sukekiyo 未体験の感覚を生むステージから音源制作に至る道筋を紐解く
sukekiyo
DIR EN GREYの京(Vo)が率いる5人組バンド・sukekiyo。音楽なのか芝居なのか、ライヴの概念を越えた未体験の感覚を生むステージを作り上げる彼らが、キャリア初となるシングル「ANIMA」を今年4月にリリースした。コンセプチュアルな舞台、そして音源制作に至る思考の道筋を、京と匠(G/Piano)に紐解いてもらった。
「目指してるところが劇なのかライヴなのか、ちょっとよくわからない。今までに無い新しいところを作っていかないと意味が無いだろうし」(京)
――昨年の冬に大阪・東京で行なった『宙吊り娘と掃き溜めの詩』を前編、今年4月の『桜肌、夢締め跡と優越の詩』を後編と、年をまたいで物語を繋ぐ一連のライヴを展開中ですが、後編の初日・なかのZERO公演を終えてのご感想はいかがですか?(取材は4月中旬)
京(Vo):うん。イメージしていた通りのライヴが、ある程度できたかなとは思いますね。頭の中に物語だったり世界観だったりがあっても、実際に形にしてみると“ちょっと違ったな”ってことも有り得るじゃないですか。そういうことも無く、ちゃんとイメージ通りに進んでいるかなと。
匠(G/Piano):楽器隊としては、その京さんの中にあるイメージを具現化することに徹しているんですけど、前編の時点で演出を組み込みながらの曲の使い方みたいなものは掴めていたんですよ。ただ、ラストの「烏有の空」以外、前編とは曲が全部違っていて。
京:「烏有の空」もバージョンが違っていたりするし。最初から曲を被らせないっていうのも決めていたんです。やっぱり両方観に来た人が楽しめるようにしたかったんで、前編のときも後編のことを考えつつ曲を選んでましたね。
sukekiyo 二〇一五年公演「宙吊り娘と掃き溜めの詩」2015年12月2日 東京国際フォーラム/撮影=尾形隆夫
――映像や朗読を初めとする多彩な演出を取り込みつつ、一つの物語が展開してゆくという手法ですから、そういう意味でも曲が被らないというのは当然ですよね。
京:うん。もう、ライヴ自体が物語になってるっていう。そういうライヴって、あんまり無いじゃないですか。そもそも僕ら、そんなに“ライヴ”をやってる感覚も無くて、ジャンルが何なのかわかんないところがsukekiyoかなぁって思うんですよ。目指してるところが劇なのかライヴなのか、ちょっとよくわからない。ただ、暴れるバンドも観るだけのバンドも他にいっぱいいるから、やっぱり今までに無い新しいところを作っていかないと意味が無いだろうし。
――かといって、音源自体がストーリーを備えたコンセプト作だったり、歌詩が繋がっているとかではない。
京:そういうことじゃないです。自分が表現している感情面に、ある程度一貫性はあるんでブレは無いんですけど、その物語のために歌詩を書いてるわけではない。今回の物語でも少女の話と僕自身の話が入り交ざっているところがあって、彼女の精神状態が僕に移ったり、その逆もあったり。自分の中では二人の人間というか物語が同時に進んでいって、お互いに上手く絡み合っている感じなんですよね。
――確かにステージを観ていても、京さんご自身が少女のようにも見え、少女を依代に京さん自身が想いを歌っているようにも見えました。では、今回のシングル「ANIMA」も、その物語とは無関係に作られたものなんでしょうか?
京:あ、まったく関係ないです。
匠:曲作りのときは、まだ、そういう発想じゃないですもんね。表題曲の「anima」は1年くらい前から原曲はあって、スピードを上げて形にしていったのは……去年の秋ぐらいですか?
京:それぐらいかなぁ。最初はフルアルバムを出したいとか、ミニがいいなぁとかあったんですけど、まぁ、シングルも出したことないし、今回はシングルにしとこうかと。それで5~6曲くらいの候補曲を全部進めていって、アレンジが固まってきた時点で“あ、もう絶対コレやなぁ”っていうのがあったんです。
――その“絶対コレ”と思えた一番の決め手は何だったんでしょう?
