山本一慶・木津つばさ インタビュー「原作に忠実に」の殻を破っていく役作り~劇団『ドラマティカ』ACT3/カラ降るワンダフル!

インタビュー
舞台
アニメ/ゲーム
2023.10.11
(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

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大人気ゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!!』を原作とし、オリジナルストーリーで描かれる、今までにはない試みの舞台“劇団『ドラマティカ』”。出演するキャラクターたちが、原作にはない新しい物語で役を演じてきた。2021年10月の劇団『ドラマティカ』ACT1/西遊記悠久奇譚(以下『ACT1』)、2022年6月の劇団『ドラマティカ』ACT2/Phantom and Invisible Resonance(以下『ACT2』)を経て、2023年10月より劇団『ドラマティカ』ACT3/カラ降るワンダフル!(以下『ACT3』)の公演が控えている。

今回は『ACT3』に出演する白ウサギ/逆先夏目 役の木津つばさと、チェシャ猫/氷鷹北斗 役の山本一慶の、劇団『ドラマティカ』経験者ふたりにインタビュー。山本は皆勤の3作目、木津は『ACT1』ぶりの出演だ。

原作のストーリーを描く『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』シリーズ(『あんステ』)とは役作りも雰囲気もまるで違うと、過去のインタビューで語っていた。そんな彼らがどのように劇団『ドラマティカ』を作り上げていくのか。そして今回どのような舞台になるのかを中心に語ってもらった。

今回も文字数多めの“約1万字”ロングインタビュー。ふたりの空気感を嚙み締めつつ、ゆっくり時間がある時にお読みください。

これは「アリス」ではなく「カラ降るワンダフル!」

ーーまず、『不思議の国のアリス』という題材での公演決定についていかが思われましたか。

山本一慶(以下、山本):『不思議の国のアリス』はビジュアルがとても好きな作品のひとつです。持っている雰囲気やファンタジーさがすごく魅力的なので、それを題材としてやれることを嬉しく思います。この作品を好きな方が多い有名作でもあるので、だからこそちょっとハードルも高いなと思いますね。

木津つばさ(以下、木津):僕は『ACT1』に出演させていただいていたので、復帰作ですね。テーマが『不思議の国のアリス』、そしてファンタジーのお話ということで、劇団『ドラマティカ』というコンテンツとどう絡んでくるのかが楽しみだし、とてもおもしろそうだなと思いました。役者陣も個性あふれる人ばかりです。どこを見ていても楽しめる作品にできたらいいなと、公演を聞いたときは思いました。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

ーーどんな役、どんな作品になるんでしょうか。

山本:僕はチェシャ猫 役です。ディズニーのチェシャ猫イメージがすごく強いですが、そのキャラクターのようにまったりとしつつも不気味な感じでやるのか、果たしてどうなのか。どういう風に物語をかき乱せるのか楽しみです。

木津:僕は白ウサギ 役です。出番そんなになくないですか?

山本:わかんないよ? なんせ劇団『ドラマティカ』だから。あくまでも『不思議の国のアリス』を題材とした『カラ降るワンダフル!』。どういう風にオリジナル要素が入っていくのかはまだわからないよね。

木津:確かに! 僕は『不思議の国のアリス』だと思っちゃったけど、『カラ降るワンダフル!』だもんね。原作での白ウサギは物語の導入に出てきてアリスを導く役だけど、劇団『ドラマティカ』ではどういう風に関わっていくのかっていうのはすごく楽しみ。チェシャ猫もそうですよね、神出鬼没で突然現れて。

山本:白ウサギも突然現れる系だよね。上手から下手へ走っていく様子がもう見えてくる。例えば客席後方から出てきて、「はぁ、忙しい、忙しい!」って通路を走り抜けながら前方の扉にハケていくみたいな。客席に登場して、舞台に上がらずに客席でハケるのは前代未聞(笑)。

木津:そんなことしたら、お客さんから「また木津が舞台をかき乱してる!」って言われそう!

山本:でもそのくらい自由な作品だったら、おもしろそうだなと思いますけどね。

木津:脚本・演出の伊勢直弘さんともたくさん相談しながら、かみ砕きながらプラスマイナスしていけたら楽しいですよね。

山本:うん、今回はそうやって作っていくんじゃないかな、っていう気配がもうすでにしてます。

木津:テンポ感が重要になりそう!

