スターレス髙嶋が金属恵比須にゲキ推しコメント! “ジャパニーズ新世代プログレ”のフェス開幕迫る

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2016.3.16
STARLESS AND KINZOKU-YEBIS(撮影:山中善正)

STARLESS AND KINZOKU-YEBIS(撮影:山中善正)

「21世紀のプログレッシヴ・ロック」が集結

3/19(土)に、「新世代への啓示 21st Century Prog Rock Stars FEST Vol.1」というロック・フェスが吉祥寺CLUB SEATAで行われる。Prog Rock(プログ・ロック)という呼び名は聞き慣れないかもしれないが、プログレッシヴ・ロックの略称として、いちおうグローバル・スタンダードである。しかし、日本でそれを口にすると「欧米か」と突っ込まれそうなので、便宜上ここではプログレという略称を使うことにしよう。前述のフェスは、要するに“21世紀 新世代プログレ フェス”というわけだ。

プログレというと1970年代前半のほんの一時期だけ栄華を極めた、長くて複雑で面倒くさいロック、という認識が一般的だろう。80年代には完全に絶滅したと思われていたが、インターネット時代に突入すると、“昔の名前”で次々と息を吹き返し、一部の世代を中心として無視できないロングテールの“市場”が成立するようになった。しかし、さすがに半世紀近く前のロックということもあって、当時のスターたちが少しづつ現役を退き、また、つい最近もあったように、大物の訃報が後を絶たない。ある意味、“危機”に瀕している。

そんな中、岩本晃市郎編集長率いる専門誌「ストレンジ・デイズ」が中心となって「21世紀のプログレッシヴ・ロック」が提唱されるようになった。20世紀プログレの先達が築いた偉大な功績を継承しながらも、そのうえに更なる新しいオリジナリティを塗り重ねる試みが、21世紀以降、世界各地で着目されるようになった。具体例としては、ポーキュパイン・ツリー(イギリス)、フラワー・キングス(スウェーデン)、アネクドテン(スウェーデン)、ユーゲン(イタリア)、etc. そして日本では、Yuka & Chronoship金属恵比須などが、そこに分類される。

かくて、その岩本晃市郎氏の呼びかけにより、日本の「新世代プログレ」バンドを集めたイベントが行われることとなった。冒頭に紹介したフェスだ。ここにはまさに、Yuka & Chronoship金属恵比須、そしてFANTASY ROCK ORCHESTRA feat. Mizukiという3団体が出演する。

出演バンドはみな女性ヴォーカル

Yuka & Chronoship(ユカ&クロノシップ)は、女性プログレ・アーティスト船越由佳(key/vo/compose)を中心に、作詞家・プロデューサーとしても名高い田口俊(b)、宮澤崇(g)、田中一光(ds)によって2009年に結成された。2011年に1stアルバム『Water Reincarnation』を、2013年に2ndアルバム『DINO ROCKET OXYGEN』(アート・ワークはロジャー・ディーン!)をフランスのプログレッシヴ・ロック・レーベルMUSEAからリリース。 2015年9月にCherry Red Recordsからリリースした3rdアルバム『The 3rd Planetary Chronicles(第三惑星年代記)』でイギリス・デビュー。2013年の初の海外公演以来、毎年、フランスやイタリアで開催されているプログレ・フェスティバルに出演している。

Fantasy Rock Orchestraは歌唱力抜群の女性ヴォーカル、Mizuki(22歳)をフロントにした5ピースのバンド。美しいメロディとしっかりとした演奏力がウリ。

そして、SPICEではすっかりお馴染みとなった感もある金属恵比須を改めて紹介しよう。1996年高木大地を中心に結成。2006年、メキシコの世界最大プログレ・フェス「 Baja Prog 2006」に日本代表として史上最年少出演。15年発表の3rdアルバム『ハリガネムシ』は、ディスクユニオン〈日本のロック〉チャート3週1位を記録。そして同年9月21日にオンエアされた NHK-FM「今日は一日プログレ三昧」において、芸能界きってのプログレ通であるスターレス高嶋氏から称賛を浴びた。その影響によりCD注文が忽ち殺到、流通を“麻痺”させた。同年、ドラムに後藤マスヒロ(ex.GERARD、人間椅子)が正式加入し、高木大地(g, Vo)・稲益宏美(Vo)・多良洋祐(b)・宮嶋健一(key)と共に黄金期に突入。“〈プログレ〉というジャンルにとらわれた幅狭い音楽”をモットーに、 70年代プログレやハードロックに根差しながらも、横溝正史などの「新青年」的世界観を加味し、和洋折衷の新様式を確立させつつある。バンドロゴは、ちょっとロジャー・ディーン風…(笑)。

