しゅーず「求めてくれる人がいる限り、歌い続けていこうと思います」 活動15周年を締めくくるワンマン、Zepp DiverCity(TOKYO)公演をレポート

レポート
音楽
2025.7.24
しゅーず

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Shoose Oneman Live 2025 -Re:member-
2025.7.12 Zepp DiverCity(TOKYO)

歌い手・しゅーずが、2025年7月12日にZepp DiverCity(TOKYO)にて『Shoose Oneman Live 2025 -Re:member-』と題したワンマンライブを開催。活動15周年イヤーを締めくくるに相応しい集大成的なセットリストに新たな挑戦も添え、響かせた歌声はあまりにも艶やかで美しかった。

刻まれる秒針の音にBGMが重なり、バンドメンバーがスタンバイしたステージに颯爽と現れたしゅーず。グレーがかったショート丈ブルゾンにブラックのカーゴパンツを合わせたカジュアルコーデが、すらりとしたスタイルによく映える。

しゅーず

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繊細なフェイクに始まり、しなやかで柔らかで切なさをたたえた歌声、澄んだファルセットでまず心を掴んだのは「セカンド・キス」だ。のちのMCで2017年8月に東京キネマ倶楽部で行った初のワンマンライブ『La Precieuse』の1曲目に歌った曲だと明かされた「セカンド・キス」に続いたのは、その初ワンマンで披露したという「恋愛フィロソフィア」。しゅーずのイメージカラーである青のペンライトが客席で大きく揺れて、リスナーの歓喜がひしひしと伝わってくる。

しゅーず

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「ようこそお越しくださいました!みなさんの声を聴かせてください!」としゅーずが呼びかけ、リスナーが大きなクラップや掛け声で応えた「ミリオンダラードリーマー」。歌いだしで客席がどよめき、手を振ったりハートマークを贈ったりファンサたっぷりなしゅーずに観客が沸きに沸いて全力コールした「ファンサ」。ワンマンライブとしては1年とちょっとぶり、久々に直で浴びるリスナーの愛と熱気に、しゅーずもとびきりの笑顔を見せる。

しゅーず

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「あらためまして、しゅーずです。大きい舞台は約1年ぶりです。15年を振り返る今日のライブ、久々の方にもはじめましての方にも楽しんでいただけるようにいろいろ準備していますので」

期待が膨らむ言葉から、「次はしゅーずという名前が知られるようになった曲です」と前振りし、はだけたジャケットから美ラインの肩をのぞかせながら歌ったのは「ハレンチ」。<逃げ出そうなんて無理じゃん>と繰り返す「Highway Lover」にしても、スポットライトに照らされピアノ伴奏のみで歌い始めた「U」にしても、色気が大爆発だ。

しゅーず

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バンドメンバー渾身のインストゥルメンタルをはさみ、今回のライブのキービジュアルと同じディープグリーンのスーツで現れ、がなり声も交えて狂気的で破滅的な愛をぶちまけるように歌った「プロポーズ」。顔の半々を紫と緑、赤と青の光が照らす照明演出も鮮烈で、巻き舌も絶好調だった「ヴィラン」。儚さが際立っていた「夏蜘蛛」。しゅーずのライブは、どうしたって感情がジェットコースターになる。

しゅーず

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しゅーず

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「この衣装でかっこいい曲を3曲お届けしてみました。一緒に歌ってくださる方もたくさん見えて、僕も泣きそうになっちゃいました。いやぁ……15年続けてきたものってほかにないんですよ。15年歌い続けてこられたことも、こうしてたくさんの人の前で歌わせていただくことも、あたり前のことじゃないんです。みなさんに感謝しています。数多いる歌い手の中でしゅーずを選んでくれて、本当に嬉しいです」

しゅーず

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客席を見渡しながら、あらためてリスナーへの感謝を言葉にしたしゅーず。「ここ最近はあまり歌えていなかったけど、僕はバラードが好きなんですよ。あと数曲、バラードを歌いたいと思います」と告げて、祈るように歌った“つながり”がテーマの「またねがあれば」、アコースティックギターとピアノの伴奏でていねいに気持ちを重ね歌ったスキマスイッチの「奏」のニューアレンジバージョン。しゅーずの歌声が響くなら、いつだってどこにいたって心はつながっていられる。あらためて、そう信じることができた。

しゅーず

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「僕の原点はバラードにあると思って歌わせてもらいました。みなさんが呼んでくれれば、僕はいつでも戻ってまいりますので。求めてくれる人がいる限り、歌い続けていこうと思います」

バンドメンバーの去ったステージでたったひとりキーボードの前に座り、そう宣言したしゅーずは、阿部真央の「いつの日も」カバーで人生初のピアノ弾き語りに挑戦。奏でる1音1音に心を込めて、真心で愛を歌うしゅーず。胸がいっぱいになる本編ラストだった。

しゅーず

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白のオフィシャルグッズTシャツにカーゴパンツを合わせ、メガネをかけてグッズのミニフラッグを手に再登場したアンコールは、椎名林檎のデビュー曲「幸福論」でスタート。しゅーずのカバーには、オリジナルへの敬意と真っすぐな好きがあふれている。

しゅーず

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しゅーずも観客も一緒にフラッグを振りコール&レスポンスが巻き起こった「マンティス▽クライシス」、驚愕ボリュームの大合唱に彩られた「崩壊ホークアイ」へ。アンコールでとんでもない一体感が生まれてしまった結果、バンドメンバーからの提案による「ファンサ」と「ミリオンダラードリーマー」のまさかの“おかわり”も、リスナーにとって生涯忘れられない思い出になったはず。歌をリスナーを心底愛するしゅーずの歌声は、これまでもこれからもリスナーの人生に寄り添い、その輝きが失われることはない。

しゅーず

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文=杉江優花
撮影=堀卓朗[ELENORE]

セットリスト

Shoose Oneman Live 2025 -Re:member-
2025.7.12 Zepp DiverCity(TOKYO)

1. セカンド・キス
2. 恋愛フィロソフィア
3. ミリオンダラードリーマー
4. ファンサ
5. ハレンチ
6. Highway Lover
7. U
8. プロポーズ
9. ヴィラン
10. 夏蜘蛛
11. またねがあれば
12. 奏
13. いつの日も
[ENCORE]
14. 幸福論
15. マンティス▽クライシス
16. 崩壊ホークアイ
17. ファンサ
18. ミリオンダラードリーマー
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