冬より「夏イルミ」がスゴイ!カップル必見の3つの理由

インタビュー
イベント/レジャー
2015.8.1


冬の風物詩というイメージが強いイルミネーションだが、近年は夏にも開催する施設が急増。「ここ3年ぐらいで、急速に増えてきました」と話すのは、全国各地で数々のイルミネーションをプロデュースしている、夜景評論家の丸々もとおさん。「長崎県のハウステンボスを筆頭に、兵庫県の兵庫県立フラワーセンターや千葉県の東京ドイツ村などのイルミネーションが代表的です。熊本県の阿蘇ファームランドのように、1年を通じて楽しめる施設もあります」とのこと。

さらに、2014年夏には、アパリゾート上越妙高、いくとぴあ食花、国営越後丘陵公園の新潟県にある3つの施設が、「新潟三大サマーイルミネーション」として認定されるなど、ますます注目を集めている。今回は、そんな夏イルミの3つの魅力を、丸々さんがプロの視点で解説!

■ <1>“思い出指数”がアップする

広大な土地を要するイルミネーションは、自然が豊かな場所で開催されることも多く、冬場に凍えながら鑑賞した記憶のある人も、少なくないのではないだろうか。その点、夏は気候に恵まれている点が大きな魅力だと、丸々さんは話す。

「イルミネーションが思い出として残るためには、滞在時間が重要になってきます。冬は寒過ぎて長時間滞在するのが難しいのでいくつかのスポットを回らないと、なかなか思い出になりにくいものですが、夏は夜風に吹かれて夕涼みをしながら、ゆっくりと1カ所を堪能できる。滞在時間が長くなる分、心に美しいものが入り込みやすくなるんですよ」

また、夏ならではの開放感も重要なのだとか。「冬はどうしても背筋が曲がり、体が縮こまってしまいがち。その点、夏はリラックスして胸を開き、多くのものを吸収する態勢が整っています。もっと見たい、楽しみたいという気持ちが自然と沸いてくる季節だからこそ、その良さを最大限に感じることができるのです」

■ <2>コミュニケーションがとりやすい

夏の夜の風物詩である花火は、会話を楽しみにくいことが難点。「花火が打ち上がっている時は音が大きく、ゆっくり会話ができる状態ではありませんよね。それに、開催日に人が集中するため、行きも帰りも大混雑を生み、快適に過ごすのは難しいと思います」と指摘する。

「イルミネーションは一定の期間開催しているので、空いている日を狙って訪れることもできます。気候が良く会話が弾みやすい上に、自分たちのペースでゆったりと会場を回れるので、コミュニケーションも深まりやすいです」

■ <3>2人の仲がグッと深まる!

ロマンチックな気分へと誘ってくれるイルミネーションは、デートに欠かせないスポットの1つ。「夏は日没が遅いため、イルミネーションを見る前に、食事などのデートプランを盛り込むことができます。うまくスケジュールを組めば、最後のメインディッシュとして、イルミネーションを効果的に活用できるのではないでしょうか」と、“夏イルミデート”のポイントを教えてくれた。

夏は冬に比べ、スポットを選びやすい点も魅力なのだとか。「冬に加えて夏も実施するとなると、スタッフの確保や残業代が必要となってくるため、相当の覚悟がないと収支のバランスがとれません。どこの施設も本気です。そのため、冬に比べて数が絞り込まれている上に、どこを選んでも失敗がありません」という。

また、夏のイルミネーションを一言で表すならば、“人と人とをつなぐ明かり”だと丸々さんは話す。「夏の夜には、人を情緒的にする魔力があります。心に余裕がある分、誰かの笑顔を見て、自分も思わず微笑んでしまうような、幸せの連鎖が生まれやすいんですよ。冬は2人で暖まりに行く要素が強いですが、夏はそこからさらに一歩踏み込み、関係を深めてくれる力があるように思います」

冬にはない多くの魅力を持つ、夏のイルミネーション。最後に、施設側の視点から、増加している理由を聞いた。

「冬のイルミネーションに向けて、夏に電球の点灯チェックをするのですが、その際、夏のイルミネーションとしてそのまま点灯してしまった方が、効率的といえます。また、冬に使用したたくさんの電球を、翌年まで寝かせておくのはもったいない、ということもありますね。新しい商材を足さずにもう1度集客ができるので、ベースとなる冬のイルミネーションが増えるにつれ、夏に転用する施設も増えていると考えられます」と解説。

さらに、イルミネーション鑑賞を有料化している日本独自のシステムも、影響しているという。「入場料にマッチしたパフォーマンスを提供する必要があるため、施設側も色々なものを仕掛けてきます。その結果、人材の育成や技術力、演出力の向上につながり、冬だけでなく夏にも実施する流れが生まれました」とのこと。

知れば知るほど奥深い、夏イルミの世界。この夏は、きらびやかな光が織り成す“真夏の夜の夢”に、酔いしれてみてはいかが?【東京ウォーカー】
 

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