『坂東玉三郎特別公演』が京都・南座にて開幕 コメント&公演写真が到着

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2025.6.13
左より、小波津亜廉、坂東玉三郎

左より、小波津亜廉、坂東玉三郎

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2025年6月12日(木)南座にて、松竹創業百三十周年『坂東玉三郎特別公演 竹久夢二生誕百四十年記念』が開幕した。

演目は、玉三郎がお客様にご挨拶を申し上げる『口上』、早世した女性の命の儚さを静かに表現する珠玉の地唄『残月』に続いて、昭和59年に中日劇場・新橋演舞場で上演した『夢二慕情』を映像作品として新たに撮り下ろして披露。最後に、竹久夢二の生誕百四十年を記念し、夢二の代表作である絵画から着想を得た『長崎十二景』を上演する。歌舞伎界を代表する女方である玉三郎と、美人画で一世を風靡した、大正ロマンを象徴する画家・竹久夢二の融合によって描き出される優美な世界を楽しもう。また、南座1階川端ロビーでは、竹久夢二「長崎十二景」の複製パネル展示を行い、劇場全体で夢二の世界を堪能できる趣向になっているという。

南座1階右ロビー 展示

南座1階右ロビー 展示

左より、小波津亜廉、坂東玉三郎

左より、小波津亜廉、坂東玉三郎

公演に先駆けて囲み取材を実施され、坂東玉三郎、小波津亜廉が意気込みを語った。初日公演のオフィシャルレポートならびに意気込みコメントが到着した。

公演レポート

『口上』
たくさんの拍手と「大和屋!」という大向うに迎えられ、鮮やかな金屏風の前に、裃姿で登場した坂東玉三郎。ご来場の皆様に御礼を申し上げた後、撮りおろしの映像『夢二慕情』について「映像『夢二慕情』で竹久夢二さんの歴史をご覧いただきましてから、続けて『長崎十二景』をお楽しみいただくことで、竹久夢二さんのことをよりお分かりいただけることと思います」と紹介しました。

『残月』
月明かりに照らされ、静かに佇んでいるのは憂いを帯びた様子の玉三郎。三味線と筝の音色にのせて、短く生涯を終えた女性の儚さを表現します。切なくも美しい地唄舞に、客席からは感嘆のため息が漏れました。

〈映像〉『夢二慕情』
玉三郎が扮するたまき、彦乃、お葉、そして語り手の語りによって夢二の半生を描く、撮りおろしの映像作品です。「夢二式」とも称される美人画のモデルとなった三人の女性との生活から、夢二の考え方や生き方を垣間見ることができます。夢二の才能を支えた三人の女性の語りに、観客は耳を傾けました。

『長崎十二景』
竹久夢二の絵画『長崎十二景』をモチーフに、唯是震一の組曲と舞踊が一体となった作品です。夢二の美人画に描かれるような優美な女性が舞台上に現れ、小波津亜廉演じる男との逢瀬を楽しむ様子を情緒的に描きます。玉三郎が演じる可憐な女の仕草に客席から笑みがこぼれる一方、男が別離を告げる場面では、男を慕う女の仕草や表情が胸を打ちます。世界観溢れる舞台に、客席からは大きな拍手が送られ幕となりました。

『口上』坂東玉三郎

『口上』坂東玉三郎

『残月』坂東玉三郎

『残月』坂東玉三郎

『長崎十二景』左より、小波津亜廉、坂東玉三郎

『長崎十二景』左より、小波津亜廉、坂東玉三郎

坂東玉三郎 囲み取材コメント

撮りおろしの映像『夢二慕情』は、元は岩谷時子さんが書いた芝居で、夢二に巡り合った女の人が、それぞれ夢二の生涯を語っていきます。映像に続いて『長崎十二景』を上演させていただくことで、夢二の世界を感じていただきやすいのではないかと思います。今回は、福田美術館、夢二郷土美術館の協力もあり、ロビーに作品の複製パネルの展示をさせていただいています。映像『夢二慕情』、『長崎十二景』と併せて、詩人でもあった夢二の理想の世界、妄想の世界をお楽しみいただければと思っています。

小波津亜廉 囲み取材コメント

玉三郎さんとご一緒させていただけることは幸せなことで、受け身にならないよう、夢二の絵の情緒感を表現できればと思っています。今年1月の大阪松竹座公演では、高揚感と緊張感がありましたが、玉三郎さんが「自由に」と仰ってくださったことで肩の荷が下りて、公演を重ねるごとに「今日はどんな表情が見れるのかな」と楽しみが増していきました。今回の南座公演は期間も長いので、毎公演新鮮に、外国の男の色気や、音楽に乗りながら、その瞬間を生きることができればと思っています。

『長崎十二景』左より、小波津亜廉、坂東玉三郎

『長崎十二景』左より、小波津亜廉、坂東玉三郎

『坂東玉三郎特別公演 竹久夢二生誕百四十周年』は、6月22日(日)まで上演。

公演情報

松竹創業百三十周年
『坂東玉三郎特別公演 竹久夢二生誕百四十年記念』

 
日程:2025年6月12日(木)~22日(日)【休演】17日(火)
劇場:南座
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