染谷俊之×愛加あゆ、互いの役の印象は「かわいい」？　TRUMPシリーズ最新作『マリオネットホテル』を語る

末満さんが演じるダリを見て『グランギニョル』で膨らませた

――今回、末満さんも出演されるそうですね。

愛加　そうです！　びっくりしました。

――お芝居を一緒にされたことはありますか？

染谷　いえ、お仕事で何度もご一緒させていただいていますが、共演者としては初めてです。初めて？

愛加　初めてです。

染谷　楽しみですよね。

愛加　うん、楽しみ。

――末満さんはもともとは俳優でもいらっしゃいますが、お芝居の印象もあったりしますか？

愛加　稽古の中で実際に殺陣をやってみせてくださったり、イメージを伝えるときに自分で演じたりもされるので、そういう姿は拝見していますけど、俳優として演じる姿は拝見したことがないです。でも映画『ピンポン』に出ていらしたんですよね。

染谷　え、そうなんだ！　僕は初めて「TRUMPシリーズ」に出させてもらった時に、映像で末満さんのお芝居を拝見したことがあります。初代ダリを演じていたのは末満さんなので。僕はその初代ダリを見て、『グランギニョル』で膨らませているんですよ。

――そうでした！　ダリを演じる時に末満さんになにか言われたことなどはありますか？

染谷　僕は２作品で３回くらいしか言われたことがないです。言われたことも全部覚えているんですけど。

愛加　え、すごい。

――ちなみに舞台『刀剣乱舞』などでも言われないのですか？

染谷　言われないですね。任せてくださっているからかなと思います。僕は稽古場に（演技プランを）持って行くけどこれで決定ではないです、というスタンスで挑むので、末満さんも泳がせてくれるんです。それは多分、末満さんと僕のいい関係性なんだと思います。

――愛加さんは例えばフリーダを演じた時などに言われたりしましたか？

愛加　私もフリーダの時はあまり言われていなかったです。

染谷　それは愛加さんも稽古場に（演技プランを）持って行くから。

愛加　でも今回はどうなるか（笑）。ただ「TRUMPシリーズ」って、すべての稽古を終えて、幕が開いて、お客さんの反応を見て、「すごいものをつくっていたんだな、自分たち」と実感できる作品で。それは末満さんの力だなと思うし、そう思いながら毎回ご一緒させていただいているので、今回もたくさん学びたいです。

この世界を知っていらっしゃるお客様と再会できるのも楽しみなこと

――TRUMPシリーズは15周年を迎えました。

愛加　染ちゃんはシリーズものにはけっこう参加してる？

染谷　うん。

愛加　私は自分が参加した作品で、何作も続くシリーズものは「TRUMPシリーズ」くらいなんです。だから参加する度に「ホーム」というのはおこがましいですが、ひとつの自分の居場所みたいなところに帰ってこられたような気持ちになります。同じスタッフさんとまたご一緒できるのもすごくうれしいし、この世界を知っていらっしゃるお客様と再会できるというのも楽しみなことです。

――染谷さんはTRUMPシリーズをどんな場所だと感じていらっしゃいますか？

染谷　僕、かなり天邪鬼なんです。でもこの天邪鬼さが、僕が演じるダリを形作っているんだと思います。なので……誤解を招く可能性があるかもしれませんが、このシリーズのことは大好きだけど、そこに迎合しすぎちゃうとダリを演じられなくなるというような感覚があるんですね。そういう意味で一定の距離は保つようにしています。本当は好きなんですけど。

――どっぷり浸かると違うものになるということですね。

染谷　はい。僕の中ですごくちょうどよくダリを演じられる距離があるんですよね。これを文章にするの、難しいかもしれないですけど。

――いえ、今のお話とダリが醸し出すものはとてもよく結びつきました。おふたりの『マリオネットホテル』楽しみにしています。

染谷　どういうお話になるのか楽しみにしていただけたらと思います。僕もシンプルに楽しみ。愛加さんとまたご一緒できるのも楽しみですし。

愛加　私もまた染ちゃんとご一緒できるの、めちゃくちゃ楽しみです。

取材・文＝中川實穗　撮影＝鈴木久美子

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【愛加あゆ】
衣装協力＝ワンピース¥9,890（税込・Wild Lily）、その他スタイリスト私物
スタイリスト＝津野真吾（impiger）