『VIVA LA ROCK 2016』オフィシャル・クイックレポート・NICO Touches the Walls
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NICO Touches the Walls Photo by TEPPEI
これぞロックバンドのライブ!という数十分だった。光村龍哉(Vo&G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)、対馬祥太郎(Dr)の4人が作り出すグルーヴは、ときにグッと溜め、ときに熱くテンションを高め、その息のあったプレイがエネルギーとなってオーディエンスを巻き込んでいく。2年ぶりにVIVA LA ROCKに登場したNICO Touches the Wallsが見せてくれたのは、そういうステージだった。
登場すると、光村が右手を高々と挙げ、「いけますか?」と一言。まずは挨拶代わりの “渦と渦”の豪快なギターロックに、オーディエンスが歓声で応える。続くは“THE BUNGY”。暴れ馬のようなロックンロールのビートを持つこの曲で、早速メンバーのスリリングなプレイが映える。古村のギターフレーズがバンドをぐいぐいと引っ張っていく。
NICO Touches the Walls Photo by TEPPEI
続いては「ご無沙汰してます、VIVA LA ROCKの皆さん」と呼びかけて、“手をたたけ”へ。ピースフルな包容力を持ったこの曲のムードにオーディエンスが笑顔で手を打ち鳴らして応え、「めっちゃ気持ちいい響きです、ありがとう!」と光村が叫ぶ。
アコースティックギターに持ち替え、「午前中にぴったりの爽やかなナンバーをお届けします」とこの5月にリリースされたばかりの新曲“ストラト”を披露。キャッチーなメロディ、メンバー全員のコーラスとクリアトーンのギターが魅せるポップソングだ。
NICO Touches the Walls Photo by TEPPEI
そして、ライブならではの見せ場を見せてくれたのがラスト2曲。「暴れようぜ!」とプレイした“ニワカ雨ニモ負ケズ”では、曲の途中から古川と光村が向かい合って声とギターで即興のセッションを繰り広げる。そこに対馬のドラムと坂倉のベースが絡まり合い、「♪探している~」というワンフレーズとスキャットで数分間のインタープレイを繰り広げる。と、光村は全員の演奏を止めて、客席を指差して囁き声で「行くよ」と一言。そして再び爆発するようなサビへ。この瞬間は、まさにバンドの真骨頂だった。
NICO Touches the Walls Photo by TEPPEI
ラストは「天地ガエシ」。サビ前でぐっと溜めて後半から一気にスピードアップする、まるでジェットコースターのような展開で熱狂を生み出し、4人はステージを降りた。
「NICO、格好いい! ヤバいよね!」。終演後のセットチェンジでは、どうやら初めてNICO Touches the Wallsを観たお客さん同士の会話が聞こえた。きっと、緩急自在なそのグルーヴが生み出す「熱」に魅了されたんだと思う。
撮影=TEPPEI レポート・文=柴那典
NICO Touches the Walls Photo by TEPPEI
NICO Touches the Walls