フジロックが「クリーンなフェス」である理由
フジロックがただの音楽フェスではない要因のひとつに、音楽を楽しむ以外に「音楽が好き」または「フジロックが好き」という共通点を持つ者同士たちが大自然の中で一堂に会するという特殊環境に身を置くことから得られる「日常では感じられないこと」や「見えなかったこと」「気づけなかったこと」を体験、または体感できることがあげられる。
例えば、フジロックは「クリーンなフェスティバル」として名高い。そうなった理由や経緯は様々だろうが、10万人以上が集う場所で‘キレイ’を保てる秘訣は何だろうか。
フジロックのゲートをくぐって最初に出くわすのはゴミ袋の無料配布だ。当たり前のようにもらっているけれど「ゴミをポイ捨てしてくれるなよ」というフジロックからのメッセージと筆者は受け止めている。
そういった「自然と音楽の共生を目指す日本最大級の野外ロックフェスティバル」と自ら謳うフジロックの会場内には、先のゴミ袋配布と同様にオーディエンスに対する‘仕掛け’がたくさん存在している。
フジロックが取り組む環境保全のための多数の活動は、「フジロックの森プロジェクト」「NEW POWER GEAR」「ごみゼロナビゲーション」「NGOヴィレッジ」の4つに分けられるのだが、今回はあなたが参加できること、または会場内で目にしたり、手に取ることができるものをいくつかピックアップしてご紹介しよう。
■フジロックの森プロジェクトから生まれた紙「フジロックペーパー」
新潟・湯沢周辺の森林の整備により、山に切り捨てられる「もったいない木(間伐材)」から生まれたのが「フジロックペーパー」。フリーペーパー「Festival Echo / フェスエコ」やフジロックのフライヤー、オフィシャルパンフレットなどに活用されている。(協力:中越パルプ工業)
■みんなで共に創る「ボードウォーク」
車いすでの自然散策を可能にする木道「ボードウォーク」はボランティアと苗場の人々とで作り上げてきたもの。重機やケミカル材を一切用いず、自然の木材と人の力だけでコツコツと年月をかけて築いてきたオーガニックな木道作りには誰でも参加できる。
<ボードウォーク・ボランティアキャンプ開催>
毎年、苗場の方々と共にボランティア参加者がキャンプをしながらボードウォークの補修・整備の作業を行うボードウォーク・キャンプ。フジロック開催までにあと2回開催予定。
6月18日(土)、19日(日)補修作業など
7月9日(土)、10日(日)補修作業、最終チェックなど
※詳細はフジロックの森プロジェクト(http://www.fujirockersforest.com)でご確認ください。
■忌野清志郎の歌を聴ける! クリーンエネルギー「自転車発電」を体験
‘ペダルを漕ぐと清志郎さんの歌を聴ける’という自転車発電体験。オリジナルグッズももらえるし、何よりも自転車でフジロックへ会場入りした伝説を持つ我らが清志郎のエコ精神にも触れることができる。場所はNGOヴィレッジ。
「NGOヴィレッジ」:2000年からAVALONフィールド内にてスタートし、草の根的な活動のサポートをすると共に、毎年テーマに沿ったアピールで “社会のカダイ“をわかりやすく来場者に伝え、アクションへ踏み出すきっかけを創り出すサポート中。
■ごみゼロナビゲーションに参加して「イベント内資源循環」に協力
ゴミ分別をして、それを資源化するのが「イベント内資源循環」。前年のフジロックで回収されたペットボトルは入口で配布されているゴミ袋となり、ビールを飲むために使われた紙コップはトイレット・ペーパーとなってオーディエンスの元へ再び還ってきている。
■環境負荷の低い「食器」でご飯を食べる
フジロックは全飲食店で「非木材を利用した紙食器」や「国産間伐材製の割り箸」、「生分解性プラスチック・カップ」(試験導入)している。それは森の再生に、そして環境負荷の軽減を考えてのこと。このような試みをしたのはフジロックが先駆けであり、他のフェスやイベントにも普及してほしい活動だがコストがかかるためか広がりは少ない。食器を観察してみると、そのフェスやイベントが環境問題をどう考えているのかが見えてくるだろう。
これらすべての活動は、オーディエンスの意識があるなしに関係なく、参加することでナチュラルに環境保全に協力できる仕組みが作られているもので、強制されたものではない。
それにも関わらず、そういった一連の環境保全活動に積極的に参加するオーディエンスが多くあるのは、もともと意識の高いオーディエンスが多かったこともあるだろうが、20年という長きに渡っての主催者側のメッセージの発信とそれ相当の労力が費やされてきた賜でもあるだろう。他が真似できないことからも容易なことではないことは伺い知れる。
こうしたすべてが重なり合った結果、フジロックは「クリーンなフェス」という称号が与えられたのだろう。これまで継続されてきた音楽以外の環境保全活動は、これから先もフジロックを楽しむために必要なこと。今回ご紹介したのはその中の一部なので、その他の全活動ついては『FUJI ROCK FESTIVAL』オフィシャルサイト(http://www.fujirockfestival.com)でご覧頂き、自分にできることから参加してみてほしい。
写真出典=FUJI ROCK FESTIVAL オフィシャルサイト
文=早乙女‘dorami’ゆうこ
【FUJI ROCK DAYS名古屋】
開催日時希望:6月25日(土)13:00〜20:00
開催場所希望:TOWER RECORDS 名古屋パルコ店
http://www.fujirockfestival.com
2016年6月29日発売
UICO-4051 ¥2,500+税
CD及びデジタル・アルバムとして発売(収録楽曲はCD、デジタルによって異なります)
発売元: ユニバーサル ミュージック合同会社
URL www.universal-music.co.jp/p/uico-4051/
『FUJI ROCK FESTIVAL 20TH ANNIVERSARY COLLECTION (2007-2016)』
2016年6月29日発売
WPCR-17388 ¥2,500+税.
CD及びデジタル・アルバムとして発売(収録楽曲はCD、デジタルによって異なります)
発売元:株式会社ワーナーミュージック ジャパン
URL wmg.jp/artist/fujirock20th/
子連れでフジロックに参加するパパ・ママを応援する新企画。
■【こどもフジロック】富士祭電子瓦版 http://frf-en.jp/column/dorami
■【こどもフジロック】FACEBOOK https://www.facebook.com/kodomofujirock/