『Trickstar』が見出す「ダンスうまお」の称号持ちキャスト

ーー共演者についてお聞きします。今作、アプリ内の劇団『ドラマティカ』メンバーは4人(真白友也、乱 凪砂、氷鷹北斗、逆先夏目)、それ以外が4人(仙石 忍、三毛縞 斑、七種 茨、漣 ジュン)ですが、後者の役者の方々の印象などを伺いたいです。

木津:ほぼ『Eden』ですね。

山本:気づいちゃった? 『Eden』が3人(凪砂、茨、ジュン)いるんだよね。キャストもみんな本当に真面目なタイプで、お芝居構築型の人間が多いと思います。それでこの『カラ降るワンダフル!』っていうテンションの高そうなタイトルを担うのはちょっとおもしろい。

木津:今回は友也くんの『Ra*bits』のイメージから、『カラ降るワンダフル!』なのかな。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

山本:それもあるかもしれないね。『Ra*bits』の持っている初々しさやかわいらしさから今回の題材が来ているのかも。でも我々はそこまでキャピキャピしているキャラクターではないから、ちょっと不安もあるよね……。

木津:「よし、キャピキャピしよう」っていう意気込みから始まる稽古場っておもしろくないですか(笑)。一番年齢が下だった僕が20代後半になったので、全体の年齢も底上げされちゃいました。

山本:年齢もお芝居も成長したね! (アリス/真白友也 役の宮崎)湧くんは?

木津:湧くんは28歳だったかな。(※取材当時)

山本:そう思うと、年齢も経験も豊富になってきた良いメンバーなんだな。キャラクターたちがキャピキャピする感じは『あんスタ!!』から離れてしまうかもしれない。例えばジュンには、友也と同じような種類の“可愛い”イメージがないよね。でも逆に彼らが「そういう芝居をしている」のを見ることができるのが舞台の劇団『ドラマティカ』の魅力でもある。だから役者はすごく迷うかもしれない。今回は劇団『ドラマティカ』の経験者がなんと3人(北斗、夏目、凪砂)。僕らは経験者側だから、どんどん固定概念をブチ壊していいんだよってことを伝えてあげたい。

木津:僕らがまず壊していかないと、劇団『ドラマティカ』未経験の5人はなかなか殻を破るのは難しいと思う。

山本:「そんなにやっていいの?」って疑問に思うくらいやってみて、そしてその中に「このキャラクターだったらどうする」を入れていけばいい。今回は特に相談されそうだよね。「これって絶対キャラクターはやらないと思うんですけど……」って不安が多そう。

木津:いや、大丈夫。やるんだよ!

山本:それが劇団『ドラマティカ』!

木津:劇団『ドラマティカ』の洗礼をしっかり受けてもらって。

ーー遠慮なく背中を押しますか。

木津:むしろ叩いて落とすかもしれない。「行けぇーっ!」って(笑)。

山本:こうして新しいメンツが来るのは楽しみですね。8人中、半分がサークル(劇団『ドラマティカ』)のメンバーではないですが、これは劇団『ドラマティカ』です(断言)。みんなでお客さんを楽しませるっていう思いで楽しんで作っていけたらと思います。

木津:そういえば大河くんは、実はあまりご一緒したことないんですよね。『あんステ』関連ではこの前の『あんステライブ』(2023年3月「『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Party Live-」)だけ。別の舞台で、僕が兄の兄弟役はやったことがありますが。

山本:あらまぁ! 大河の方がお兄さんっぽいのに。でも劇団『ドラマティカ』も役だから、同じように年齢や立場が全然違うかもしれない。

山本一慶

山本一慶

ーー忍くん(深澤大河)はネムリネズミ役ですね。

山本:一番台詞をちゃんと覚える人なのに、眠ってるから台詞少ないかもしれない!? 眠りながら「むにゃむにゃ」って言いそう。

木津:叩き起こしましょう(笑)。

山本:大河は役者としてすごくしっかりした方ですね。挑戦心を忘れないし、良い役者さんです。

木津:しっかり決めるところは決める人です。

ーー深澤さんは『あんステ』の期間はSNSで、たくさん『流星隊』のお写真を上げてくださっていたのも印象的でした。

山本:『流星隊』はダンスも揃ってるし、本当にカッコイイ。

木津:『あんステライブ』ではどのユニットよりも『流星隊』は稽古してたよね。

山本:まさに“アイドル”って感じで、とてもキラキラしてました。僕、『流星隊』のファンになっちゃったもん。

木津:「天下無敵☆メテオレンジャー!」良いよね!