京:メロディですね。そもそも最初に原曲に歌を乗せたときのメロディが個人的に気に入ってたので、そこだけは残しつつ。単純に“すごく良い曲だなぁ”っていうのがあったんで、ココに何かみんなの命を吹き込みたいなぁって。それだけですよね。
――実際、吹き込めました?
匠:今回はいつも以上に時間をかけて吹き込めました! この曲とカップリングである「12時20分金輪際」の2曲に絞れてからは、ディテールを詰めるための時間も長く取れましたし、おかげでアレンジも何パターンも試すことができて、大変でしたけど(苦笑)。
京:テンポとか結構変えたよね? 最初もっとバラードチックやったもんな。
匠:そうですね。俺、ライヴではギターを弾いたりピアノに行ったりの移動も多いんですけど、この曲は頭からずっとピアノで。割と早い段階で京さんが本チャンのボーカルテイクを入れてくださって、それを踏まえた上でピアノのフレーズとかも詰められたから、メンバー各自“最強の伴奏をしよう!”という気持ちで取り組めました。
sukekiyo 二〇一五年公演「宙吊り娘と掃き溜めの詩」2015年12月2日 東京国際フォーラム/撮影=尾形隆夫
――歌詩も早い段階でできていたということですね。痛々しいほどディープな愛が描かれていて、タイトルの「anima」には生命だとか魂といった意味もありますが、ここで京さんが表したかったものとはズバリ……?
京:うーん……そのへんはボワッとですね。読んだ人それぞれが考えてくれたらいいかなぁみたいな。
――そうなんですね。sukekiyoの歌詩って、常に衝動的でありながらも深淵で、一体どこから生まれてくるんだろう? と不思議だったんですが。
京:曲とバンドの持ってる雰囲気ですかね。sukekiyoの曲が、こういう歌詩を呼ぶんですよ。自然と。
――その世界観に応じて、匠さんもサウンド面で色付けを?
京:(机の上に置かれた資料を見ながら)たぶん今、初めて歌詩を見たんじゃないですか?
匠:いやいや、そんなことないですよ! ただ、言葉でこういう説明をされる機会は無いので、歌詩というよりは雰囲気や空気感を感じ取った上で自分の色を付け足していく形ではあります。京さんの歌が熱く響いてるところでは自分は下で弾いて、歌が収まったら上がって……みたいな。それで上手く歌と演奏が絡み合っているはずじゃないかなと。
――ええ。美しいピアノの旋律と抒情味あふれる歌が見事に絡み合ってます。対照的にカップリングの「12時20分金輪際」は京さんの多彩な声音が詰め込まれた奇抜な展開の、イビツな、それでいて美しさを併せ持った曲ですね。
京:今まで作ってきた曲には無かった雰囲気なんですよ。他の曲に比べると骨組みが定まってきたのが割と早くて、でも、仕上げるのには苦労したね?
匠:そうですね。イントロのウネウネしたボトルネックのギターフレーズとか、京さんから“これ、おもろいな。これで作っていこう!”っていう言葉を貰いつつ。最初はもっと奇天烈な感じだったんですけど、作ってるうちに意図がどんどん変わってきて、もう、ドラム録りが始まってるのにギリギリまでアレンジ考えてたんですよ。でも、初日のなかのZEROでやってみたら意外にハマッてたんで、“良かったな!”って皆で言ってました。
sukekiyo 二〇一六年公演「桜肌、夢締め跡と優越の詩」2016年4月15日 なかのZERO/撮影=尾形隆夫
「京さんから提示される抽象的なイメージを噛み砕きながら、メンバーそれぞれが自分のアイデンティティをブチ込んで、如何にライヴで演るのか」(匠)
――sukekiyoの楽曲ってともすれば文学的な匂いもあって、非常に作り込まれているイメージがあるんですが、制作の手法は意外とバンド然としているんですね。
匠:まぁ、そうですね。京さんのやりたいもの、京さんから提示される抽象的なイメージを噛み砕きながら、メンバーそれぞれが自分のアイデンティティをブチ込んで、出来上がったものを如何にライヴで演るのか? っていうところを、また京さんが総合監修する。で、メンバーも“あ、この曲はこういう使われ方をするんだ”って納得して、ライヴを迎えるという感じですね。きっと京さんには全ての青写真が見えているんだろうなぁと思うので、そこは完全に信じてます!
