近鉄アート館で演劇と音楽の祭典「VIVA！ ミュージックアート館2016」開催

音楽にも演劇にも両方適した、アート館の良さを活かしたお祭企画。

昨年、劇場再オープン1周年を記念して「VIVA！ ミュージックアート館2015」というイベントを催した、あべのハルカスのお膝元にある劇場［近鉄アート館］。「音楽のある演劇、演劇のある音楽」をテーマに、音楽色の強い演劇や、演劇人が企画する音楽ライブなどの様々なステージが繰り広げられた。連日大入りだったというこのイベントの第2弾が開催されることが決定し、その記者発表が行われた。

オープニングを飾るのは、前回も登場した後藤ひろひとpresents『Drunken Songbook』。後藤、ぼんちおさむ、大西ユカリという芸達者な3人を中心に、多彩なジャンルの音楽にまつわるトークとライブ演奏を繰り広げる。前回は松崎しげる＆石野真子というまさかの大物ゲストを招いて驚かせたが、今回も「それに匹敵するぐらいすごいレベルの人と交渉中」（後藤）というから、続報を期待して待とう。

3番手となるのは「ミュージックアート館」初参加となる、関西を代表するギャグ芝居の名手・伊藤えん魔のプロデュース公演『兄貴歌／アニソン！』。様々な有名アニメキャラたちが絡む物語を、ロックアレンジしたアニメの名曲に乗せて見せていく本格的な音楽劇だ。「関西にはプロミュージシャン級の腕を持つ役者がゴロゴロいるので、一つバンドができるぐらいのメンバーを集めました。ルパン三世から涼宮ハルヒまで、全世代を代表するようなキャラクターたちが登場する愛憎劇です」（伊藤）。

ラストを飾るのは、前回参加組の「うたげきシリーズ」の第2弾『喜劇 男と女たちの挽歌』。今回は落語家の桂あやめ、女道楽師の内海英華、ものまね芸人のめぐまりこのユニット「オジョウサンズ」を中心に、彼女らが定期的に開催するイベント「女芸人キャバレーナイト」のスペシャル版として上演する。往年のドラマ『プレイガール』がモデルのコメディ＆歌謡ショーで、前回も出演したNON STYLE石田が再びゲストで登場するのも見ものだ。「70年代の昭和歌謡を中心に、しっかりした喜劇を見せます。まず石田君は（この3人の中の）誰のもんなんや？ というのが気になるところでございます」（桂）「石田君は初めて落語を観たのがあやめさんで、すごく（共演を）楽しみにしてるんです。だから濡れ場がしたいと思いますよ（笑）」（めぐ）「お芝居はまったくの素人。キャバレーナイトでもいつも2人から言われるままにしてるので、今回も一つお手柔らかにお願いしたいと思います」（内海）。

この他にも、会見には出席しなかったけど、あと2つのステージもあり。前回も参加したキムラ緑子＆大谷亮介のベテラン俳優2人のユニット「Dolly＆Tanny」は、今回大谷が「劇団☆新感線」出演中のため、前回ゲスト出演したロックミュージシャン・ROLLYを代わりに加えた「Dolly＆Rolly」で『Dolly＆Rolly LIVE OSAKA』を上演。キュートでちょっとエッチな大人のライブステージを見せてくれるそうだ。

またジャズヴォーカリストの顔も持つ女優・高泉淳子も『高泉淳子ジャジカルホット倶楽部 Special Live Show!!』で、このイベントに初登場。粋な歌詞を付けたジャズを披露するとともに、「文学座」のホープ・釆澤靖起とのリーディング＆歌にも挑戦する。高泉にとってアート館は、名物ライブステージ『ア・ラ・カルト』でおなじみの劇場。勝手知ったる空間ならではの、スペシャルなステージが期待できそうだ。

全公演が生演奏の舞台なのはもちろん、フリースペースの近鉄アート館だからこそな三方囲みステージを、それぞれがいかに上手く使いこなすかも見どころなイベント。音楽好きも演劇好きも、両方に見応え（聴き応え）のある演目の数々を、1つでも多く観に行ってみて。