山本:わかる! 会場一体となって盛り上がれるし、好きー!

ーーイモムシ役の横井翔二郎さんはいかがでしょう。

木津:イモムシ役、字面がちょっと……。

山本:何かオリジナルの二つ名みたいなの欲しいよね。例えば「○○の白ウサギ」みたいに。

木津:「木陰のイモムシ役」とか?

山本:よりイモムシ感増えちゃった! 「起きそうで起きないネムリネズミ」は?

木津:起きろよ!(笑)。えーっと、あとは……ウサギが2人いる。そういえば衣装もそっくりでした。

山本:もしかしたら兄弟説?

木津:そしてメガネをかけてるのが3人いるんですよ。僕も丸メガネです。

山本:へー! しかし、イモムシは名前だけ聞くと虫感がすごい。『不思議の国のアリス』の中のイモムシはパイプを吹かせてたりする感じが僕は好きだけどね。しかし僕は横井さんとまだ『あんステライブ』でしかお会いしてないな。

木津:よっこいさん、めっちゃ良い人ですよ!

木津つばさ

木津つばさ

ーーどんな点が「良い人」だと思われますか。

木津:お芝居もすごく良いのですが、ニュートラルな佇まいをされます。

山本:確かに『あんステライブ』で、斑が出てくるところもすごくナチュラルだった。役として無理していない感じ。

木津:それで、毎朝レコードを聞いてて、SNSにも「今日はこの曲」って載せてるんです。おもしろいでしょ。

山本: レコード!? おしゃれだなぁ……!

木津:一慶さんと年齢も近いくらいだと思います。おしゃれだし、お芝居も素敵だし、いじり甲斐もある! 会話しているときの目もとろんと柔らかくて良い。

山本:えー、知らなかった! ちょっと今回色々話してみよう。

ーー次は三月ウサギ/七種 茨 役の橋本真一さんですね。

山本:真一、僕は結構長い付き合い。同い年だし。

木津:そうなの!? 真一くん34歳!?

山本:そうだね。僕、最近自分が34歳ってことを自覚してなくて(笑)。ちょっと年齢に認識のズレがあって、普通にコメントでも間違えちゃう。真一はとても真面目で、良い人です。自己犠牲的で損する性格してるなと思う。詐欺のメールとかに返したりしちゃうようなタイプだなって。

木津:三月ウサギってどんなキャラクターだったっけ。(『不思議の国のアリス』のキャラクターを見ながら)特徴は「ボサボサ髪、ぎょろぎょろ目玉、出っ歯、マッドハッターと一緒にいる」かぁ。ということは凪砂(帽子屋)と一緒に出てくるのかな。

山本:ウサギと言えば、(木津が演じる)白ウサギの特徴はなんて書いてある?

木津:「何回も登場する、つかみどころがないキャラクター」です。

山本:「ああ~忙しい! チッ、チッ、チッ……YO! YO!」って、もしかしてまたラップかな。白ウサギが持っている時計が良い感じにビートを刻んでくれそう。

木津:あ~、なるほど! 時計を身に着けてますし、ちょっとあり得る。ビジュアル撮影時でも、傘を持って『メリー・ポピンズ』の飛んでるような不思議かわいい撮影をしました。

山本:三月ウサギの「ボサボサ髪、ぎょろぎょろ目玉、出っ歯」、これをどう真一が演じるか。今のところ真一や茨とは全部逆!

木津:僕は真一くんと共演するのは初めてですね。楽しみです!

山本:あとはハートのジャック役のきっしー(岸本勇太)か。

木津:おそらく勇太くんの初舞台で一緒でした。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

山本:芸歴としてはそんなに長くない?