京:いやいや、僕は感覚の人間なんで。
――とはいえ、今回の新曲2曲をどうライヴにはめ込むか? という青写真も、京さんの中ではしっかり見えていたのでは?
京:いや、この2曲は匠に“好きなところに入れて”って言ったんですよ。そのへんは結構フレキシブルで。
――ええ!! そうなんですか!?
京:曲によってチューニングとか楽器の持ち替えとかあるじゃないですか。特に匠は、いっぱい楽器を使うので。でも、僕、そういうの全くわかんないんで、じゃあ、一回試しに入れてみて……って入れてもらったのを聴いたら、“あ、ちょうど合ってるわ”ってなったんです。
匠:今回、たまたま上手くいったという。京さんがマストで“この順にしたい”っていうところ以外は、楽器隊の流れや音の繋ぎが上手くいくように話し合って入れ替えたりとかは普段もあるんですよね。
――いや、不思議です。先日のなかのZERO公演でも「anima」が少女の感情の流れとピッタリの場所にハマッていたので、てっきり緻密な計算があったんだとばかり思っていたのに。
京:その2曲以外の流れは決まっていたんで、たぶんハメやすかったんじゃないですかね。ここに映像と朗読が入って、ここから浄化ゾーンだからこういう曲調で……とかっていうのも伝えてあったから。
――“浄化ゾーン”とは……?
京:物語の中で、少女が自我を解放して自由に生きられるようになったことを表す映像が入るんですけど、その後は激しい曲ではなく、綺麗な流れのメロディで構成したかったんですね。で、さらに物語の転換点があって……そこに今回は「12時20分金輪際」が置かれたんですけど、ラストに向かってダークに突き抜けていくわけです。それが浄化ゾーンですよとあらかじめ決めてあって、そこに上手く「anima」がハマッたから、“ああ、なるほどな”と。
sukekiyo 二〇一六年公演「桜肌、夢締め跡と優越の詩」2016年4月15日 なかのZERO/撮影=尾形隆夫
――あの展開には私も“なんて残酷なんだ”と背筋が冷えたんですが、では、なぜそういった少女の自我と解放をモチーフにした物語を描こうと決められたんでしょう?
京:まず、ホールでやるならば前編と後編で分けたものをやりたかったのと、そこで女の子の人形を使いたかったんですね。じゃあ、彼女を使って、どうストーリーを組めば自分の中で納得できるだろう? と思ったときに、その物語が頭に浮かんだので、そこから映像制作の監督である未架くんと話しながら作っていきました。
匠:sukekiyoは映像もメンバーであるドラムの未架が作っているんで、より曲とハマッたものが生まれるんですよね。
――sukekiyoのライヴでは映像も大きな役割を果たしていますから、そこは肝心ですよね。人形もかなり印象的な使われ方をしていましたが、それ以上に京さんのパフォーマンスが衝撃的で。ただ、それも決して奇をてらったものではなく、あくまでも物語を表現するために必要だったからに過ぎない。
京:そうです。前編と後編でラストのアプローチが逆になっているのも、物語の展開を表すためで、そこもちゃんと意図して使い分けてるんですよ。
――なるほど。ちなみに京さんの中で、“少女”というのは重要なモチーフだったりします?
京:まぁ、少女というか……子供って無垢じゃないですか? それが穢れていくというのは残酷なようでいて、でも、それが大人になるということでもあり。実際、子供って残酷だったりもするから、その辺が常に自分の中にある感じなんですよね。
――無垢と穢れというのは、確かに京さんの詩世界から一貫して感じるものではあります。「12時20分金輪際」のMVも、少女が大人の世界を覗き見るというシチュエーションですし。
京:ただ、MVは歌詩とリンクしているわけではなくて、曲の雰囲気だけを頭に置いたときに浮かんだストーリーと絵を、未架に伝えて撮ったんです。今回は撮影、大変やったよね?
