ザ・クロマニヨンズ、中野サンプラザに立つ アツくてクールな"ロックンロールに殺された"夜
ザ・クロマニヨンズ Photo by 柴田恵理
ザ・クロマニヨンズ TOUR JUNGLE 9 2015 2016 2016.04.20 中野サンプラザ
昨年10月に、通算9枚目となるアルバム『JUNGLE 9』をリリースしたザ・クロマニヨンズ。全70公演におよぶ全国ツアー『ザ・クロマニヨンズTOUR JUNGLE9 2015-2016』の東京公演が、2016年4月20日(水)中野サンプラザで開催された。
冒頭から早くもオールスタンディングで歓声に包まれる中、メンバーが登場。「生活」、「やる人」と、アルバム『JUNGLE 9』でも冒頭に収録されている2曲の演奏で幕を開けたロックンロール・ナイト。甲本ヒロト(Vo)の「いっくぞー!」という雄叫びとともに、息つく暇もなくニューアルバムからのナンバーが続く。
ザ・クロマニヨンズ Photo by 柴田恵理
民族調のまとわりつくようなイントロに、甲本の切ないハーモニカが響き渡る「原チャリダルマ」。そして「オバケのブルース」では、ステージ上部に大きな“JUNGLE 9キャラクター”の大きなオブジェが登場! 演奏やパフォーマンスは男らしさ溢れるものながら、こういった演出の節々にクロマニヨンズらしい遊び心が感じられて、そのたびに隙をつかれてフッと微笑んでしまう。
細い体を小刻みに震わせながら歌う、昔から変わらない甲本スタイル。もちろん、お決まりのジャンプはこの日もキレッキレであった。その隣で真島昌利(Gt)は飄々とギターをつま弾き、小林勝(Ba)は仁王立ちでクールなグルーヴを奏でる。桐田勝治(Dr)は一打一打が体の芯に突き刺さるようなタイトなリズムを刻みつづけて、バンドの基盤を支える。今年で結成10周年のバンドだけあって、抜群の安定感で息の合った演奏だ。
ザ・クロマニヨンズ Photo by 柴田恵理
あっというまにニューアルバムから8曲を終え、しばしブレイクタイム。会場からは、「ヒロトー!」「マーシー!」といった男女の声が絶えまなく飛び交う。甲本は、そんなファンの声に応えるかのように「中野サンプラザー!」と何度か叫んだのち、唐突に「走る~走る~おれーたー…それはサンプラザ中野」と、爆風スランプの名曲とノリツッコミを披露し、会場を笑わせた。
「『JUNGLE 9』だけだと30分くらいで終わってしまうので、ほかのアルバムからもやります!」と切り出し、勢いよく中盤戦突入。「自転車リンリンリン」や「タリホー」など、懐かしの名曲が続いて、会場の熱量もグングン上がっていく。前半はクールに徹していた楽器隊も徐々に加速がついてきたようで、ステージを大きく使いながら伸び伸びとした演奏をみせる。
ザ・クロマニヨンズ Photo by 柴田恵理
「這う」での“這う這うコール”や「中1とか中2」での“パンチラコール”など、オーディエンスを巻き込んだ一体感のある楽曲。そして、ファンにとってはまさにタイトル通りの一夜となったであろう、「今夜ロックンロールに殺されたい」では、この日一番の大合唱となった。「今日は最高ー!」と何度もくり返し、「お別れの時間だー!」と甲本。ハイテンポのバスドラでスタートするラストソング「エルビス(仮)」で力強いパフォーマンスをみせて、ステージを去った。
もちろん、鳴りやまないアンコール。この間とても印象的だったのは、アンコールの拍手が一度も仕切り直しにならなかったということ。普通であれば、拍手のテンポがどんどん加速していって、最終的には仕切り直しになることがほとんどなのだが、この日はそれがなかった。クロマニヨンズファンのリズム感の良さ(?)にもおどろきである。
ザ・クロマニヨンズ Photo by 柴田恵理
会場の熱い声援に応えて、メンバーがふたたびステージに現れる。真島と小林は上裸姿、そして甲本はツアーTシャツをズボンのように逆さに履くという、茶目っ気あふれるスタイルで登場! しばし、最前列に立つ観客らとのコミュニケーションを楽しんだのちに、アンコールで「雷雨決行」など3曲を披露した。最高にロックでクールなのだが、観ていてなんだかほっこりしてしまうような、ハートウォーミングな雰囲気が漂う独特なステージ。熱い演奏を終えた甲本は、「ありがとうございます、楽しかった、またやらせてください、ロックンロール!」という言葉を残し、ステージをあとにした。
レポート・文=まにょ
1. 生活
2. やる人
3. ボラとロック
4. 生きてる人間
5. 原チャリダルマ
6. オバケのブルース
7. 夜行性ヒトリ
8. 俺のモロニ―
9. 自転車リンリンリン
10. 底なしブルー
11. タリホー
12. 突撃ロック
13. 炎
14. エイトビート
15. 這う
16. 中1とか中2
17. 今夜ロックンロールに殺されたい
18. ギリギリガガンガン
19. 紙飛行機
20. エルビス(仮)
[ENCORE]
21. キンクス・ガット・ミー
22. 雷雨決行
23. ナンバーワン野郎!