広上淳一指揮の京都市交響楽団が名古屋で「悲愴」を演奏、ピアノ協奏曲には萩原麻未が登場

ニュース
クラシック
2016.6.15
指揮/広上淳一  Photo:Greg Sailor(左)ピアノ/萩原麻未  (c)Akira Muto(右)

指揮/広上淳一 Photo:Greg Sailor(左)ピアノ/萩原麻未 (c)Akira Muto(右)


2010年から続く京都市交響楽団の7回目の名古屋公演が6月16日に行われる。毎回、常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザーの広上淳一と実力派のソリストたちの共演で、名古屋でも人気公演のひとつとなった。

今回のソリストはジュネーブ国際コンクール ピアノ部門において日本人として初めて優勝した萩原麻未。今回演奏するサン=サーンス ピアノ協奏曲 第5番「エジプト風」はサン=サーンスがエジプトに滞在中に、自分自身のピアニストデビュー50周年を祝うコンサートで披露するために作られた。第2楽章のエキゾティックな雰囲気が特徴的で「エジプト風」の呼称の由来となった。ピアノのヴィルティオーゾらしい華やかな部分も多く、全5曲あるピアノ協奏曲の中でも人気の高い曲である。長年フランスで研鑽を積んだ萩原がどのような演奏をするのか注目だ。

そして、今回の目玉はなんと言ってもチャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」。広上の十八番であり、過去に京響とも共演しているこの曲をようやく名古屋で聴くことができるのだ。4つの楽章からなるこの曲の配置はこれまでの交響曲とは異なる独創的な構成になっており、チャイコフスキーにとって新境地とも言える楽曲である。初演は彼自身の指揮で演奏されたが、当時はなかなか理解されなかった。しかし、作曲時からチャイコフスキーは「きっと私の最上の作となるだろう」と言っており、現在では19世紀後半の代表的交響曲のひとつとして高く評価されている。なお、初演から9日後にチャイコフスキーはコレラ及び肺水腫が原因で急死し、この曲は彼の最後の大作となった。

広上は「京響に携わるようになってから、まず楽団員と共有したかったのは感謝の気持ちです。すなわち、京都市民の皆様が半世紀以上にわたって京響を支えてくれたこと、そして演奏会に足を運んでくださることへの深い感謝です。今、楽団員一人一人がそういう気持ちを真摯に持ってくれています」。と、過去に門川大作京都市長との対談で語っている。

その気持ちが名古屋の聴衆にも伝わるからこそ、毎年楽しみにしているファンがいるのだろう。

公演情報
京都市交響楽団 第7回名古屋公演

◆日時:2016年6月16日(木)18:45 開演
◆会場:愛知県芸術劇場コンサートホール
◆出演:指揮/広上淳一 ピアノ/萩原麻未 管弦楽/京都市交響楽団
◆曲目:
サン=サーンス/ピアノ協奏曲第5番ヘ長調「エジプト風」op.103
チャイコフスキー/交響曲第6番ロ短調「悲愴」op.74
◆料金:プラチナ¥6,000 S¥5,000 A¥4,000 B¥3,000
※S席・A席はシニア(65歳以上)、学生(25歳以下)半額 [アイ・のみ取扱]
◆公式サイト:http://www.kyoto-symphony.jp/​

 

シェア / 保存先を選択