関西の女性をもっと美しく! ヘアショー出演の意義など美容師のリアルに迫る『御堂筋ビューティーコレクション』12サロン座談会part.1
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左から堀尾愛莉(UNHAIR)、北山誠(LaBless)、葉山有美(MODE K's)、伊勢田奨(遊人REN)
TALK2/当日のステージを通して全美容師にワクワクしてほしい
UNHAIR by shiomiH・スタイリスト/堀尾愛莉さん
LaBless 大阪梅田・代表/北山誠さん
MODE K's松原店・店長/葉山有美さん
遊人REN・店長/伊勢田奨さん
──サロンの最前線で活躍されているみなさんにお集まりいただきました。サロンワークをされている中で関西におけるビューティーの傾向や、こういうオーダーが多いなど感じられていることはありますか?
お家でも再現出来る艶髪、くびれヘア(横尾)
堀尾:神戸エリアになるのですが、ヘアのデザインだけでなく、自宅での再現度やカラーの色もち・ツヤを重視して来てくださる方が多い印象がありますね。
大人のトレンドハイライト(北山)
北山:それ、わかります。うちは昔からヘアケアに力を入れていて、その点を重視されるお客さまが多かったのが、さらに増えた感じがします。それとブリーチに対する抵抗がなくなってきているのか、ハイライトを入れたり派手めのカラーをされる方も増えました。職場での規定が変わって明るい髪もOKになってきたというのは、全国的にもあるのかなと思います。
葉山:カラーは自由度が増している感じ、本当にあります。デザインの傾向としては「私に似合うスタイルを提案してください」というリクエストが増えました。パーソナルカラーを把握しているお客さまだったら「この色は似合わないので避けたいです」とか。あと、質感で言うとドライな感じが選ばれています。
空気をたっぷり取り込むドライ質感(葉山)
──ドライですか? ちょっと意外な気もします。
葉山:ウェットヘアが流行って、そのうちオイルも重めより軽めが選ばれるようになってきていたので、そのうちドライな質感に切り替わるだろうなとは思っていました。想像の範囲内ではあります。
レイヤーカット(伊勢田)
伊勢田:メンズで言えば、圧倒的にパーマ需要が増えたなと感じています。これもまた会社の規定が緩和されてきたんだと思います。女性は圧倒的にレイヤーカットですね。海外のSNSで流行しているスタイルを取り入れたいというお客さまが多いなと思います。
左から堀尾愛莉(UNHAIR)、北山誠(LaBless)、葉山有美(MODE K's)、伊勢田奨(遊人REN)
──サロンワークでトレンドを肌で感じつつ、これまでの『御堂筋ビューティーコレクション』はどのように関わられてきたのか、またはどんなことを得られたのか伺えますか。
堀尾:私は今年初参加です。これまで先輩のステージを観てきて、いつか出たいと思っていたので今年出演できるのは本当にうれしいです。
UNHAIR by shiomiH・スタイリスト/堀尾愛莉
──おぉ、それは楽しみですね! 他のみなさんは?
北山:僕はも初めてです。同じステージに上がる他のサロンのみなさんがキャリアのある方ばかりだったので、出演するためにとにかく練習に励んだんです。その「とにかく技術を磨く」経験が、自分の糧にもなるし感性のアップにもつながるということに気がつきました。『MBC』に出演すること自体が美容師としてのひとつの武器になっています。
葉山:武器っていうのはわかります。ただ私の中ではサロンワークと『MBC』は全くの別枠なんです。サロンワークは絶対にお客さまのため、『MBC』で見せたいクリエーションは自分のため……というか、スタッフのためかもしれないですね。スタッフに美容師としての可能性を開いていきたいとか、デザインを作る楽しさをわかってほしいみたいなところがあるなと考えています。
MODE K's松原店・店長/葉山有美
──サロンワークは、お客さまの要望に応える場所?
葉山:そうですね。お客さまをどれだけ幸せにできるか。ヘアショーは、自分を表現してそれを後輩に見てもらう場所かなぁ。
──ちなみにみなさん、今年はどんなステージに出演されるのでしょうか。
堀尾:私は1部のヘアカラーステージに出させてもらいます。デザインカラーでいこうかなと思っているんですけど、実はお店ではデザインカラーをあまり推してはいないんです。ある意味で挑戦です。
LaBless 大阪梅田・代表/北山誠
──でも、こういうこともできるよっていう提案でもありますし! 楽しみですね。
北山:僕もヘアカラーステージに出ます。サロンワークとは違って思い切ったこともできるし、また違う角度のデザインもできるかなと思っています。
葉山:私は一番の花形ステージと言われている1部のプロフェッショナルステージに出ます。実はこのステージにずっと出たかったんです。ここに出たくても、サロンの規模が大きいからなかなか出演枠に入ることも難しくて。19歳の誕生日に初めて『MBC』を観に行って、そこで「私もこれに出たい!」と思ったんです。
昨年のプロフェッショナルステージの様子
──夢のステージなんですね!
葉山:はい。この子なら出せると思ってもらえるようにとにかく経験を積もうと頑張ってきました。サロン内でプロフェッショナルステージの出演枠を競うオーディションがあるのですが、何度も落ちて。ようやく今年、出演の権利をもらえたんです! もうだから、ステージでは思いっきり切ります。とにかく出られることに興奮しています。
伊勢田:ステージにはそれぞれサロンの代表が監修として入って、構成を考えるんです。今年でいえば僕も出演するプロフェッショナルステージの監修を、弊社の代表の伊勢田(穣)が務めます。ヴィダルサスーンという超モード系のサロンの出身なので、かっこいいステージにしたいのだろうなという気合いを感じています。かなり攻めた、今までにないステージが出来上がるだろうと思っています。
遊人REN・店長/伊勢田奨
──なるほど。みなさんはサロンの中では上の立場です。でも業界全体としてはたくさんの先輩方もいらっしゃるし、たくさんの後輩もいらっしゃる。そんな中で、ステージ上でアピールしたいことはありますか?
堀尾:私は、ぜひ後輩に観てほしいと思っています。サロンとしてデザインカラーを強く打ち出してはいませんが、デザインカラーをやりたいと言っている後輩がたくさんいるんです。その子たちに頑張ればやれるよ! と示すことができたらうれしいです。
北山:僕も後輩に観てほしいですね。店舗が違う後輩もたくさんいるんですが、店が違うと普段見せられないこともたくさんあるんです。だからぜひ、この機会に。
伊勢田:僕は、上の方々には「俺らの世代がおるよ!」ということをアピールしたいです。ここまでやれるスタッフがちゃんといるということを知ってほしいといいますか。そして後輩たちに関しては、最近デザインとかクリエイティブなことに興味のある子が減ってきているなと感じているんです。だからこそ僕らがステージでデザインと向き合うキラキラした姿を見せることで、何かを感じてもらえたらいいなと思います。
昨年のスタイルコレクションステージの様子
──そして最後、葉山さんは。
葉山:今回は完全に美容師に届けたいなっていうのがあるんです。私のためにステージに立ちます(笑)。と言いつつ美容師の可能性を広げたいっていうのはもう絶対なのと、あとは若手にも上の人たちにも“美容師であること”にワクワクしてもらいたいなと思います。「やっぱりデザインを作るのって楽しいな」とか、「美容師ってこんなことまでできるんや」とか、ワクワクしてほしい。もうホンマに、ただただワクワクしてほしいです!
取材・文=桃井麻依子 撮影=福家信哉