日本フィル in Kyusyu 2016 第41回九州公演

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クラシック
2016.1.26

実力者が渾身で臨む、九州ツアー

 40年間継続しているとは本当に凄い。日本フィルが2月に第41回九州公演を行う。指揮は快進撃を続ける下野竜也、ソリストは実力・人気を兼ね備えた小山実稚恵(ピアノ)と宮田大(チェロ)。中でも10年ぶり2回目登場の下野は鹿児島出身で、学生時代は「日本フィルの公演を楽しみにしていた」(九州公演の記者会見より/以下同)だけに、思いのこもった演奏が期待される。

 「過去5年のツアーで取り上げていない名曲(下野)」から周到に選ばれたプログラムは2つ。

 まずは、グリンカ《ルスランとリュドミラ》序曲、ラフマニノフが十八番の小山の中でも「一番付き合った期間が長い」ピアノ協奏曲第2番、「鹿児島大学時代に取り上げた曲で、近年日本フィルがラザレフのもとで成果を上げている作曲家(下野)」ショスタコーヴィチの交響曲第5番が並んだ“ロシア・プログラム”。ショスタコのシリアスな高揚感はもちろん、雄大かつ繊細でロマンあふれる小山のラフマニノフは必聴だ。

 もう1つは、モーツァルト《フィガロの結婚》序曲、宮田が「沢山思い出があり、チェロで歌う曲」と語る、同楽器の大看板であるドヴォルザークの協奏曲、「ブラームスの性格が実は明るくて朗らかであるのが見え隠れする(下野)」交響曲第2番という“中欧プログラム”。こちらは下野の濃密な表現と、チェロ界のホープの妙技や清新な歌心に耳を傾けたい。

 ソリスト2人が口を揃えて「演奏は会場の響きや雰囲気で毎回変わる」と話すように、7県10公演の複数鑑賞も一興。パッションと堅牢さを相もつ下野&常に全力投球の日本フィルがおくる白熱のライヴに、ぜひ足を運ぼう!

文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)
 


日本フィル in Kyusyu 2016 第41回九州公演
2/5(金)〜2/17(水)大分、唐津、福岡、長崎、佐賀、北九州、大牟田、熊本、鹿児島、宮崎
※九州公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください
http://www.japanphil.or.jp

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