら両立より難しいことかもしれません。でも、周りのみんなが学校に行っている時間に曲作りをしたりだとか、アーティストとしてすべきことがいろいろできていたので楽しかったです。

――11月17日には、ファンの方たちが待ちに待った新曲「Singing for the night sky」がデジタルリリースされました。J-POPやK-POPで数々のヒットを飛ばしているソングメーカー・Mayu Wakisakaさんとプロデューサー・福田貴史さんという最強タッグによるナンバー、曲の力がめちゃめちゃ強いですね。

たくさん用意していただいた曲の中から選んだ5〜6曲に自分の声を入れて、その中から決めた曲が「Singing for the night sky」なんですよ。

――デモ音源に一度自分の声を入れてみるというのはいつものことなのでしょうか。

そうですね。この曲素敵!と思って歌ってみたらしっくりこないとか、逆に思っていたより自分にハマっているなと感じたり、自分の声を入れてみて気づくことがあるので。「Singing for the night sky」はデモで聴いたときからお気に入りで、歌ってみたらますます好きになりました。明るい曲なんですけど、メロディは切なく感じたりして。今の自分が書きたい言葉にも合うなと思ったんです。

三阪咲

三阪咲

――『I am ME』では歌詞提供を受けていましたが、「Singing for the night sky」はデビュー前のように自ら作詞されていて。<I’m tired of the world and myself>という愁いを帯びた歌い出しから、苦しさや迷いも赤裸々に綴り、自分の弱さに向き合っていますね。

作詞をするのは、2021年8月にリリースした「キミに会いたくなるんだよ」ぶりなんです。この1年の想いだったり、歌詞にしたい言葉がたくさんあって。コロナ禍のやりきれなさとか、日々の悩みとか、私が感じた素直な感情を歌詞にしました。前は、自分の弱さとか暗い部分を見せる必要はないと思っていたんですけど、今回は今の自分のありのままの想いを正直に言葉にすることで、みなさんに少しでも寄り添えることもあるのかなって。きっと聴いてくださるみなさんも感じたことがある気持ちだと思うんですよね。変わらないものもあっていいけど、変えていかなきゃいけないことってたくさんある。自分がどう進んでいくか、進んでいきたいかを意思表示しようよ!というメッセージも込めた曲が「Singing for the night sky」です。

――闇にのまれることなく、一度きりの人生を悔いなく生きようと前を向き、夜空に響かせる力強い言葉と歌声に心打たれます。ただ、繊細な感情表現は相当難度が高そうだなとも思います。

この曲、難しいんですよ(苦笑)。でも、歌詞を書いたときの気持ちって自分が一番わかっているから歌に気持ちをのせやすかったし、しっかり感情を込めて歌えたと思います。

――いろいろなアドバイスをいただきながら。

自分なりのアプローチをまずしてみて、「こういうのはどう?」「次はこうしてみようか」っていう意見をいただいて。最初はすごく緊張していたんですけど、始まってみたらすごく楽しくて、ワクワクしながらレコーディングができ、たくさん得るものもありました。

――そんな「Singing for the night sky」は、たくさんの人の心を支え、救う楽曲になりそうです。

みんなの気持ちに寄り添える曲にしたかったし、そうなってくれたら嬉しいです。

――11月初旬には「Singing for the night sky」のティザー映像が公開されましたが、ファンの方が聖地巡礼したくなるような映像でもありますよね。

お台場や代々木公園、渋谷、汐留を1日でまわって撮影してきたんですけど、ティザーを見てくださった方がすぐにロケ地を特定していたので、驚きました(笑)。

――それから、今回は「Singing for the night sky」の歌詞にちなんだ質問もさせてください。<broken heart>というフレーズがありますが、傷ついたときの三阪さん的立ち直り方は?

私の場合、よりよい作品にするためにスタッフの方々と意見を交わしながら進めていきます。自分が思ってもみなかった考え方に触れると、一瞬え!?って思うじゃないですか。でも、自分にはない発想とか閃きには気づきやヒントがあったりするんですよね。なので芯はブレずに、周りの意見にちゃんと耳を傾けながら、少し視点を変えてみたり、新しい挑戦をしたり、そういう柔軟さも必要だと思うんです。自分と同じ感性とか考え方の人と一緒にいるのって楽しいけど、自分とは違う意見も受け止めつつ、ヘコむようなことがあってもぶつかり続けるようにしています。

