LOVEBITESが『ブルーマングループ2025新宿公演』に登場　ボーカルAsamiに聞く、自分たちの魅力や公演への意気込み

ロック、アート、コメディを融合した唯一無二のショー『ブルーマングループ2025新宿公演』が2025年8月6日（水）～8月31日（日）にTHEATER MILANO-Za（東京都新宿区）で開催される。2007年に日本で初上演されて以降、国内の本公演ではゲストボーカルを迎えたことがなかったが、今年は初めて、ゲストボーカルを迎えることが決定。謎の青い男たちと共に、“ディーバ”としてステージに立つLOVEBITESのAsamiに意気込みを聞いた。

「ブルーマングループ」はアメリカ・ニューヨークの中心にある繁華街のひとつ・マンハッタンで1991年に誕生。顔を青く縫った3人のメンバーによる路上でのパフォーマンスは大きな注目を集め、全世界で5000万人以上を熱狂させている。言葉を使わないステージとして知られるが、日本以外の国ではボーカルを招いたショーも展開。国内では2007年に音楽イベント『SUMMER SONIC』に出演した際、歌手の倖田來未と競演を果たしている。コロナ禍の中断を経て、2年連続開催となる東京公演では、ワールドワイドに活躍する女性ヘヴィメタルバンド、LOVEBITESのボーカルAsamiを招くことが発表された。

ーーオファーを受けた時の印象から教えてください。

アメリカに拠点を置いていた頃に、広告を見たことがありました。ニューヨークの街中にも大きな広告はあったので、お話をいただいた時は「あのブルーマンか！！！」という印象でした。当時は劇場で観るチャンスはなかったのですが、みんなが知っている存在でした。バンド内ではギターのMidoriが観に行ったことがあったので、とても喜んでいました。

ーー「ブルーマングループ」のパフォーマンスについては、どんな風に感じていましたか。

パイプを叩いて音を鳴らすことは知っていたのですが、よく見るとパイプの長さや形状が違っていて、それらを巧みに使い分けることで音の変化を付けていることに気づいて、細かいことをやっているなと思いました。私たちのライブもほとんどMCなしで、サウンドを楽しんでもらうことがコンセプトなので、サウンド勝負というところは意外に似ているのかなって思います。

ーー「ブルーマングループ」のシニアミュージックディレクター（音楽監督）のバイロン・ステップ氏は、Asamiさんについて「圧倒的な歌唱力」と「英語力」、「低音の美しさの中に色気がある」と絶賛され、依頼に繋がったと聞きました。

うれし過ぎます。女性は高い声、ハイトーンボイスは出やすいのですが、低音は埋もれがちなんです。ライブでバンドの爆音を背負っていると特にそうで、その中で低音がどれだけ抜けるかというのは、私自身が大事にしていることで、声の出し方を研究していました。

ーーLOVEBITESは2016年に結成。17年のメジャーデビュー後は、国内外で活躍しています。バンドを結成する前はどのような活動をされていたのでしょうか。

私は元々R&Bやソウルを歌っていて、UVERworldやVAMPSなど、様々なアーティストのライブでサポートコーラスをしていました。ボーカルの声に寄り添うように歌うこと、支えることはとても難しく、このポジションに誇りを感じているので、今でも続けています。その中で「Asamiちゃんの声はロックに向いてる」と言っていただいたこともあり、ある時、今のプロテューサーから「メタルを歌ってみない？」と声をかけられました。最初は「えっ？」って思ったんです。私自身、ロックを歌う所までは想像できたんですけど「メタル？？？」ってなったので。だからプロデューサーに、「MCとかで“お前らーー！！”とあおったりとか、デスボイスも出来ません！！」って伝えました。

ーー慌てぶりが可愛らしいです。

お客さんも鎖をジャラジャラ付けた怖そうな人が多いんじゃないか。衣装も黒のイメージだったので「黒もちょっとアレなんです」って言って……。でも先に本音を伝えたら「そのままで良い。演じなくて良いよ」って言っていただいて、それで最初から自分のキャラクターのままでいられるならって、スタートしました。でも最初はライブの時にスピーカーに足を乗っけるのも抵抗がありました……。「えっ。ここに足を乗せるの？？？」って。初期の頃から応援してくださっているファンの方からは、「最初の頃は面白かった」ってよく言われるんです。MCも「本日はお足元が悪い中……」とか言っていたので。

