土田英生がチェーホフ作品を大胆に潤色 山内圭哉、千葉雅子らとともに『チェーホフを待ちながら』を上演
まつもと市⺠芸術館プロデュース『チェーホフを待ちながら』
2025年11月より、まつもと市民芸術館 小ホールと、KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオにてまつもと市民芸術館プロデュース『チェーホフを待ちながら』が上演されることが決定した。
『かもめ』『三⼈姉妹』『桜の園』などで知られるロシアの劇作家、アントン・チェーホフ。チェーホフの作品には、本心とはどこかズレたまま交わされる会話や、誰にも届かずに宙に浮いたようなやり取りが幾度となく描かれている。怒っているのか、寂しいのか、自分でもはっきりしないまま、同じ話を繰り返したり、ふいに黙ってしまう登場人物たち。“何も起こらない”と形容されることもあるその作風だが、何気ない会話や沈黙のなかに滲み出る人間のもどかしさやおかしみこそが、大きな魅力のひとつ。
土田英生
そんなチェーホフがもっとも愛したといわれる演劇が、“ヴォードビル”と呼ばれる⼀幕喜劇。テンポよく進む洒脱な会話のなかに人間の本質が鋭く描かれ、笑いながらも、ふとどこか身につまされる……時代が変わっても揺るがない“人間の真実”を見つめた、初期の一幕喜劇たち。本作では、『熊』『煙草の害について』『結婚申込』『余儀なく悲劇役者』のエッセンスを、劇団「MONO」主宰の土田英生が大胆に潤色。オムニバス形式の作品として、軽妙なやり取りのなかから日常に潜む不条理やズレをすくい上げ、笑いの中に人間の悲哀をにじませる会話劇を得意とする土田ならではの語り口で、チェーホフ珠玉のヴォードビル作品群に、新たな息吹を吹き込んだ。2003年・2009年にMONO特別企画として上演された作品が、松本の地で再び動き出す。
出演に名を連ねるのは、舞台を知り尽くした俳優たち。
中島らもが率いた「笑殺軍団リリパットアーミー」の中心メンバーとして活躍し、笑いにひそむ毒も自在に操る柔軟さと鋭さをあわせ持ち、舞台はもちろん、NHK大河ドラマ『青天を衝け』の岩倉具視役など映像でも強烈な印象を放つた山内圭哉が、土田作品に初参加する。
山内圭哉
続いて、自身の主宰する劇団「猫のホテル」で作・演出も手がけ、淡々とした確かな演技からふいに生み出す爆発的な可笑しさが魅力の千葉雅子。土田とは「舞台製作事業」を共に立ち上げて以来たびたびタッグを組んできた、いわば信頼のおけるパートナー。
千葉雅子
さらに、本作の初演、再演にも出演している劇団「MONO」劇団員の金替康博が、天然ともとれるとぼけた空気感と絶妙な間合いで観客の心をくすぐり、劇団「ナイロン100℃」所属で、少年役から妖艶な女性役まで自在に演じ分ける表現力で声優としても活躍する新谷真弓が、キュートでパンチの効いたスパイスを効かせる。
金替康博
新谷真弓
松本からは、劇団「シアター・ランポン」代表の武居卓が、持ち前の粋の良さと憎めないキャラクターで参戦。そして、劇団「ナイロン100℃」の屋台骨であり、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』などでも唯一無二の存在感を漂わせるみのすけが、飄々とした佇まいからにじむユーモアと、ふと垣間見せる繊細な狂気をたずさえ、舞台の輪郭を変えていく。
武居卓
みのすけ
そんな、一筋縄ではいかない不条理とナンセンスの名手たちが松本の地に集い立ち上げる、じわじわ笑えてクセになる、“ちょっと⾵変わりなチェーホフ作品”をおくる。
公演情報
原作:アントン・チェーホフ
脚本・演出:土田英生
出演:山内圭哉、千葉雅子、金替康博、新谷真弓、武居 卓、みのすけ
日程:2025年11月6日(木)~9日(日)
会場:まつもと市⺠芸術館 小ホール
⼀般:4,500 円 U25:2,000 円(枚数限定・前売のみ)
障がい者割引:4,000 円(障害者⼿帳をお持ちの⽅)
※未就学児入場不可
※U25(25歳以下)
《障がい者割引の注意事項》
*購⼊時に障害者⼿帳をご提示ください。
*移動に介助が必要な方には、介助者1名につき⼀般料⾦の 50%を割引いたします。
*まつもと市民芸術館
【神奈川公演】
日程:2025年11月12日(水)~16日(日)
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 〈大スタジオ〉
⼀般:6,000 円 U24:3,000 円(枚数限定・前売のみ)
※未就学児入場不可
※U24(24 歳以下)
後援:松本市、松本市教育委員会
提携:KAAT 神奈川芸術劇場 (神奈川公演)
企画制作:まつもと市民芸術館
助成:⼀般財団法人地域創造(松本公演)
お問合せ:まつもと市民芸術館
TEL.0263-33-2200 FAX.0263-33-3830