『-呼び水-』アルルカン×己龍×MERRYが繰り広げた3時間半の濃厚な宴

レポート
2016.6.9
GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /セッション

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /セッション

画像を全て表示(5件)

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- アルルカン×己龍×MERRY
2016.6.1(WED)TSUTAYA O-EAST

アルルカン×己龍×MERRYの3マンイベント『-呼び水-』が、6月1日(水)にTSUTAYA O-EASTで開催された。

アルルカンがリスペクトする先輩バンド、MERRYと己龍を招いて行なわれた本イベント。トップバッターは、2015年に日本武道館単独公演を成功させ、若手V系シーンを牽引する存在の己龍。オープニングは彼らの代表曲のひとつ「天照」で、きらびやかな衣装もさることながら、のっけから酒井参輝(G)、九条武政(G)、一色日和(B)の弦楽器陣がステージぎりぎりまで前に出て煽る攻めのパフォーマンスを展開。楽曲のテーマに“和製ホラー”を掲げている彼らだが、オーディエンスを一瞬たりとも休ませない激しくも徹底した参加型のステージは実にエネルギッシュだ。扇子を振る曲あり、逆ダイ続出のナンバーあり、上手と下手に分かれて暴れ倒す曲ありで、V系シーンに脈々と流れる和洋折衷の世界を表現しながらも、1曲の中にさまざまな要素が詰め込まれていて飽きさせないのが印象的だった。

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /己龍

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /己龍

MCでは黒崎眞弥(Vo)が「地下制作活動にいそしんでいて、この地上界に出ずるのは1ヶ月ぶりです。光がまぶしい。久しぶりにこのような舞台に立てて、とても清々しい気持ちです」と近況を報告するとともに、敬愛するMERRYと同じ舞台に立てる嬉しさを表明。さらに、開演前にアルルカンの楽屋に挨拶に行った際に暁(Vo)が暗い螺旋階段で手をさしのべてくれて、その優しさにテンションが上がったというエピソードも披露された。そしてライヴ後半は「鬼祭」、「九尾」などの代表曲を盛り込み、締めの曲はフロアに扇子が舞う最新シングル「彩」で、遠海准司(Dr)の前にメンバーが集結するエンディング。艶やか且つ勢いのあるステージを繰り広げた。

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /MERRY

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /MERRY

続いて登場したのは2016年2月のEX THEATER ROPPONGIで長期療養中だったテツ(B)が完全復活し、5人で新しいスタートを切ったばかりのMERRYだ。3バンドの中では結成15年の大先輩だが、ハンドクラップの中、ステージ前の幕が開くとガラ(Vo)がいきなり「渋谷! やっちまえ!」と叫んで暴れまわり、オープニングの「千代田線デモクラシー」からコール&レスポンス。一瞬にして空気を変えてしまうステージング、レトロで哀愁があってパンクな世界観はMERRY初心者もアッという間に惹きつけてしまったようだ。

手桶に入れた水を柄杓でフロアに撒くパフォーマンスでおなじみの「絶望」では、盛り上がるオーディエンスに「わりと受け入れられているんでビビってますが(笑)、好きにやらせてもらうので好きに暴れてください」と呼びかけ、場内は盛大な“絶望”コールの嵐。「暗闇にピンク」ではエロティックな世界に連れていき、MERRY名物の不気味でアングラなパフォーマンスが強烈な「演説〜シュールレアリズム〜」では、スタンドに楽器を固定してプレイしていたテツが前に出てベースを弾く場面も。ネロ(Dr)、テツ、結生(G)、健一(G)の息の合ったプレイはさすがで後半では「不倫の歌を聴いてください」といってガラが唇にルージュをひき、マイクスタンドにハットを被せて男性に見立てながら最新シングル「平日の女 -A面-」を披露。キレッキレのライヴで沸かせた後はしっとりしたラブソングと、アコースティックスタイルによる「Happy life」で締め、全9曲ながらMERRYの魅力を見せ尽くした。

