関西最大級の新アリーナ「GLION ARENA KOBE」が開業!神戸の海辺に誕生した野外パークエリア「TOTTEI」を含む見どころを紹介

レポート
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2025.4.11
「GLION ARENA KOBE」

「GLION ARENA KOBE」

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4月4日(金)、神戸市に関西最大級のアリーナ「GLION ARENA KOBE」が開業した。日本初の270度海に囲まれた1万人規模の多目的アリーナで、プロバスケットボールクラブ・神戸ストークスのホームアリーナとなるほか、音楽はもちろん、展示会などさまざまなイベントが行われる。館内にはVIPフロアが設けられ、これまでにない新たな観戦体験を提供。アリーナ内にはオープンテラスのある飲食店や神戸を代表するスイーツ店も併設。さらに、「GLION ARENA KOBE」を中核施設にした新港第二突堤全体のエリアは「TOTTEI」と名付けられ、アリーナの南側に面したエリアは「TOTTEI PARK」としてバーベキューの新たな食体験を提供するレストランなどがオープンする予定だ。

今回、開業に先駆けてメディア内覧会が実施され、「GLION ARENA KOBE」を含む「TOTTEI」が先行公開された。コンサートやスポーツイベントはもちろん、「GLION ARENA KOBE」や「TOTTEI」のすべてを満喫できる楽しみ方をお伝えしたい。

「GLION ARENA KOBE」

「GLION ARENA KOBE」

「GLION ARENA KOBE」(以下、アリーナ)があるのは神戸港のある神戸ウォーターフロント。神戸の中心街の南に位置する3つのエリアがあり、ハーバーランドやメリケンパークなど、多彩なショップや施設が立ち並ぶ水辺のエリアのなか、アリーナは再開発エリアとなるニューシーポートエリア(新港第二突堤エリア)にオープンする。

アクセスは電車なら阪急・神戸三宮駅から徒歩18分、阪神・神戸三宮駅から徒歩17分、JR三ノ宮駅から20分。最も近いのがポートライナー・貿易センター駅で徒歩13分となっている。バスなら新神戸や三宮とウォーターフロントを結ぶ、ポートループを使うのが便利。4月1日からは「アリーナ前」のバス停が新設されていて、このバスを使えば下車してすぐ目の前がアリーナとなっている。

ほかにも、フェリーで会場に来ることも可能。「神戸三宮フェリーターミナル」で下船すれば、アリーナは徒歩すぐ。ちなみに、このフェリーターミナルを利用する航路は小豆島や高松、さらには宮崎まで! 遠方からの来場も気軽になりそうだ。

新幹線なら新神戸駅から先述したポートループを使えば、所要時間は約25分。飛行機なら神戸空港からポートライナー・貿易センター駅で下車すれば、所要時間は約29分。車での来場はアリーナ/TOTTEIに駐車場がないため、近隣のコインパーキングなどを利用しよう。

会場に到着するとドーーーンと目の前に大きなアリーナが待ち構えている。外観デザインは「神戸から感動と興奮を発信し、世界へ羽ばたく姿」を特徴的なV字の屋根形状で表現。夜間にはライトアップでは神戸の美しい夜景に溶けこみつつ、新たなランドマークとしての存在感をしめしている。建物の敷地面積は約23,700㎡、延床面積は約32,200㎡。階数はなんと7階! 迫力ある建築デザインとなっている。

アリーナの入口ゲートは複数あるが、まずは山側2階部分にある「micware GATE」から中へ入ると、目の前に広がるのがメインコンコースだ。その奥には「KOBE CROSSOVER LOUNGE」という、アリーナとコンコースを繋ぐシンボルゲート的な役割を持つゲートがあり、バーカウンターも併設。左右にある大型サイネージはイベントごとに映像が変わり、入場して一番に目に飛び込んでくるので来場者の興奮を煽りそうだ。(一部興行時にはシャッターが閉まる場合もあり)

ゲートからそのまま中へ進むと、目の前にアリーナの景色が広がる。アリーナ内部はコの字型に座席を配置。細長い建物敷地の形状におさめることで、どの座席からも見やすく、臨場感と迫力ある観戦&鑑賞体験を楽しむことができる。

まずはスタンド席から紹介しよう。座席は2階から7階相当の高さまであり、メインスタンドとなる2~3階は固定席が4262席(車いす席は除く)。5~7階にあたるスタンドはアッパースタンドとよばれ、固定席は3986席(車いす席は除く)。2~5階のフロア間の移動はエレベーターもあるが、基本はエスカレーターを利用する。