木津:元々はボーイズグループに居て、その時に僕は共演してるんです。その後別の舞台で一緒になって。この前の『あんステライブ』で、ダンスがめちゃめちゃ上手くなっていて驚きました。

山本:きっしーも僕らの中で「ダンスうまお(上手男)」の称号をゲットしてるんだ。『Trickstar』は数々の「ダンスうまお」を見出してきています。

木津:『あんステライブ』の稽古中、一慶くんたちが袖の方で座って見ているんですが、僕が出た瞬間に「ウォァァー! ダンスうまおだ~!」って煽ってきてめっちゃ踊りづらかったこともありました(笑)。

ーー歴代の「ダンスうまお」は誰がいるんですか?

山本:きっしー、つばさ、岳。岳の首は俺より関節の数が相当多いと思う。

木津:岳くんは『ACT1』の兵庫公演の時、楽屋にあった大きな鏡の手すりに足を上げて、バレリーナみたいにストレッチしてました。あれには驚いたな。

山本:それで言えば、「ダンスうまお」が今回3人も揃っちゃった!

木津:大河もダンスうまいし、よっこいさんも踊れる人。

山本:えっ、ダンス苦手なの、僕だけ!?

木津:あと湧がいます。

山本:ほんとだ。仲良くしようっと。

木津:湧くんは今まで『Ra*bits』のかわいい感じが多かったじゃないですか。今回は『アリス』で同じようなかわいい系になるのかなと思うんだけど、カッコイイ曲でのダンスも見たいですね。

山本:これだけ踊れる人がいるから、曲もダンスの内容もすごく楽しみ。

木津:話が逸れたけど、岸本勇太の印象は?

山本:彼も結構真面目なタイプ。ひとりで籠ってお芝居を考えているようなところを見ます。

木津:運動、筋トレをしてるかお芝居を考えているか。もしくはフットサルに行っていることでしょう。

山本:でも今回はひとりにさせないよ! 巻き込んでいくからね!

歴代公演について、にぎやかすぎる楽屋エピソード

ーー過去公演についてお聞きします。まずは『ACT2』から。

山本:『ACT2』は完全なオリジナル作品だったので、役者たちで解釈し、どう表現し、どうアレンジしていくかを考えながら作った作品でした。歌もいくつか大きいナンバーを抱えていましたが、どんな時でも『あんスタ!!』でいなきゃいけない。作品としてはすごくハードルが高く、役者にのしかかっている比重も大きかったと思います。そういった意味でも「戦いのACT2」だった。
ストーリーは主演ふたり(朝比奈ルシカ/鳴上 嵐 役:北村 諒、雫 斗真/月永レオ 役:橋本祥平)がバディになるまでの、いわば「エピソード・ゼロ」みたいなところもあり、僕らもまず頭を抱えたところからのスタート。構図がはっきりしていたので、どうやってお客さんに飽きずに見ていただくか……。役者同士での話し合いもすごく多かったなっていうのを覚えています。
今回の『ACT3』はどうなることか。また新たな戦いになるのか、『ACT2』を経ての経験が『カラ降るワンダフル!』にどう役立っていくのか、難しいところです。前回僕は好き放題やらせていただきましたし、『ACT3』ではスパイスとしても良い絡みになればいいなと。

山本一慶

山本一慶

木津:『ACT2』は同じ事務所の(京極哲太/日々樹 渉 役)安井一真が出ていたので、話を聞く機会や台本を読ませていただく機会もありました。そういえばラップを継承していただいたのが嬉しかったですね。しかも(和蒜 デニス 健治/斎宮 宗 役の山崎)大輝くんだったというのもよかった。この前、大輝くんの配信番組に出た時に、「『ACT2』で木津さんいなかったから、僕がラップやったんよぉ」って言われました。

山本:大輝の真似、ちょっと似てる(笑)。

木津:『ACT3』では誰がラップをやるのかな!?

ーー『ACT1』については。

山本:それこそラップはすごく印象にありますね。『ACT1』は序盤の三蔵と悟空だけの頃って戦いも多かったし、すごく比重が重かった。徐々に旅の一行が集まって仲間が増えていくと安心感も出てくるんですが、そこにラップで夏目が入ってきてくれると本当に楽になっていきましたね。すごく明るい感じに変わってくれる。頼もしかったです。

木津:僕は今日もラップ、明日もラップ……って思ってました(笑)。今日も河童、明日も河童。そのあとは金角・銀角で早替えで戦い。僕、伊勢さんの演出では早替えがいつもあります。もう伝統になっちゃってますね。

山本:河童全員に名前つけてたんでしょ?

