二人の女、二つの時代を結ぶ真実の愛とは。深津絵里・中村七之助が主演「ETERNAL CHIKAMATSU」公開ゲネプロ
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深津絵里「ETERNAL CHIKAMATSU」
3月10日(木)からBunkamura シアターコクーンにて「ETERNAL CHIKAMATSU」-近松門左衛門『心中天網島』より-が上演される。すでに上演が終了した大阪公演では、初日からスタンディングオベーションとなった本作、東京公演初日を目前にして9日(水)に公開ゲネプロが行われた。
やむをえない事情で売春婦として働く現代の女・ハル。かさむ加齢と減らない借金に苦しみつつも「金のため」と割り切って働いていた。唯一の心の支えは足しげく通ってくる客・ジロウの存在。ジロウは妻子持ちだったがいつしか二人は恋に落ちていた。だが、ジロウの兄イサオに強引に別れを迫られ、金に汚い商売女と一方的にののしられたハルは別れを決意。自暴自棄となって街をふらつくハルは「蜆川」の橋の上で思いもよらぬ人物に出会う。その人物がいうにはここはかつて遊女の涙であふれたという伝説の川。ハルはいつしか近松門左衛門が描く古い古い恋の物語、そして自分自身の過去の物語へと引き込まれていく…。
「ETERNAL CHIKAMATSU」
ハルを演じる深津絵里。商売女としての表の顔で心の奥に本当の想いを押し殺していたが、江戸時代に遊女として生きる小春(中村七之助)が愛する男のために選んだ人生を通して徐々に自らの本心をさらけ出していく。当初は小春の行く末を見守ることしかできなかったハルに「変化」が表れてからの深津の演技にグイグイ引き込まれていく。一方、遊女・小春を演じる七之助のひたすら耐え忍ぶ女の姿。こちらも胸が苦しくなるくらい切ない。二人がいつしか重なり合っていく終盤は見ごたえ抜群だ。
「ETERNAL CHIKAMATSU」
2つの時代を行き来しながら進むストーリー、舞台セットの転換、また舞台奥で生演奏されている音楽それぞれがどれもこの上なく美しい。これは観る側だけでなく出演する側にとってもやりがいのある作品だろう。谷賢一の本、そしてデヴィッド・ルヴォーの演出作品に出演したい、と手を挙げる役者が数多くいるのも無理もない話だ。
「ETERNAL CHIKAMATSU」
「ETERNAL CHIKAMATSU」
この物語のラストに待っている真実の愛の形とは何か、ぜひ劇場で確認していただきたい。
■日時・会場:
2016年3月10日(木)~2016年3月27日(日) Bunkamuraシアターコクーン
■作:谷賢一
■演出:デヴィッド・ルヴォー
■出演:
深津絵里 中村七之助/伊藤歩/中島歩 入野自由 矢崎広 澤村國久
山岡弘征 朝山知彦 宮菜穂子 森川由樹/中嶋しゅう/音尾琢真
■公式サイト:http://www.umegei.com/schedule/514/