アッパースタンドは各入口から一番後方の席までは階段でのアクセスのみ。やや傾斜がきつく、手すりは階段数段毎に設置されているので、足元に注意しながら席へ行こう。座席は折り畳み式で、各席にドリンクホルダーを設置しているので鑑賞/観戦時にぜひ利用しよう。

1階のアリーナフロアは可動席数が1166席、仮設席数が1752席。スポーツや音楽など、イベントによって配置が異なるので、こちらは各興行で確認を。

アリーナでは国内アリーナ最大級となる常設のLEDビジョンを設置するなど、演出設備にもこだわりが満載。壁面には高さ13m、幅24mの一面ビジョン、天井には全席から視認性の良い昇降可能な360度センターハングビジョンを配置。アリーナをぐるりと囲むように全長183mの長~いリボンビジョンも搭載されていて、各ビジョンが連動した迫力ある映像演出によって、観客のボルテージを上げてくれる。

さらに音響設備にはバスケットボールの本場、アメリカ・NBAで使用されているトップブランドのスピーカーを採用。世界基準のハイクオリティな音響体験を楽しむことができる。音楽イベントではこれらのビジョンや音響設備はアーティストによって異なるが、音の響きなどは緻密に計算されているとのことなので、ぜひ期待したい。

そして、アリーナで最も注目度の高い観客フロアが4階席にあるVIPフロア「KOBE 270°Club sponsored by ANA」だ。アリーナ全体を見渡せるラグジュアリーなプライベート空間が特徴的な「SUITE BOX」が18室、ダイニングゾーンと鑑賞体験を同時に楽しめる「SUITE LOUNGE」には最大で200人が収容できる。イベントの前後に専用エントランスから混雑を避けて入退場ができるもので、契約者限定の特別フロアとなっている。

最上級のプライベート空間「PREMIUM SUITE BOX」と「SUITE BOX」は内装デザインに地元神戸や兵庫のマテリアル、環境に配慮した素材を採用。コンシェルジュによる上質なホスピタリティや特製シーズナルメニューにより、イベント前後の時間も特別なひと時を過ごすことができる。

「SUITE LOUNGE」はダイニングゾーンとバルコニー席で構成。神戸牛を使ったカレーなど「カラダが喜ぶメニューを提供する」をコンセプトにした、地産地消の食材を使ったアリーナだけの特別なメニューを楽しめる。

さらにVIPフロアとは別に、B.LEAGUE神戸ストークスのホームゲーム観戦時にぜひ使いたいのが「コートサイドクラブ」という飲食ラウンジだ。一部の保有者のみが入場できるエリアで、選手の入場シーンを間近に見ることができる。さらに、館内でもここでしか食べられない神戸牛を使ったハンバーガーなどのフードメニューもあるので、ぜひチェックを。

「VIPエリアでしかフードは楽しめないの?」と思ったアナタ! 施設内にはジャンルもメニューも多彩な飲食店がそろっているので安心を! まずはアリーナ内、5階ブリッジに位置するスタンディングバー「SPORTEREA BAR」。こちらではスポーツバー感覚でビールや本格的なカクテルなどを飲みながら試合を楽しむことができる。

アリーナ内にはフードスタンドも豊富にそろっている。しかも嬉しいのが、ガッツリ飯からスイーツまで種類豊富! 「HAF」では神戸で人気のスイーツ&ベーカリー「ル・パン総本店」のメロンパンにオリジナル生クリームを挟みこんだメロンクリームパンが登場。たっぷりの肉が乗った肉盛り丼も見逃せない。

「SWISH TASTE」では思わず写真を撮りたくなる”すとーくす”文字のチュロスが登場。食べながらチームも応援できる、一石二鳥なスイーツだ。ほかにも「ZAKZAK」ではホットドック、「MARINA KITCHEN」ではそばめしや豚まんなどを販売。

フードだけでなく、神戸ストークスと「TOTTEI」がコラボしたフラッグシップストア「TOTTEI INDIES STORE」もオープン。「TOTTEI」オリジナルグッズをはじめ、神戸のおみやげや地元生産者とコラボしたものなど、神戸ストークスファンでなくとも立ち寄りたくなるセレクトショップだ。こちらはイベントの開催がない日でも一般に向けてオープンしているので、ぜひチェックを。