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /アルルカン

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /アルルカン

そしてトリを務めたのは本イベントのホストであり、47都道府県ワンマンツアー『境界線』を間近に控えたアルルカンだ。

暁(Vo)の人間離れした強烈シャウトが響きわたるヘヴィチューン「墓穴」でスタートし、奈緒(G)、來堵(G)、祥平(B)がアグレッシヴにステージを動きまわり、堕門(Dr)が力強いビートで支え、前半から熱量の高さでオーディエンスを煽っていく。激しく尖ったサウンドと美しいメロディが交錯する楽曲は、結成3年目にしてアルルカンがバンドのカラーを確立していることを感じさせる。「人形-ヒトガタ-」では暁が「誰かが決めたルールなんてクソくらえだ! ぶっ壊してやる!」と叫び、ライヴの定番曲でもある「像」ではステージから降り、柵にもたれてヘッドバンギング。エキサイティングなライヴを繰り広げた。

「今日、ここを選んで来てくれていることがとても嬉しいので、柄にもなく笑ってしまいました(苦笑)」と憧れのバンドとの念願の共演に喜びをにじませつつ、「ここからはもっとズケズケと自分たちを押し付けていきます!」と後半はさらにヒートアップ。最新シングル「PARANOIA」も披露し、ライヴ定番曲の「ダメ人間」で場内は一体に。ステージにもフロアにもまばゆい光が注がれた「Eclipse」で、痛みも熱さもさらけ出すライヴを締めくくった。

 

3バンドのステージが終了し、ライヴはそのままセッションタイムへと突入。最初に呼び込まれたのは己龍の面々で、「一気にステージが綺麗になるよね」という暁に眞弥が、暁が階段で手をひいてエスコートしてくれた場面を再現し、場内もほっこりムードに。アルルカン×己龍の総勢10人で「鬼遊戯」が演奏され、酒井以外の己龍メンバーが去った後、MERRYのガラ、結生、ネロがステージに出てくると想像もしていなかったサプライズに暁は呆然。何とガラが暁と同じ髪型にして登場したのである。あまりの驚きと嬉しさに「えーーーっ!?」とその場に座りこんでしまった暁。動揺マックスの中、MERRYの初期ナンバー「首吊りロンド」がデュエットで披露された。

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /セッション

GOEMON RECORDS Presents -呼び水- /セッション

最後はアルルカンのメンバーと酒井が残り、「アルルカンの曲を演ろうと思うんですけど、暇な人がいたら遊びに来てください」と呼びかけると、己龍の九条と一色が乱入。「像」が投下され、暁が酒井と肩を組んで歌ったり、來堵に九条がふざけて絡んだり、楽器陣が正座してヘドバンしたり、フロアも双方暴れ倒して賑やかな幕切れ。3時間半の濃厚な宴を満喫した夜となった。

文=山本弘子

セットリスト
GOEMON RECORDS Presents -呼び水- アルルカン×己龍×MERRY
2016年6月1日(水)TSUTAYA O-EAST


◆己龍
01. 天照
02. 雛奉
03. 鬼祭
04. 井底之蛙
05. 朱花艶閃
06. 獄門
07. 九尾
08. 鎮具破具
09. 彩

◆MERRY
01. 千代田線デモクラシー
02. 梟
03. 絶望
04. 暗闇にピンク
05. 演説~シュールレアリズム~
06. オリエンタルBLサーカス
07. 「東京」

08. 平日の女 -A面-
09. Happy life

◆アルルカン
01. 墓穴
02. 「私」と“理解”
03. 人形-ヒトガタ-

04. 像
05. あの窓に教わった事
06. PARANOIA
07. 身を知る雨
08. ダメ人間
09. Eclipse

◆アンコール
01. 鬼遊戯(己龍×アルルカン)

02. 首つりロンド(MERRY×アルルカン)
03. 像(己龍×アルルカン)

 

シェア / 保存先を選択