ーーいまの迫力があるパフォーマンスからは、想像出来ません。ギャップ萌えですね。

うちは他のメンバーもみんな、そういう感じなんです。お酒も5人全員飲めなくて、普段は「アフタヌーンティー行こう」って声を掛け合っていますし。

ーーなるほど。話を戻しますが、「ブルーマングループ」のステージでは、ドナ・サマーの「I Feel Love」を歌唱されますね。

はい。先ほどお話ししましたが、R&Bがルーツにあるので、ソウルに重きを置くのか、それともメタルシャウト系で行くのか、いま考えているところです。私は、顔を青く塗らなくて良いんですよね？？？

ーー大丈夫だと思います（笑）。

どんな衣装にするか考えるのも楽しいです。ブルーマングループと競演する機会はなかなかないですし、LOVEBITESのファンの人も、ぜひ観に来てほしいです。ブルーマングループのファンの方の中には、初めてメタルと出合う人もいるかもしれないので、パワーがある歌唱をして、メタルの魅力を伝えたいです。

ーー日本で上演されて来た「ブルーマングループ」のファンの方も、ボーカルが入ったスタイルは初めて目にすると思うので楽しみが倍増すると思います。

初めてと聞くとプレッシャーも感じてきましたが、初めてのこともその中に入り込んで、楽しむタイプなので、ブルーマングループの世界に入って私も楽しみたいです。

ーーそしてAsamiさんや、LOVEBITESに魅了された方にはうれしいお知らせがありますね。2026年3月29日（日）に東京・日本武道館で『LIVE AT BUDOKAN』と題したライブが決まりました。

念願の武道館。夢のまた夢と思っていて、口にも出来なかったんですけど、デビューから3、4年経った時に「行けるんじゃないか」と思って、その時に初めて「武道館に立ちたい」と口にしました。口にしたらやらなきゃいけない。私たちももちろん立ちたい場所でしたが、おこがましいですが応援してくださっているみんなを、武道館に連れて行きたい！　という思いが強いです。

ーー最初に“念願”と口にされましたが、武道館にはずっと憧れがあったのでしょうか。

サポートで立ったことはあったのですが、自分がフロントウーマンとして立つということは考えたことがありませんでした。なので、その時とは全然ちがう感情です。でも先ほどもお話ししましたが、私が中央に立ちたい！　という思いよりも、ファンの人とあの空間を共にしたいという気持ちです。武道館を口にしてからは、私たちもファンの人もそのためにお互いやってきたと思うので、みんな一緒に泣いちゃうと思います（笑）。

ーーライブに行ってみたいなと思っている読者のために、LOVEBITESの魅力について教えてください。

私たちは音源はもちろんですが、ライブに自信があります。音源を上回ってやろうという思いでステージに立っているので、絶対にガッカリさせないですし、1度観たら好きにさせる自信があります！

ーーバンドの顔とも言える、Asamiさんの声は、ご自分でどのようなものと感じていますか。

自分で言うのもなんですが、唯一無二のものと思っています。ルーツとしてあるR&Bやソウル、様々なバンドでコーラスを務めた経験が、自分にしか歌えない歌になっていると思います。LOVEBITESは海外でのライブ経験も多くあって、現地で手配されているはずの機材が届いていなかったり、イヤーモニターから音が聴こえないとか、毎回トラブルだらけなんです。最初はテンパって何も出来なくて、悔しいと落ち込んだりもしましたが、他のメンバーとも10年近く一緒にいるので、いまは「どうにかなるでしょ」と慌てなくなりました。前のヨーロッパツアーの時も、「モニターから何も聞こえない」ところから始まって、「でもやろう！」とすぐに切り替えられた。精神的に強くなったと思います。

ーー「ブルーマングループ」のステージは二度と同じことがない。その公演限りのやりとりがあるのも魅力です。その度胸強さもかわれたのかもしれませんね。

予想もしていなかったことが起こる可能性があるのが、コラボレーションのステージ。もしかしたら私もブルーマンと一緒にスティックでドラムを叩いているかもしれません。新しい試みなので、どういうサウンドが生まれるのか、ぜひライブで楽しんでいただきたいです。そしてLOVEBITESに興味を持って下さった方は、ぜひ武道館にお越し下さい！　私たちの最大の夢が叶う瞬間なので、素晴らしいステージにしたいです。

取材・文＝翡翠　　　　　撮影：篠塚ようこ