舞台『PREMIUM 3D STAGE 残響のテロル』松村龍之介、石渡真修「ただのアニメ原作舞台ではない」

2016.2.26
インタビュー
舞台
アニメ/ゲーム

石渡真修、松村龍之介 撮影=菊池貴裕

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舞台『PREMIUM 3D STAGE 残響のテロル』。都庁爆発から始まるセンセーショナルなこのアニメーションの舞台化。しかも3Dを使ったステージということで話題を集めているが、主人公であるナイン役の松村龍之介、ツエルブ役の石渡真修に稽古場の雰囲気、作品に対しての思いを直撃した。インタビュー場所は勿論”都庁”、アニメ原作舞台の枠で捉えきれない、若手人気俳優二人の「本気」とは。

――稽古がすでに始まっているということで、稽古場の雰囲気はいかがですか?

松村龍之介(以下、松村):仲が良すぎるというか……

石渡真修(以下、石渡):年齢の差が結構あって、一番下って誰だろう。

松村:僕が一番下で、一つ上が真修と(桃瀬)美咲ちゃんだから、結構バラバラなんですよ。僕らと20代後半、30代半ばとか、幅が広かったりするんですけど、年齢差を感じさせないくらい和気藹々としてて。『残響のテロル』の稽古内容とは全然違う関係性で。

石渡:で、お芝居の稽古の時は集中してね。

――演出の奥秀太郎さんもすごく気合いが入ってると、以前インタビューでおっしゃってたんですけど、演出面ではいかがでしょう。

石渡:2つ前の舞台『BLOOD-C~The LAST MIND~』で奥さんと一緒にやらせてもらった時よりは、それぞれのキャラクターで「こうしてほしい」っていう部分がはっきりとしていて。すごく分かりやすく、こっちも納得できるようなことを提示してくださるので、すごくやりやすいです。

松村:奥さんが『残響のテロル』をすごく好きなんだなっていうことが伝わってくるんですよ。僕らキャスト陣もこの作品が好きでファンだとは思うんですけど、奥さんも同じくらい、もしくはそれ以上に原作を愛していて。一つのシーンとっても、どう表現するかっていうことをすごくこだわっていて、熱もすごく感じるので稽古も楽しいですし。奥さんと意見を摺り寄せて稽古をしていくので本当に充実していますね。

石渡:よく話し合うよね。

松村:うん。

石渡:話し合って方向性を決めていくんですよ。

松村:それは本当に有意義な時間ですね。

――今回アニメ原作ということで、おそらくアニメの方もご覧になってると思うんですけど、作品に対する最初の印象っていかがでしたか?

松村:単純に“続きが気になる!全部見終わったあとはジブリ作品を見た後の感じに似ていて。僕、ジブリを見た後ってふわ~っと不思議な気持ちになるんですよ。何かをしたい衝動に駆られるというか。『残響のテロル』を見終わった時も、そんな余韻がすごく自分の中に残ってて……その時夜だったんですけど、外に出て散歩しました(笑)。

石渡:すごいね(笑)。

松村:風を感じたくなって(笑)。上手く表現できないけど、“ほえ~”ってなって、後からじわじわ自分の心に残って。ナインとツエルブの最後も衝撃的だったし、すごいものを見てしまったなって感じました。

石渡:僕も龍之介くんと同じ意見なんですけど、それに加えて絵がすごく綺麗だなって。他のアニメと違って、人物とか後ろの情景の絵とかがすごく細かいんですよ。本当はこれ実写でやりたかったんじゃないかと思うくらい、ドラマも人間的でアニメっぽくない作品だなと思いました。ツエルブ役のお話を頂いてからアニメを見たんですけど、この役をやりきれば自分の役者としてのキャパが増えて、壁を一つ越えられるなと思いました。

――以前お二人の話を奥さんに伺ったんですけど、役者としてのステップアップという面では二人の挑戦になるのかもしれないとおっしゃってて。すごく期待されているんだなと思ったのですが、ご自身は実際に感じてたりしますか?

松村:すごく感じますね。奥さんは良い意味で個性的な方で、僕が想像していた斜め上のことを提示してくださるのですごくやりがいがあります。奥さんが求めているものと、僕たちが役者としてキャラクターをどう演じるかっていう部分を摺り寄せていくっていうことがすごく面白くて。その時は熱を感じる瞬間でもありますし、楽しいと思える瞬間でもあり、本番はまだですけどナインを演じることができてよかったなって思います。

石渡:奥さんが、『残響のテロル』の参考になるよっていろんな映画を紹介してくれて、稽古場で上映会をしたりしていて。今回『残響のテロル』をやるだけじゃなく、舞台を通してキャストたちをより成長させてくれようとしているのを感じて。期待もすごく感じるので、それに応えたいですね。

撮影=菊池貴裕

――お二人ともアニメが原作の舞台に多々出られていると思うんですけど、その中でも今回の『残響のテロル』ってストーリーが異質というか。いわゆるアニメ原作の舞台っぽくないところが多々あると思うのですが、そのあたりの差を感じることはありますか?

