BLUE BOUQUETが紡ぐ新たな成長と絆の物語開幕! ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロレポート
ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ写真
サンリオによる新世代の本格ファンタジープロジェクト「フラガリアメモリーズ」の舞台化第2弾、ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~が11月21日(金)に、東京・シアターHにて初日を迎えた。前作では赤の大陸を守るフラガリアの騎士たちの物語が描かれたが、今作では青の大陸のフラガリアの騎士たち【BLUE BOUQUET(ブルーブーケ)】の絆と戦いを描く。本記事ではゲネプロの様子をお届けする。
BLUE BOUQUETが向き合う、主(ロード)を守るという使命
ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ
フラガリアの騎士の務めは、主(ロード)と主が愛する国を守ること。しかし、“守り方”は一つとは限らない。それぞれが覚悟を示し、自分なりの守り方を選んだ先には、どんな空が広がるのか。青の大陸らしい透明感と、サンリオ作品ならではの優しさの中に、彼らの覚悟がじわりと立ち上がってくる2時間15分だ。
全編を通して描かれるのは、クロミの騎士見習いとなったクロード(広井雄士)の成長の物語。クロードの兄・メロルド(安藤夢叶)は「最強の騎士」として名高い人物。劣等感を抱えながら、自分の居場所を探して放浪していたクロードは、青の大陸でひょんなことからクロミの騎士試験に参加することに。補欠合格となったクロードは、同国で出会ったウィッシュミーメルの騎士・ウィルメッシュ(北園涼)、こぎみゅんの騎士・ミュンナ(新谷聖司)とともに、クロミの見習い騎士として、青の大陸を取り巻くシーズの脅威を目の当たりにしていく。
ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ
一方、天才騎士として名を轟かせるシナモロールの騎士・シエロモート(植田圭輔)は、独自のやり方で大陸をシーズから守ろうと動き出す。同じ頃、リトルツインスターズに仕える双子騎士のクラークステラ(田中涼星)とルタールステラ(塩田一期)も、シエロモートとは違ったやり方で主と国を守ろうと動き出していて……。
ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ
楽曲数はリプライズも含めて、全24曲。前作を上回る曲数の楽曲によって、彼らが持つ形の違う“守りたい気持ち”が紡がれていく。フラガリアの騎士たちが抱くそれぞれの騎士道が、安定感抜群の歌声に重なり、作品の世界観を広げていく。覚悟や葛藤を歌うしっとりとした楽曲で聴かせたかと思えば、思わずクスッとしてしまう面白くて元気いっぱいな楽曲、各国の色を反映したポップな楽曲まで。各曲がキャラクターの胸の内や国の色をそっと引き出し、物語が進むごとにそれぞれの騎士道を自然と感じ取れる構成になっていた。
クロードの成長が導く、物語の核心
クロード役の広井雄士(ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ)
見習い騎士となったクロードの成長を軸に描かれる本作。クロード役の広井は、以前実施したインタビューでクロードの「等身大な魅力が詰まっているところ」が大好きだと笑顔で語ってくれた。そして、「カッコつけずに真正面から兄への嫉妬心や劣等感と向き合っていきたい」とも。
クロード役の広井雄士(ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ)
その言葉から想像するよりも何倍も、熱くまっすぐで全力なクロードが舞台上で躍動していた。芝居、歌、さらにはアクロバットまで。広井自身がこれまで努力で積み重ねてきた技術と持ち前のまっすぐさが、逃げずに立ち向かうクロードの姿を説得力あるものにしていた。まさに広井のハマり役といえるだろう。
クロード役の広井雄士、メロルド役の安藤夢叶(ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ)
本作のもう一つの大きな軸となっているのが、シエロモートを中心に結ばれるブルーブーケの絆だ。柔和な笑みと語り口ながらも、その奥に圧倒的なカリスマ性と強さをにじませるシエロモートを植田がさすがの貫禄で好演。作品を重ねる度に深みを増す歌声とともに、そのまとうオーラで天才騎士たる所以を示す。
シエロモート役の植田圭輔(ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ)
物静かなシエロモート同様、秘密を抱えふわりと佇むのはウィルメッシュ。多くを語らないながらも、北園の歌声は雄弁。ウィルメッシュの抱える感情の一端を、穏やかな眼差しとともに届けてくれた。
ウィルメッシュ役の北園涼(ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ)
双子ならではの2人きりの世界観が印象的だったのは、クラークステラの田中とルターステラの塩田。セリフのないふとした瞬間にもアイコンタクトを取り、他の騎士と一緒にいても、まるでそこだけ違う時間が流れているよう。本当に星の上に腰掛けているかのような、軽やかな芝居で存在感を示した。
ルタールステラ役の塩田一期、クラークステラ役の田中涼星(ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ)
物静かな騎士が多い青の大陸において、クロードと一緒に場に賑やかさとかわいさをプラスしていたのがミュンナ役の新谷。少しぶっきらぼうなクロードを笑顔でエスコートする姿は健気そのもの。誰もが応援したくなる一生懸命なミュンナ像で、作品を明るく照らす。
ミュンナ役の新谷聖司(ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ)
本作には、RED BOUQUETからハルリット(酒寄楓太)、メロルド(安藤夢叶)、リミチャ(大見拓土)、サナー(山野 光)が、NOIR BOUQUETからタッサム(岩崎悠雅)とピケロ(磯野 亨)が登場する。
ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ
タッサム役の岩崎悠雅、ピケロ役の磯野 亨(ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ)
物語と観客をつなぐ立ち位置として、コミカルに作品を盛り上げ、出番は多くないながらも爪痕を残していた。前作は映像出演だった岩崎と磯野による小気味よいテンポの掛け合いもお見逃しなく。
ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~Promise of Love~ゲネプロ
異なる騎士道を持つフラガリアの騎士たちは、本物の絆を結ぶことができるのか。そして見習い騎士・クロードは本物のクロミの騎士になれるのか。それぞれの“守りたい気持ち”が交差する瞬間と、「フラミュ」ならではの多幸感を、ぜひ劇場で体感してほしい。
取材・文・撮影=双海しお
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