ということで、3.19のフェスに登場する3バンドとも女性がメインヴォーカルを務めるという共通点がある。名称を「21世紀おんなプログレまつり」に変えてもいいくらいだ。プログレ好きのおっさんたちには、これもまた嬉しい“品定め”要因となる。

「全席指定席」だから長丁場も安心して楽しめる

ときに、金属恵比須は、4月16日(土)にも「結成20周年記念ワンマンLIVE」を控えている。そのライヴとの棲み分けをどう考えているのか、リーダーの高木に直接、問い詰めてみた。高木は次の回答を寄せた。

高木大地(金属恵比須)

高木大地(金属恵比須)

「3.19のフェスのウリは、まず何と言っても、全席指定席であるということです。プログレ好きの方々は年齢的に長丁場でのスタンディングはキツい世代だと思いますので、私たちの音楽を着席のうえゆったりと聴いていただくには、今回が最高のチャンスです。一方、4.16のワンマンのほうは残念ながら自由席ですので着席の保証はいたしかねるのです」

「次に、3.19と4.16ではセットリストが異なります。3.19でしか演奏しない曲が何曲かあります。昨秋のNHK-FM“プログレ三昧”で名曲と絶賛いただいた私たちの自信作『紅葉狩』もそのうちの一曲ですので、これは特に聴き逃していただきたくないものです」

「3.19は、出演バンドを聴き比べながら、日本のプログレ新世代をサンクロニック(共時的)に、横軸で眺めることのできるフェスティヴァルです。それに対して、4.16のほうは私たち金属恵比須の20年の進化の歴史をディアクロニック(通時的)に、縦軸で眺めることのできるライヴです。そういう意味で、二つのライブにお越しいただくことで、私たちの現在を違った切り口からお楽しみいただける趣向となっています」

「3.19は、ただでさえ各バンドとも、他バンドとの競演ということで、闘志をむき出しにし、緊張も頂点まで達するはずです。そのうえ3バンドいずれも女性ヴォーカルということで、“女3人寄れば姦しい”なんてことも申しますが、それどころか、おんなたちがプログレで火花を散らし合うさまは見ものです」

「さらに…今回、私たちは3.19に向けて、初めてオリジナルTシャツを作ります。ただし、その数量は超僅少となります。4.16での販売は無い可能性もあります。その意味でも、3.19は物販も要チェックなのです

金属恵比須オリジナルTシャツのデザイン案

金属恵比須オリジナルTシャツのデザイン案

スターレス髙嶋から金属恵比須にゲキ推しコメントが届いた!

そして最後に高木から、次のようなトピックがもたらされた。

「“プログレ三昧”で私たちを激賞していただいたスターレス髙嶋(こと髙嶋政宏)さんから、なんと、新曲『阿修羅のごとく』推薦コメントが届きました! ぜひ皆さまにも読んでいただきたいです」

というわけで、そのコメントをさっそく以下に全文掲載する。

今、うちの業界で話題になっている金属恵比須!
前作『ハリガネムシ』のサウンド作りで、
「これこれ! これなんだよ、聴きたかったのは!」
と僕らを興奮の渦に巻き込んだ彼らがついに新作『阿修羅のごとく』を出した!
しかも今度は、ライブ付きだ!
なにしろロックファンなら、聴けば誰もがニンマリしてしまうサウンド!
プログレのみならずロックの巨人たちへの愛がそこかしこにちりばめられているのだ。
マニアならずともこの噂の金属恵比須を聴かない手はない!
それにしてもヴォーカルがいい!
シニカルな英国人のニオイ。
前世、英国人でしょ?

スターレス髙嶋 (髙嶋政宏/俳優、プログレッシャー)

STARLESS AND 前世は英国人? (撮影:山中善正)

STARLESS AND 前世は英国人? (撮影:山中善正)

…とスターレス髙嶋もゲキ推しの金属恵比須も出演する3.19の「新世代への啓示 21st Century Prog Rock Stars FEST Vol.1」は、先日が一時的に売り切れてしまった。が、追加席を新たに設けて(関係者席を開放)イープラスに委託したとのこと。とはいえ、早くも残り僅かとなっているので、まだアクションを起こしていないプログレ・マニアの皆さんはご自身のスケジュールをそろそろ確かめたほうがよいかもしれない。「それは一度だけ叶えられるライヴ・ヴァージョン(詞:田口俊)」

公演情報
新世代への啓示 21st Century Prog Rock Stars FEST Vol.1

■日時:2016/3/19(土)17:00
■会場:吉祥寺CLUB SEATA
■発売中
■出演:Fantasy Rock Orchestra/金属恵比須/Yuka & Chronoship
■問合せ:吉祥寺CLUB SEATA
TEL.0422-29-0061
http://seata.jp/

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