匠:滅茶苦茶タイトな感じで。1日に2曲録ったんで、タイムスケジュールが早朝始まりの27時半終わり……みたいな。
――どうして、そんな過酷なスケジュールに!?
匠:まぁ、そこしかメンバーの集まれる日が無かったっていう。
京:ま、そういうのは昔はよくあったんで、久しぶりにパンチの効いた撮影やったなぁって。
――苦労の甲斐あって、何度も観たくなる味わい深さがありますよね。そして新曲2曲に加えて3曲目に収録されている「304号室 舌と夜」は、しばしばライヴでも演奏されていた曲。
京:次にやるときは音源を出してアレンジしたものにしたかったから、最近は封印してましたけどね。結成当初から僕らワンマンでやっていて、当時は単純に曲が足らなかったから、以前に自主で出したソロ曲をやっていたんですよ。でも、やっぱりちゃんとsukekiyoバージョンで録りたいなぁと思ったので、今回、ギターのUTAにアレンジしてもらいました。
匠:ギターフレーズを思いっきり差し替えたりして、ガラッと雰囲気を変えてくれましたね。4曲目の「elisabeth addict (Acoustic Ver.)」もライヴでやっていた曲で、元を正せば5~6年前、当時はsukekiyoの名前も形も見えないまま、京さんと二人で最初にデモを作った曲なんですよ。そこからいろいろ音を足して、1stアルバム『IMMORTALIS』(2014年4月発売)の1曲目に収録したんですけど、一番最初のホールライヴではアコースティックアレンジでやったんです。それ以降も何度かそのバージョンでやってたので、今回、音源化して収録することになりました。
――そして驚いたのが5曲目の「leather field Collaboration with TUSK (新宿心音会, THE SLUT BANKS)」なんですが、80 年代末より活躍されているTUSKさんと、一体どういった経緯でコラボすることに?
京:僕が好きだからです!
匠:ふふふ(笑)。
京:もうZI:KILLの初期から聴いていて、当時から“七色の声を持つ男”って言われてたんですよね、TUSKさん。その頃、あんまりいろんな声出す人がいなかったのもあって、ずっと好きだったんですよ。タイミングが合ったら一緒に何かしたいな……とずっと思っていたので、今回、依頼しまして。TUSKさんの一番良い味が出せるように全曲渡して、TUSKさんに曲を選んでもらったんです。そしたら「leather field」を選んでくださって、たぶんこんな感じで歌われるかなぁ……と予想してた通りのものが来たんで、これはもう最高!と。
――いまや京さんご自身が“七色の声”の持ち主ですから、かなり豪華なコラボレーションですよね。私もTUSKさんの歌は昔から聴いていたので、sukekiyoの曲に乗ったTUSKさんの声に“おおっ!”と唸りました。
京:なりますよね(笑)。
――こうしてお話を伺っていると、sukekiyoって思っていたよりも自由なんですね。ライヴでは基本的に着席スタイルで、スタンディングでも声をあげずにジッと静かに観る習わしだったり、“漆黒の儀”と名の付く公演では“喪服”での来場を指示していたりと、縛りの多いイメージもあったんですが。
京:だからファンの方は縛りが多いんじゃないですか。
――つまりsukekiyoのライヴにおいては、オーディエンスも舞台装飾の一部みたいな捉え方?