石渡:全然違うよね?

松村:うん。

石渡:アニメ原作舞台をたくさんやってきたんですが、どちらかというとキャラを演じて“かっこいい”とか“かわいい”とか、エンターテインメント性が強かったんです。演技の間にしても、テンポがよくてたまにコミカルなシーンもあって。でも今作のお芝居は本当に異質で、間をすごくとるんです。一人一人の会話をすごくリアルに再現していて、舞台だったらポンポンポンと会話をすればいいところを、わざと本当の会話の間に近づけて、喋ってる言葉が自然と出てきたような話し方になるんで、ちょっと雑になっちゃうとすぐにバレちゃうんですよ。繊細に組み上げていかないと、その場が成り立たないっていうお芝居なんです。

松村:良い意味で、アニメ原作っぽくない舞台だなって思いますね。原作がアニメなことに変わりはないんですけど、テーマは社会派なものですし、さっき真修くんも言ってたエンターテインメント性のある分かりやすい面白さというよりは、観ている方たちに考えさせたり投げかけることが多いなって。例えば、敵と正義のヒーローがいて、敵を倒して「わーい!」っていう感じでなく、それぞれの正義があって、それぞれの生い立ちやストーリー、目的があって。その中で核というかテロっていう大きなテーマを中心に渦巻いているんですよ。観に来てくれたお客さんたちも考え方や価値観が人それぞれだと思うんで、それぞれの考えていることが正解で。それは演じている方も一緒で、いろんな提示の仕方や受け取り方がある複雑な舞台になるんじゃないかなって思います。

――では、共演者の皆様に対しても一言づついただきたいなと思っていて。ナインとツエルブに対して言うと、3人目の主人公と言ってもいいかもしれない柴崎役を演じる、滝川英治さん。お二人とも共演経験はあるんですか?

松村・石渡:あります。

――ご本人の印象はいかがですか?

松村:時々錯覚しちゃうのが、今英治さん30代半ばくらいなんですけど、僕の2~3歳上の先輩だと思うときがあって。

石渡:若いよね!

松村:英治さんにも「俺年上な感じしないんだよね」「大学の先輩の気持ちだわ~」って言われたこともあったり。確かに英治さんにそう言われたらそう思いますって(笑)。年齢差を感じさせない雰囲気作りを素でしていて、距離感を感じさせない人ですね。

――そして、行動を共にする三島リサ役の桃瀬美咲さん。ナインとツエルブにしろ、バディものだと思うんですけど、3人目のメンバーとして動いていきますね。

石渡:今回は台本の内容としてツエルブとリサが絡むシーンが多くて。龍之介は、攻殻きどゅおうたい……

松村:きどゅおうたい……?

石渡:うん、きどゅおうたい!(笑) 『攻殻機動隊』で共演してたんですけど、僕は初対面で。最初に会った時はめちゃめちゃ絡みづらかったですね。人見知りでバリアを張っちゃって、それこそリサみたいな感じで。でも今回たくさん絡むからと思って、頑張って話しかけてみたら全然そんなことなく、同い年なんですけどすごくいい子だなと思いましたね。リサみたいにちょっとお転婆というか、急にケツ蹴られたりしますけど。

松村:それ、俺な。

石渡:それ僕の指示(笑)。でもたまに蹴られてるよ。

松村:そんなん軽くじゃん。俺ガチだから……。

石渡:空手をやってたみたいで、こいつ(松村)のケツが空いたなって思うと、ちょっと頼んで(笑)。

松村:なぜか、シバかれてるんですよ。

――ケツが空いたなっていいですね(笑)。

松村:冗談が通じるくらい仲良くなりましたね。前回共演した時は、役的にも絡みがなかったので。真修のおかげで仲良くなれました。

石渡:こじ開けたよね(笑)。

松村:こじ開けてくれたおかげで(笑)。僕も人見知りなんで、真修に頼ってる部分はすごくあるんですけど。

石渡:本当に人見知りだよな~!

松村:真修に対しては全開なんですけど、他の人に対しては急に閉じちゃうんで、真修が開けてくれた道を歩くという(笑)。

石渡:僕は開ける係みたいです。

――そういう部分もナインとツエルブに近いんじゃないかなと思います。原作も、あまり人と接しないナインに対して、人当りの良いツエルブっていうことに関しては、ベストキャストなのかもしれないですね。続いて、アニメ版でも同じ役をやった、ハイヴ役の潘めぐみさん。

石渡:破天荒だよね?