木津:簡単な名前でしたけどね。太郎とか、小林とか。一体感あったと思う。チーム・河童。最後の公演で、出る前に河童たち全員で円陣したんですよ。

山本:(笑)。そんなことしてたの!? ワンチームじゃん!

木津:「河童座長」って言われてましたよ。

山本:「河童たちとの思い出も忘れたくない!」って台詞でもあったよな。あのすごいことが起きてる場面で……。冷静に考えるとおもしろいんだけどね。『ACT1』の時の神戸の楽屋は2:3に分かれてたよね。僕と一真、そしてつばさ・大輝・岳で別れた楽屋だったんですが、そりゃもううるさいんです。ずーっと歌ってる。

木津:僕じゃないですよ。僕、歌わないですもん。

山本:でもケラケラ笑い声聞こえてたよ。僕と一真は台詞量も多くて、喉も疲れててハァハァして戻ってくるんですが、隣の楽屋はもう高校生みたいな騒ぎ方してて。アイツら元気だなぁって言ってました。

木津:だってふたりともおもしろいんですもん~!

山本:公演後に岳が歌の練習してるのもおもしろかったよね。公演後はみんな帰ろうって空気になるんですが、岳だけ居残って歌練習してるんですよ!

木津:確かに思いっきり練習してた! いや~懐かしい!

木津つばさ

木津つばさ

ーーでは最後に『あんステライブ』ですね。

山本:改めてみんなで集まれたのはよかったよね。

木津:ぴあアリーナMMだったので、毎公演約一万人のお客さんが来てくれたんですよ。すごい!

山本:改めて『あんスタ!!』の人気を肌で感じましたし、愛されている作品だなとも思いました。劇団『ドラマティカ』の期待も裏切れないなと気が引き締まった感じですね。

ーー『あんステライブ』はゴンドラに乗っていたのも印象的でした。

木津:そう、夏目はゴンドラ一人旅! もうめっちゃ緊張しましたよ。お客さんとの距離は近いし、イヤモニしていても声援が聞こえてくる。実は決まった振付けが全然なくて。初めてあんなに大きな会場で、ゴンドラで客席登場、フリー振付……。夏目は宗みたいに特徴的な手や身体の動きもないしって悩んで、ずっと客席を見ながら手を振ってました。あとカメラアピールを積極的にやっていましたね。

山本:『Trickstar』は振りがついてたんですが、いつの間にかフリーになってました。

木津:振りじゃなくてフリー(笑)。

山本:一応かっちりついてるところもあったんですが、ほぼフリー(笑)。みんな楽しんじゃってた! まぁでもそこが『Trickstar』の良さですね。

木津:僕は『五奇人』で一曲やれたのが嬉しかった。あんなに大きな会場で、自分がセンターに立つ瞬間があるってすごいですよね。

山本:『あんステライブ』公演の後、偶然街中で『あんスタ!!』の映像、しかも『五奇人』の歌が流れてて思わず歌っちゃいました。『Knights』の歌とか、懐かしい歌も聞けたしね。1回目のライブ(2018年9月『あんステフェスティバル』)を思い出したりもしたなぁ。

木津:僕は全部が新鮮でした。意外と新参者なんですよ。

山本:意外と回数出てないんだよね。つばさは『あんステ』のイメージが結構強いけど。

木津:実は『あんステ』2回と劇団『ドラマティカ』1回です。なんなら僕んち(『Switch』)のもじゃもじゃの人の方が『あんステ』の出演は多いんですよね。

※青葉つむぎ 役 工藤大夢さんのこと。『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Night of Blossoming Stars~、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Track to Miracle-、『あんさんぶるスターズ!THE STAGE』-Witness of Miracle-の3作に出演。

ーーまた『Switch』として共演されるときを心待ちにしています。劇団『ドラマティカ』はオリジナルストーリーで紡がれますが、伊勢さんの脚本・演出に関してお聞きしたいです。

