前田司郎作・演出の『宮本武蔵(完全版)』で山田裕貴が舞台初主演!

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2016.4.4
山田裕貴

山田裕貴

劇団「五反田団」を主宰、舞台では岸田國士戯曲賞、小説では三島由起夫賞、ドラマでは向田邦子賞、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞など、各ジャンルで錚々たる賞を受賞し、熱い注目を集める鬼才・前田司郎。

五反田団初の本格時代劇として書き下され、2012年に上演された『宮本武蔵』は、何度となく映画・ドラマや舞台で描かれてきた伝説的な“ヒーロー”としての宮本武蔵ではなく、生々しいまでに人間臭い、等身大の若者としての武蔵が描かれ、不器用な登場人物たちのコミュニケーション不全と、武士として生まれた者の命に対する葛藤を笑いの中であぶり出し、大きな反響を呼んだ。

常に前田司郎の信頼の厚いキャストのみで上演される作品の中で、異例とも言える“イケメン”と呼ばれる俳優の主演による本作。2015年2月に行われた前田司郎によるワークショップに山田裕貴が参加したことからスタート。そのワークショップで、前田司郎に「俗にいうイケメン俳優だと思っていたが、こいつおもしろい芝居するな!」と、うならせたこときっかけに、互いに交流を深めていった。その後、山田に芝居熱をより感じた前田は、メガホンを取った映画『ふきげんな過去』(6月25日公開)にもこだわって抜擢し、そして今夏「前田司郎×山田裕貴」での舞台企画が実現した。

今回は更に、近年多くの注目舞台への出演が続く矢崎広、映像・ドラマと幅広く活躍する遠藤雄弥が出演し、前田司郎作品の常連でもあり、演劇界でも評価が高い内田慈や志賀廣太郎が脇を固めるなど、これまでにない顔ぶれが揃った。

【あらすじ】
伝説の剣豪として世に名を知らしめるも、その内面は臆病な男、宮本武蔵。色々と疲れの溜まった武蔵は、湯治のため山奥の宿を訪れる。そこには様々な面々と出会うこととなる。
私たちが考える理想の武蔵像からかけ離れた主人公、宮本武蔵は皆から偽物ではないかと疑われる。証明のしようもないが、本物と認められたら命を狙われる、しかし偽物と思われても面白くない。疑心暗鬼の中で、武蔵に恨みをもつ者、討ち取って名を上げたい者、さまざまな思惑が重なって、物語は思いもよらない方向へ。
“本当の宮本武蔵は、こんなんだったのではないか!?” 最後までヒーローらしさも小次郎との決闘もなく、そのだらしなさが笑いを誘う現代会話劇。
 
【コメント】 
前田司郎
僕はイケメンに偏見を持っているので、山田くんがワークショップに来てくれたときも「どうせイケメン芝居するんでしょ?」と思っていたが、馬鹿みたいな芝居をセンス良く真面目にやってくれた。イケメンを少し見直したのでした。それでもやっぱりイケメン主役の演劇には抵抗があったが、「僕の書いた宮本武蔵を山田君がやるのは面白いかも知れないなあ」と思い至ったのです。イケメンもイケメンなりに悩んでいるのだなあ。顔じゃなくて芝居を見せたい。
 
山田裕貴
昨年2月のワークショップでお世話になり、その後映画『ふきげんな過去』でもご一緒させていただいた、監督、脚本家、演出家でもある前田司郎さんとまたご一緒したいという願いがこんな素晴らしい形で実現出来るとは…本当に俳優をやっていて良かったと感じました。とにかく、とにかく、とにかく前田司郎さんの本が本当に面白いです! これは役者としても、主演としてもかなりプレッシャーです。
主演として一つの作品を背負うには、あり得ないくらい脱力系宮本武蔵なので…ただ、この本を読ませてもらった瞬間、この宮本武蔵は自分しかいない!いや、最早自分の分身みたいな人間でした。宮本武蔵は、自分の大好きな剣豪ということもあり、何か縁を感じています。自分らしさ全開の新たな宮本武蔵を観てもらいたい。一番難しい大人の笑いに飛び込んで、いい舞台を届けたいと思います。
そして何より今回、舞台三作目にして舞台初主演を演じさせていただくことになり、武者震いが止まりません。本当に嬉しく思いますし、主演であり、舞台というフィールドでご覧いただくのはまた新たな発見を皆さんに観ていただくことになると思うので楽しみです。『宮本武蔵(完全版)』、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいです。
 

〈公演情報〉
 『宮本武蔵(完全版)』

作・演出:前田司郎
出演◇山田裕貴、矢崎広、遠藤雄弥
金子岳憲、鮎川桃果、大山雄史(五反田団)、山村崇子
内田慈、志賀廣太郎
●8/19~29◎東京芸術劇場シアターイースト
〈料金〉¥6,000(全席指定・税込)
前売り開始:6月18日(土)
〈お問い合わせ〉Age Global Networks(株)  03-3587-2120 (平日11:00~17:00)
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