京:ライヴを一緒に作ってる感覚ですね。普通のライヴでは、みんなで盛り上がって一体感を作るじゃないですか。sukekiyoの場合は決められた服で来て、決められた観方をして、最後に拍手だけっていうのが一体感なんですよね。
――なるほど。楽曲を作っていく過程は意外と自由で、感覚的だったりするけれど、出来上がったものを楽しむときは……。
京:“みんなで作ろう!”みたいな。今までのバンドでも黒服限定とか、喋ったらダメなライヴとかはあったと思うんです。でも、それを全部盛り込んで、しかも着席で最後に拍手だけってところまでやってるバンドはいないから、こんなのが一個くらいいてもいいんじゃないかと。やっぱり無いものを作らないといけないし、こういうことを昔からやってみたかったんですよ。
――わかります。sukekiyoのライヴを観ていると、高まった気持ちをどこにも発散できず、ただ、自分の中で渦巻いているのが、すごく気持ち良いんですよね。いわゆる、ちょっとM的な愉しみ。
京:もう、完全なるドMっすね(笑)。
――でも、そうやって発散しないが故の心地よさを楽しむというスタンスで正解なのかなと。
京:そうなんですよね。悶々として帰ってもらいたい。スポーツ的なライヴじゃないんですよ。もっと、こう……陰湿な感じ。そういうところは大好きなんです。
京詩集「我葬の詩」<下巻>表紙
――そういえば昨秋、今春と上下巻で発売された京さんの個人詩集のタイトルも『我葬の詩』という、ダーク極まるものでしたよね。
京:まぁ、それは今までの自分を、もう一回そこで浄化させるという意味で。たまたまsukekiyoでやろうとしている世界観が、そこにすごく近いっていうだけですね。今は。
――詩集発売に伴う個展『我葬』でも前衛舞踏や尺八の演奏を組み入れたり、映像や触感までも駆使したインスタレーションの趣が強いものでしたけれど、やはり京さんの表現したいものというのは音楽だけには留まらないんでしょうか?
京:そこも縛りが無いんですね。“無いものを作ろう”っていう考えもホントは無くて。昔は“ああなりたい”“ああいうものを作りたい”っていう理想像に向かっていく感じだったけど、今は逆に自分がやりたいものをそのまま形にしたら、絶対に他とは被らんやろ!っていうだけ。だから個展をするからって他人の個展を観に行くことも無いし、ただ自分の中から出てくるものを自由にやっているだけなんですよね。
京 個展2016『我葬』
演劇実験室⦿万有引力
――アーティストと呼ばれる人々の中には、本を読んだり映画を観たりといった外部からの刺激をインプットして、自分なりに消化して表現するという方も多いですが、京さんの場合……。
京:それとは違いますね。なんか、自然にやりたいことが、いっぱい出てくるんです。
匠:いや、ホントいっぱい出てきますよ! 俺なんかインプットしないでアウトプットばかりしてるとスッカラカンになるのに、きっと京さんはアンテナの張り巡らせ方が違うんでしょうね。
――生まれながらにアーティストたる“何か”を持っているのかもしれませんね。では、現時点でも既に“次はコレをやりたい”というものが湧き出ているんでしょうか?
京:とりあえず今は『桜肌、夢締め跡と優越の詩』の京都公演が残ってるので、初日よりも完成度を高くしたいっていうのでいっぱいですね。その後は7月17日に調布市グリーンホールで『「裸体と遊具、泥芝居に讃歌の詩」-漆黒の儀-』という公演が決まっていて、これは前編の『宙吊り娘と掃き溜めの詩』と後編の『桜肌、夢締め跡と優越の詩』を1日でやってしまおうという試みなんです。
――ええ!! 1日で2本!?
京:そうです。だから片方しか観ていない人でも、これに来たら全部観れる。しかも前編と後編で曲が被ってないから、その二つでsukekiyoの全曲を網羅できるんですよね。必然的に全部で3時間以上になるはずで……ま、途中に1回休憩挟みますけど。その前編と後編を単に両方やるだけじゃなく、もちろんパワーアップさせてやろうと思ってます。1日に2本、しかも内容が違うものをやるっていうのもなかなか無いことだから、そこも楽しんでもらえたらなと。
――いや、私たちは絶対に楽しめますが、メンバーの皆さんは相当大変ですよね。
京:ま、リハが……ね?
匠:恐ろしいですね。リハと体力と(笑)。
京:でも、お客さんも大変だと思うんですよね。一回のライヴだけで僕も結構精神的に疲れるんで、それを1日に2回も観たら、もう、痩せて帰るんじゃないですかね。
――これは究極のMが味わえそうです。しかし、今日のお話を総合すると、sukekiyoのライヴを楽しむためには、もしやMの素質が必須なのではないかという気がしてきましたが。
京:ああ、Sの人にはちょっとしんどいかもしれないですね。
――となると“できるだけ多くの人に聴いてほしい”とも声高に言えませんよね。
京:まぁ、聴いてほしいのは聴いてほしいんですけど、入り口がすごく狭いんで。
匠:ただ、純粋に音楽として聴いても気持ちの良いものは提供していますから。音楽だけを楽しみたい人、この曲が好きだから聴いてみたいという人たちにも、全然対応できるものを作っているので、そういう意味でも一度ご覧になっていただきたいですね。
sukekiyo(L⇒R)UTA、YUCHI、京、未架、匠
「ずっと“何なんだコイツら!?”って思われていたいですね」(京)
――では、このsukekiyoというバンドの最終目標って、果たして何なんでしょう?