木津:伊勢さんは脚本にも演出にもユニークさを求める人ですね。僕たちがこういうことしたいと言ったことに対して、基本的にはダメとは言わず、「じゃあやってみようよ」とチャレンジしてくれる。受け入れてもくれるし、違うときは違うと言ってくれる。役者に寄り添ってくれる演出家さんだと思っています。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

山本:動きや演出面でこう! と制限があるタイプではないですね。お芝居についてやキャラクターの気持ちを考慮しての方向性をしっかり持っている方なので、僕は好きだしやりやすいなと思います。伊勢さんは役者寄りの考え方なのかなと思います。

木津:もともとプレイヤー(役者)ですからね。

山本:そこが舞台の自由度につながっていたりもしているので、寄り添いながらみんなで一緒に作品を作っていってくれる方だなと思っています。

ーー『ACT1』や『ACT2』にもあった、あっと驚く仕掛けや考察がはかどるストーリー・演出・キャラ設定などはとてもおもしろかったですし、もっとこの先が見たいと思わせられました。今回も、もう何か仕掛けが施されているのかなと推測していますが……。

山本:『ACT2』のタイトル『Phantom and Invisible Resonance』が最後にぎゅっと縮まって、頭文字を読んで「Pair」になる仕掛けは僕らも気付いてなかった。だからあんなに難しいタイトルだったのかって思ったのは確か。『カラ降るワンダフル!』はもう『カラ降るワンダフル!』で。でも今回も何かあるのかな。まだ僕らが知らないだけで……?

不思議な臨死体験と量子力学

ーー題材である『不思議の国のアリス』のように、おふたりが経験された「不思議な出来事」は?

木津:ひとつ本当に不思議な体験をしたことがあって。中学生の頃、下校途中に親友の家に寄ろうとして急斜面の坂を下りているときに、転倒してしまって。その時、急に周りの景色がスローに見えたんです。はっと気付いたら真っ白な世界に居て「ああ、死んだんだ」って思いました。遠くの方にふわっと光るものがあって、身体が勝手に向かって行っているのに気づきました。そっちに歩いている最中に、すごく後ろを振りむきたくなる気持ちになるんです。でも後ろから謎の力で押されていて「大丈夫だよ、大丈夫だよ」って声が聞こえる。いつの間にか花が周りに舞っていて、次第に量が多くなってきたから掻き分けて進んでいったんですよ。いつの間にか花を手で取っちゃってたみたいで、そしてバンっと再び倒れて……気付いたら元の坂道の地面に倒れていたんです。もちろん怪我はしていましたが、すごい急斜面から転がり落ちたのに少しの擦り傷しかなかったんです。それで、パッと手元を見たら一輪の花が。……一慶さん、信じてない顔だ。

山本:うーん、続けて?

木津:この不思議体験を誰かに話したくて。目的だった親友宅に上がり込んで話をしたら、まぁ何言ってるのって反応になりますよね。手に持っていた花を家に持ち帰るのも気持ち悪かったので、ソイツの家に花を置いていったんです。さっきの体験を親に話しても同じ反応で、ああ誰も信じてくれないなって思って、翌日。登校中に親友に会った瞬間「なあ、つばさ! 花が消えた!」って。

山本:え、消えた瞬間を見たってこと!?

木津:うん、目の前でスゥーって消えてなくなったそうです。スマホがない時代だったからリアルタイムでやり取りできなくて、朝会った時に驚きの報告をしてくれました。

山本:えー……人生で僕が聞いた中で一番不思議で怖い体験だな。不思議すぎてちょっと引いた。

木津:だから僕はその不思議な力に生かしてもらったんだなって思いました。あの白い世界で後ろを振り向いていたら、死んでたのかもしれない。

山本:それ、量子力学かもしれない。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

木津:そう、そんな不思議な体験をしたから量子力学を調べるようになって。

山本:歴史に名を遺す偉人たちの多くは小さいころに臨死体験をしていることが多いんだって。もしかしたらアカシック・レコード的なところで情報を得ているから、今までの人類になかった突然のひらめきがあるのかもしれない。だからつばさも、もしかしたら!