さらに、2階のメインコンコース、4階のスイートフロア、5階のアッパーコンコースそれぞれに、展望デッキも設置されている。デッキからは目の前に海や山、街の風景がひろがり、夜になると美しい夜景も楽しめる。

「GLION ARENA KOBE」の楽しみ方はこれだけではない。アリーナの館内には10店舗の飲食店がオープンする。1階には「ユーハイム本店別館」(カフェ)、「淡路屋のおもうつぼ」(そばとめし処)、「坂の上のとり~ごはん&グリル~」(大人の定食や)、「KOBE Bay Catch」(海鮮レストラン)、「KOBE NOOK CAT.」(カレー)、「神戸 南京町 皇蘭」(中華)、「神戸イタリアン WABISABI VERDE」(イタリアン)。2階には「NO.13」(カフェ)、「神戸 サクレフルール」(ステーキビストロ)、TOTTEI STAND BUOY」(カフェ&バー)とジャンルも様々。いずれもイベント開催の有無に関わらず、誰でも利用することができる。

なかでも注目が、日本で初めてバウムクーヘンを焼いたことでも有名な洋菓子店「ユーハイム 本店別館」だ。物販と74席のカフェを併設した同店舗では、神戸市から特別住民票を交付された「バウムクーヘンAI職人 THEO(テオ)」を3台設置。店内で焼き上げたバウムクーヘンを食べ放題で楽しめるメニューのほか、規格外のバウムクーヘンを活用したクラフトビール、ドイツ風ホットドックなどの店舗限定メニューを展開。

ほかにも店内では、ジェラート発祥の地・イタリアの老舗ジェラートショップの「Badiani(バディアーニ)」も出店。本格的なジェラートはテイクアウトもできるので、ぜひ本場の味を楽しんで。

アリーナの南側、海や「TOTTEI PARK」を望める「神戸 サクレフルール」は神戸初出店のオーシャンビューレストラン。豪快に焼き上げた塊肉のステーキが自慢で、フランスのソウルフード「ステックフリット」やワンハンドのビストロサンドが味わえる。これからの時期、オープンテラスでの食事も気持ちがよさそうだ。

「GLION ARENA KOBE」に隣接する屋外パークエリア「TOTTEI PARK」は広場全体を劇場に見立て、エリア内に”緑の丘”状の建物が建設される。こちらは4月25日(金)に竣工予定で、建物内にはバーベキューの新たな食体験を提供するレストラン「EN³ TOTTEI BBQ(エンスリー)」も6月20日(金)にオープンする予定。屋内空間でも様々なイベントが開催予定とのことなので、続報はぜひ公式サイトをチェックしよう。

神戸ウォーターフロントの新たなランドマークとなる「GLION ARENA KOBE」、そしてアリーナを中核施設とした新港第二突堤全体の「TOTTEI」エリア。4月4日(金)から5月3日(土)までは「新たな船出を祝う30days」をテーマとするオープニング月間「Turning point30」を開催。4月5日(土)、6日(日)にはプロバスケットリーグB.LEAGUEに所属する神戸ストークスの初戦が行われ、4月20日(日)、21日(月)には2024-25シーズン最終戦が。

4月12日(土)、13日(日)にはMAN WITH A MISSION、4月23日(水)、24日(木)には韓国のアイドルグループ・TREASUREによる日本単独コンサート、4月26日(土)、27日(日)にはMISIA、4月30日(水)にはアメリカのポップパンクバンド・オフスプリング、5月2日(金)、3日(土)には地元出身のあいみょんによる公演が予定している。音楽やスポーツ、神戸の最先端エンターテインメントがここから始まるのは間違いない。

取材・文・撮影=黒田奈保子

連載情報

連載『神戸アリーナプロジェクトを動かす人々』
1:「GLION ARENA KOBE」の“中身”を考えるキーパーソンたちは、いったいどんな仕事をしているのか
https://spice.eplus.jp/articles/329095
2:「GLION ARENA KOBE」に携わる若手ホープたちはどのような経歴を歩んできたのか
https://spice.eplus.jp/articles/330054
3:『神戸アリーナプロジェクトを動かす人々』第3弾――周辺施設・átoaが見据えた、アリーナの熱気が生み出す街効果
https://spice.eplus.jp/articles/335329

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