『VIVA LA ROCK 2016』オフィシャル・クイックレポート LILI LIMIT
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LILI LIMIT
『VIVA LA ROCK 2016』2016.5.28 さいたまスーパーアリーナ
CAVE STAGE LILI LIMIT
CAVE STAGEの3番手として登場したのは、7月にメジャーデビューを控えた男女混成の5人組LILI LIMIT。白で統一された衣装、対称なステージ上の立ち位置、後方に掲げられたミニマルなフォルムのバンドロゴからは、彼らの持つ美意識の高さがはっきりと伝わってくる。
LILI LIMIT
幻想的なオープニングのSEから、そのままシームレスに一曲目の“Festa”に傾れ込むと、すぐにオーディエンスからクラップと合唱が巻き起こり、会場の空気ががらりと変わる。「最後まで楽しんでいきましょう。よろしく!」という一言を挟んで、“h.e.w.”へ。透明感のあるオーガニックなシンセの一方で、丸谷誠治が力強いビートを刻み、間奏では土器大洋と黒瀬莉世がステージ中央で向かい合って熱っぽく演奏したりと、やはりこのバンドはエレクトロニクスと生演奏のバランスが絶妙だ。「ゆったりと踊ってください」と披露された“at good mountain”はクラシカルなストリングスや間奏のオペラ風のコーラスが端正な印象を与えるが、サビはこれまでの曲と同様に非常にキャッチーで親しみやすい。芸術性と大衆性の両立。彼らは見事にそのど真ん中をついていく。
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“seta gaya”でアットホームな空気を作り出すと、MCで志水美日が7月のメジャーデビューを伝え、オーディエンスから温かな歓声が贈られる。続けて牧野純平が「環境は変わりますが、ただメジャーデビューするだけ。引っ越しするぐらいの感じです。ちなみに僕最近世田谷に引っ越しました」と話し、さらには2年前に初めて来たフェスがVIVA LA ROCKで、去年も最初にKANA-BOONを見たけど、今日はステージ横から見れたこと、そして、2年前に「このフェスに絶対出る」とツイートし、有言実行を果たしたことを伝えた。
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「家族だったり、みなさんだったり、大事な人のことを思って書いた曲です」と言って披露されたメジャーデビュー作の表題曲“Living Room”は、歪んだベースと重たいバスドラが強調されたスケール感のある曲で、ここからさらに広い場所へと旅立っていく、その始まりを告げるような実に印象的な楽曲。ラストはポストロック的な構築感とダンスミュージックの高揚感が組合わさった名曲“Girls like Chagall”で、ハンドマイクの牧野はステージ前方に出て激しくパフォーマンスを繰り広げた。決して遠くない未来に、彼らが今日のKANA-BOONと同じステージに立っているのではないかと思わせるに十分な、充実のステージだった。
撮影=釘野孝宏 レポート・文=金子厚武
CAVE STAGE LILI LIMIT
1.Festa
2.h.e.w.
3.at good mountain
4.seta gaya
5.Living Room
6.Girls like Chagall