木津:実はそこからの出会いもすごいことが起きてまして。憧れの人のラジオで自分が書いた手紙が読まれたとき、「役者やったらいいじゃん!」と天啓的なアドバイスをもらって。さらに、さっきの親友にアイドルのオーディション用紙を渡したんです。受けないって決めたものだったから。でもいつの間にか応募してくれてて……見事合格。それで今の僕がいます。

山本:うわーーーー! 良い話(拍手)! その親友は言葉では説明できない何かを持ってる人なんだね。

木津:本当にすごいヤツなのかもしれません。

山本:こんな話されたら、僕の不思議体験いらないな!

ーーでは“最近の『あんスタ!!』体験について”というトークテーマを山本さんにお話しいただけたらと。

山本:最近のエピソード! 『あんスタ!!』は広告もプレイしている方も、グッズを持っている方もよく目に留まりますし、こうして街にあふれて多くの人に愛されているものをやらせてもらえることは光栄だなと思っています。でもひとつ言いたいのは、なぜか僕の『あんスタ!!』のアプリだけ、オープニングでフリーズしてプレイできないんですよ。

木津:……やめます? この話。

一同:(笑)。

山本:生放送とかでやってみようってなった時も、タイトル画面から先に行ってくれない。

木津:一慶さんはもう中の人みたいなものだし、中の人が出てきちゃってるから、夢ノ咲の世界はここ(現実)なんだよ、あなたの生きてる世界は『あんスタ!!』だよっていう深~~~い話かもしれない。

山本:これが不思議な『あんスタ!!』の話、ということで!

ーー最後に、公演を楽しみにしてくださっている方へメッセージをお願いします。

木津:『ACT3』の稽古がこれから始まります。ファンの方々や、観に来てくださる方、そして日頃より応援してくださっている皆様に、何を伝えられるのか。僕たちが大切にしていることや、たくさんの笑顔を届けられるように頑張らせていただきたいなと思います。今思うのはそれだけ! 劇場にぜひ足をお運びいただけたら幸いです。

山本:『ACT3』公演ができることをとても嬉しく思います。2.5次元舞台の界隈では「原作に忠実に、原作の枠を超えずに」ということをベースにしつつ、そこにどう舞台の魅力を乗せられるかを心がけていると思います。しかし劇団『ドラマティカ』はその枠組みをあえて自分たちから壊していける、新しい挑戦の場でもあります。そういう試みってすごく素敵ですし、もしかしたら“舞台”の魅力を今まで以上に伝えることができるのではないかと大きな可能性も感じています。そんな役者たちの想いが込められた、劇団『ドラマティカ』 ACT3/カラ降るワンダフル!を全力で頑張りますので、ぜひ足を運んで頂けたらうれしいです。

(左から)山本一慶、木津つばさ

(左から)山本一慶、木津つばさ

ーーありがとうございました。

劇団『ドラマティカ』ACT3/カラ降るワンダフル!は2023年10月より東京・大阪・福岡の3都市で上演予定。

取材・文=松本裕美     撮影=山崎ユミ

公演情報

劇団『ドラマティカ』ACT3/カラ降るワンダフル!
 
■原作:『あんさんぶるスターズ!!』(Happy Elements株式会社)
■脚本・演出:伊勢直弘
■音楽:Arte Refact
■キャスト
アリス/真白友也 役:宮崎 湧
帽子屋/乱 凪砂 役:松田 岳
 
白ウサギ/逆先夏目 役:木津つばさ
 
チェシャ猫/氷鷹北斗 役:山本一慶
ネムリネズミ/仙石 忍 役:深澤大河
イモムシ/三毛縞 斑 役:横井翔二郎
三月ウサギ/七種 茨 役:橋本真一
ハートのジャック/漣 ジュン 役:岸本勇太
 
■日程・会場:
【東京公演】2023年10月17日(火)~10月22日(日)品川プリンスホテル ステラボール 
【大阪公演】2023年10月27日(金)~11月5日(日)サンケイホールブリーゼ 
【福岡公演】2023年11月17日(金)~11月19日(日)キャナルシティ劇場 
 
価格
一般 9,000円(税込/全席指定)
プレミアム(限定グッズ付き)12,000円(税込/全席指定)
 
一般発売:発売中
 
■主催:劇団『ドラマティカ』製作委員会
 
【公式サイト】https://dramatica-stage.jp/
【公式Twitter】@dramatica_stage URL:https://twitter.com/dramatica_stage
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