――心折れそうになっても、そこは逃げずに踏ん張って、決して腐らないと。

いやぁ、心折れそうになることってありますよね。でも、自分のためを思って言ってくれている言葉だと思うので。音楽、歌で生きていくと決めた以上、逃げずに目の前のこととちゃんと向き合いたいなって。私の立ち直り方は、カラオケに行く、美味しいものを食べる、ですけど(笑)。

――そういう発散やご褒美大事(笑)。しかし、まだ10代だというのに三阪さんは精神的にすごく大人だなと思います。

うまくいくことばっかりだと逆に少し不安になるというか、うまくいっていないときにどう変われるか、どう解決できるかが大事なんじゃないかなって。この1年があったからこそ考えも深まったし、人間的に少しは成長できたんじゃないかなっていう気がします。あとは、待ってくれている方がいてくださるのが大きいです。

――ファンの方の応援、存在が三阪さんの原動力になっているわけですね。反面、多くの方からの期待を背負うプレッシャーはないのでしょうか。

あります。SNSでDMをくれる方、直接会うことはできなくても、日々誰かの想いを感じながら音楽をするっていうのは、やっぱり生半可な気持ちではできないです。

――三阪さんの歌、存在がたくさんの人の生活、人生の一部になっているわけですもんね。

すごくありがたいことで、音楽はもちろん、人間として好きになってもらえるのってすごく嬉しいです。と同時に、もっともっと頑張らないと!って思ったりもします。

三阪咲

三阪咲

――三阪さんとファンの方たちの関係性、本当に温かくて素敵ですね。もうひとつ、<I don’t need anything else>=“ほかになにも要らない”と思うくらい好きなもの、大切にしているものはありますか?

やっぱり、音楽でありファンのみなさんですね。私には大好きな音楽があって大好きなファンの方たちがいてくれる、それだけでほかになにも要らない……っていうよりそれがないと生きていけないって毎日思っています。

――その想いは、どんどん増していたりもするのでしょうか。

ライブをすればするほど、ファンのみなさんに会えば会うほど、その想いは大きくなっていくし、ライブができなかったり会えなかったりしても、想いはつのるし……どっちにしてもそうなっちゃうんですよね。特に長いコロナ禍に突入して、ステージに立つことやファンの方たちに会えるっていうことが当たり前じゃないんだと思い知ってからは、よりありがたみがわかるようになりました。

――小学5年生から歌を始めて、約10年。どんなに好きなものや熱中していたことも時と共に熱量が冷めてしまうこともあると思うのですが、三阪さんの場合はそうならないのですね。

大好きなうどんがこの世からなくなっても正直なんとか生きていけると思うんですけど(笑)、この世から音楽、私の歌を聴いてくれる人たち、私に会いたいと思ってくれる人たちがいなくなったら、きっと生きていけないですもん。音楽やファンのみなさんはいつまでも大切で、自分にとって特別なんです。

――さて、2022年も残すところ1か月半くらいとなったタイミングでの取材なわけですが、「Singing for the night sky」が12月3日より開催の映画祭『MOOSIC LAB 2023』のテーマソングに起用され、12月10日に国立代々木競技場 第一体育館で開催されるプロバスケットボールBリーグ アルバルク東京ホームゲームのハーフタイムショーに出演決定するなど、嬉しいお知らせがありました。

『MOOSIC LAB 2023』では、「Singing for the night sky」を使用したオープニング映像と予告編を現役高校生の村田夕奈監督が制作、服部樹咲さんと中井友望さんが出演されるということで、とても楽しみにしています。ハーフタイムショーに出演させていただくのは初めてなんですけど、スポーツが大好きなので、すごく楽しみでとても光栄です。

――三阪さんの歌声は、頑張るすべての人の背中を押してくれますから。少し気は早いですが、2023年はどんな年にしたいと考えていますか?

2023年はまたワンマンツアーをやりたいし、頭の中にはやりたいことがたくさん浮かんでいて。思い描いていることを一つ一つ形にできる年になったらいいなと思います。そして、2023年4月23日には二十歳になるんですよ。あと半年、ラストティーンらしいことをしたいし、今だからこそ紡げる音楽を作りたい。今感じる一瞬一瞬を大事に過ごしていきたいです。


文=杉江優花 撮影=菊池貴裕

リリース情報

「Singing for the night sky」
11月17日(木)デジタルリリース
https://VA.lnk.to/nBdmQL

出演情報

アルバルク東京主催試合 Bリーグ ハーフタイムショー
12/10(土)@国立代々木競技場 第一体育館
詳細はこちら
https://www.alvark-tokyo.jp/news/detail/id=17315
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