京:ずっと“何なんだコイツら!?”って思われていたいですね。友達をライヴに誘いたくても上手く説明できなくて、“なんかようわからんけど1回来て! 来たらわかるから”みたいな。とにかく、あの異様な空気感を味わってほしいんで、説明できないほうが良いんですよ。無理に言葉で説明しても、やっぱり違うんですよね。
――それ、文字で説明すべきインタビューでは非常に困りますね(笑)。ただ、あんな異様な空気感を味わえるライヴは、間違いなくsukekiyoしかないと断言できます。
京:そうなんですかね。一つ言えるのが……ちょっと引っ込み思案な子とかって、激しいライヴに行きづらかったりするじゃないですか。周りの“ウェーイ!”みたいな空気感に馴染めなくて居心地悪かったり。
――わかります。私も初めてロックのライヴに行ったとき、音に乗って体を動かすということを知らなかったので、どうしていいのか戸惑いましたから。
京:僕も全く同じです。初めてライヴハウスに行ったときに“え? 手あげなあかんの?”みたいな。でも、そのへんsukekiyoのライヴでは全く気を遣わなくていいですから。どんな人でも同じ条件で平等に観れるから、そういう意味では入り口は広い。
――まさに! 無理にノる必要もなく、ただ会場に来て、ジッとしていればいいわけですからね。そうして飛び込んでみたら、恐ろしく残酷な世界が広がっている……と。
京:でも、引っ込み思案な子って、残酷なものが好きなんですよ。“私なんか”ってマイナス方向に思考が行きがちだから、そういう人にはsukekiyoの世界観ってすごく合うと思うんですよね。だからドMの引っ込み思案な子は大歓迎です!
匠:ははは!(笑)
ライヴ写真=尾形隆夫 インタビュー・文=清水素子
sukekiyo『ANIMA』
Distributed by sun-krad Co., Ltd.
01. anima
02. 12時20分金輪際
03. 304号室 舌と夜
04. elisabeth addict (Acoustic Ver.)
05. leather field Collaboration with TUSK (新宿心音会, THE SLUT BANKS)
◆ Music Video
01. anima
02. 12時20分金輪際
◆京公式通販サイト<Penyunne Zemeckis>にて発売中
http://www.e-fanclub.com/Penyunne_Zemeckis/webshop/list.asp?bunrui1=3
※京公式通販サイトおよびsukekiyo公演会場のみの販売となります。
※数量限定のため、予定数が無くなり次第販売を終了致します。予めご了承ください。
※iTunes Storeにて1stシングル『ANIMA』より「anima (Edit Ver.)」、1stアルバム『IMMORTALIS』(2014年作品)、1stミニ・アルバム『VITIUM』(2015年作品)が配信中!
iTunesで見る https://itunes.apple.com/jp/artist/sukekiyo/id768011895
7月17日(日) 東京都・調布市グリーンホール
◆公演に関するお問い合わせ
NEXTROAD 03-5114-7444 (平日12:00~18:00)
・京 online 先行
受付期間 4月25日(月)12:00~5月1日(日)23:59
枚数制限 お一人様4枚まで
受付URL http://www.freewillonline.com/kyo/
受付期間 5月16日(月)12:00~5月29日(日)18:00
枚数制限 お一人様4枚まで
受付URL http://sukekiyo-official.jp/
6月18日(土)~
「我心」 12,100円
「是空」 11,600円
通常指定席 10,000円
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※「我心」は1F指定席前方、「是空」は2F指定席前方となります。
※オリジナル特典は当日、会場の指定窓口にてお渡し致します。