松村:破天荒という言葉じゃないかもしれない……明るいというか……わー!って感じ(笑)。

石渡:お茶目?

松村:そうだ、お茶目。

石渡:ふざけてるというか、場を明るくしようとしてくれてますね。

――聞いている限り、ほのぼのしているというか、すごく良いチームな雰囲気が感じられます。

松村:ツエルブ、ナイン、リサ、ハイヴを元にふざけあったりもしつつ、良いチームになってきています。

――今回は『攻殻機動隊』に続き、3Dで舞台をやられるということで。以前の舞台で3Dでやってみた時はいかがでした?

松村:やっている時は自分で体感できるものじゃないので、なんとも言えないんですけど、客席のみなさんが3Dメガネをかけている光景を見た時はすごく新鮮でしたね。客席に出るシーンもあったんですけど、メガネをかけているから、みなさんがどういう感じで観ているのか感情が読み取れなくて不安になった時もあったんですよ。でも、真修とかは客席で観てくれていて、「すごかった」って言ってくれたんで、嬉しい反面自分で体感できないのが悔しかったですね。

――お稽古だったりゲネプロなどで苦労した部分はありましたか?

石渡:どうだったの?

松村:僕はスナイパーの役だったので、僕の芝居というよりは、照準とか映像に合わせるという感じだったのでとても斬新でした。普段の舞台とは違って、尺とか角度とか位置とか細かい制約があったんで、すごく脳を使いましたね。

撮影=菊池貴裕

――先ほどインタビュー前に撮影もしまして、都庁前で撮影を行ないましたが、作品の中でも都庁はシンボリックに出てきます、実際都庁を目の前にしていかがでしたか?

石渡:これを爆破しようと思ったナインとツエルブはおかしいなと(笑)。東京の中心にあるものを爆破させると……そりゃあニュースになりますよね。

松村:だからこそやったんだろうなっていう感じはしました。シンボルだし。初めてマジマジと都庁を見ましたけど、あの位置から見上げた時の圧迫感や大きさはすごいなと実感して。これがいざ、アニメで見た時のような爆発が起きると、ナインとツエルブの一つの大きな証になることには納得がいくなぁと思いました。

石渡:ちょっと壊してみたいって思ったもん。

松村:それは、役に入りすぎてるかもしれない(一同笑)。テロリズムはよくないね。

――では最後に読者のみなさんに見所とメッセージをいただけたらと思います。

石渡:アニメの原作と良い意味で違って、それぞれのキャラクターの中身や心境がセリフによって表されてて、アニメでは言えなかった気持ちが聞けるかもしれません。あと、バイク演出というものがあるのと、3Dによってシーンがすごくドラマチックになると思います。内容もエンタメ性もあって、すごく楽しめる作品になってると思うので楽しみにしていてください。

松村:さっき真修くんが……真修くんって言うとちょっと痒いですけど。

石渡:あははは(笑)。最初は真修くんだったけどね。

松村:他の作品とは一線を画する作品だと思っていて、ただのアニメ原作舞台としては観てほしくないなぁと。作品のテーマや演出も他と全然違うっていうのもあるんですけど、今回派手なアクションやダンス、歌っていうものを度外視したお芝居メインの舞台なので、舞台上に立ってる人たちの細かい表情や仕草や間のとり方とか、いろんなものを感じ取ってほしいです。セリフで語る以上にそれぞれの想いを内に秘めているキャラクターが多いので、音だけで聴くよりかは、目と音と……全身で作品の世界観をまるごとじっくりと味わっていただけたらなと思います。

撮影=菊池貴裕

 

撮影=菊池貴裕  インタビュー・文=加東岳史  

 

公演情報
PREMIUM 3D STAGE「残響のテロル」​
 



日時:2016年3月2日(水)~6日(日)
会場:Zeppブルーシアター六本木
演出:奥秀太郎
脚本:熊谷純
【出演】
ナイン: 松村 龍之介/ツエルブ:石渡 真修/柴崎:滝川 英治/ハイヴ:潘 めぐみ/三島リサ:桃瀬 美咲/羽村:井深 克彦/倉橋:郷本 直也/六笠:かぬか 光明/クラレンス:チャド・マレーン/大沢:吉川 麻美
Performer
中山孟 / 菅原将暉
石田清志郎 / 鈴村悠 / 昌赫 / 古波倉要
安宅陽子 / 尾藤亜衣 / 藤井陽子 / 野村涼乃

 

 

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