「本当の意味でヤバかった」帝王・オジー・オズボーンの伝説

コラム
音楽
2015.7.22
Ozzy Osbourne

Ozzy Osbourne

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『OZZFEST JAPAN 2015 』​特別コラム

世間は夏フェス一色の今日この頃である。

“夏”というのはやはり特別な高揚感を感じさせてくれる。子供の頃もやはり冬休みより夏休みの方が断然楽しみであったし、恋愛方面でも、熱く盛り上がったり過ちを犯したりするのは、決まって夏だ。だからただでさえ高揚感に満ちた場である、ロックフェスと夏とが相乗効果を生むのは必然なんだろう。

ただし、フェスが行われるのは夏に限った話ではない。特に今年は晩秋にドデカいフェスが控えている。それはメタルとラウドの祭典・『OZZFEST JAPAN 2015 』。

夏というフィルターを透過せずとも十分燃え上がるメンツが集うオズフェス。もっとも、このジャンルのフェスを真夏にやった日には熱中症的な意味で大変なことになりそうなので、肌寒いくらいの開催時期がベストなのかもしれない。

SPICEではこのオズフェスに大注目。本番に向けてニュースやコラムでドンドン取り上げたいと思っている。第一回目となる今回は、まずこのお方を取り上げておかなければなるまい。

もちろん本フェスの盟主、オジー・オズボーンである。

 

日常において、“ヤバい”という言葉はあまり好意的には使われない。普通「あの人はヤバい」といったら「あの人は変人ですよ、近づかない方が良いですよ」くらいの意味である。ただ、音楽――特にロックの世界ではニュアンスが違ってくる。

「今回のアルバムはヤバい」「あの人のギタープレイは超ヤベえ」……文字に起こすと、とんでもなく偏差値の低そうな字面になってしまったが、ことロックの形容詞においては「ヤバい」≒カッコイイ・クールといったプラスのイメージで使われると考えて良いだろう。この図式が成り立つのはロック以外だとヤンキーの世界ぐらいだ。

そんな「ヤバい」が「カッコイイ」世界においてなお、本当の意味で「ヤバい」否、「ヤバすぎる」伝説の数々を持つ男が、前述のオズフェス主催者でありメタルの帝王・オジーなのだ!

 

数々の伝説を持つ男・オジーだが、一番破壊力があって、かつ笑える(?)エピソードといえば、『オジー、ライヴ中に生きたコウモリの頭を噛み千切り、病院送りに』ではないだろうか。

仮に現在、ヤフーニュースのトップあたりにこんな見出しが出ていたら、絶対に即チェックする自信がある。というか爆笑する。他にも『オジー、生きた鳩を食べる』『オジー、文化遺産で立小便』などが有名であるが、やはりコウモリの件が色々衝撃的だ。

そもそもアルコール依存やら薬物やらで、奇行が目立つ彼なのだが、コウモリ事件の顛末はこうだ。

もともとライヴ中に生肉を客席に投げるというパフォーマンスをしていたオジー。この時点で意味不明なのだが、客席も盛り上がり、ツアーを重ねていくうち爬虫類や猫の死骸(本物もオモチャもあったそう)が投げこまれるようになっていった。そんなある日、客席から生きたコウモリが投げ込まれたのだが、このコウモリがステージ照明におどろいたのか全く動かなかったため、オジーはオモチャだと勘違いしてしまったらしい。

もともと悪魔的なイメージを好み、体現してきたオジーである。コウモリを拾い上げるや、ガブリと食らいつくパフォーマンスを見せた!!……のだが、それに驚いたコウモリが突如暴れたため、あせった彼は「勢い余って食いちぎってしまったんだ」。

コウモリは狂犬病や破傷風など致死レベルの病原菌を多く持っている生物であるため、オジーはあえなく病院に担ぎ込まれ、その後何本も血清の注射をうちながらツアーを回る羽目になったのであった。

こういった破天荒なエピソードばかりが語られがちな彼ではあるが、ブラック・サバスのフロントマンとして、あるいは伝説のギタリスト、ランディ・ローズを見出した者として、ハード・ロックやメタルの世界に与えた影響は計り知れない。それに御年66歳、いまだ現役でフェスを主催しステージにも立つなど、ロック界においてもはや生ける伝説といって良い存在となっている。また、狂気の行動の裏でシラフの時はとても優しい一面を持っていたり、ナイーヴだったり、近年では私生活をそのままTV番組にしてしまうという仰天企画で新たな表情を見せたりと、なんだか憎めないところも彼の魅力であることを付け加えておきたい。

ちなみに今年のオズフェスに出演するメンバーを見渡してみると、HYDE直筆キャラクター「CHUPACABRA」に代表されるように、随所にコウモリをフィーチャーしているVAMPSや、ファーストタトゥーの柄にするくらいコウモリが好きなMAHがヴォーカルを務めるSiMら、コウモリにちなんだバンドがチラホラ。

VAMPS

VAMPS

SiM

SiM

まさか彼らがオズフェスでコウモリを食いちぎるパフォーマンスを再現!?……とは思わないが、それぞれの出演バンドの共通点や、好みの相似などに気付いたり思いをはせるのもまた、フェスの楽しみ方の一つ。

オズフェス本番に向け、各種情報が出次第、随時お知らせしていくとともに、読み物として面白いネタがあればドンドン書いていきたいと思う。

少しテーマとズレるけど「本当にヤバかった」ロック伝説とかも面白いかもしれないな。

 
『OZZFEST JAPAN 2015 』
日時:2015/11/21(土)・22(日)
会場:幕張メッセ(千葉)
出演者:
11/21(土) KoЯn 【HEADLINER】 / Evanescence / Bullet for My Valentine / Of Mice & Men / VAMPS (NEW) / ONE OK ROCK (NEW) / SiM (NEW) and more...
11/22(日) Ozzy Osbourne & Friends featuring Geezer Butler from Black Sabbath (NEW) / Tom Morello from Rage Against the Machine (NEW) / Zakk Wylde from Black Label Society (NEW)【HEADLINER】 / A Day To Remember / Black Label Society / BABYMETAL (NEW) / Fear, and Loathing in Las Vegas (NEW) / 人間椅子 (NEW) / 9mm Parabellum Bullet (NEW) and more...


 
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